
一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
毛谷村
真実を知った男が奮起する仇討ち物の名作
小倉藩では、豊前国彦山の百姓ながら剣術の達人である六助に試合で勝った者を、500石で召抱えるというお触れを出しています。母親孝行のために士官したいので勝たせてほしいと浪人微塵弾正から懇願された六助は、その思いに心を打たれ、負ける約束をします。試合当日、弾正と刀を交えた六助は、約束どおり弾正に勝ちを譲ります。
その後、六助の前に謎の虚無僧が現れ、突然六助に斬りかかります。この虚無僧、実は六助の許嫁で、剣術の師である吉岡一味斎の娘のお園だったのです。六助はお園から、一味斎を闇討ちにしたのは京極内匠で、先の試合で勝たせてやった弾正こそが京極内匠だと明かされます。
騙されたうえに、勝ちを譲った相手が師匠の仇だと知った六助は、自らの遺恨を晴らして、お園らに仇討ちをさせることを誓うのでした。
二、道行旅路の嫁入(みちゆきたびじのよめいり)
義母と娘の道行を描く一幕
桃井若狭之助の家老加古川本蔵の娘小浪は、塩冶家の家老大星由良之助の嫡子力弥と許嫁の間柄でしたが、塩冶家はお家断絶となり、今や大星親子は浪人の身です。それでも力弥に恋焦がれる小浪は、義母である戸無瀬とともに大星の閑居がある山科へと東海道を急ぐのでした。
三、極付 幡随長兵衛(きわめつき ばんずいちょうべえ)
江戸の町奴と旗本の争いを鮮やかに描いた世話物
大勢の観客で賑わう江戸村山座では、「公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)」が上演されています。しかし、芝居が佳境にさしかかったときに旗本水野十郎左衛門の家臣が舞台上に乱入し、芝居を中断させてしまいます。それを見かねて舞台に上がったのは幡随院長兵衛。打ってかかる水野の家臣を打ち据え、花道から追い払います。その様子を見ていた水野十郎左衛門が長兵衛を呼び止めると、そこへ長兵衛の子分たちが駆け出してきて一発触発となりますが、長兵衛がその場を収めます。後日、水野の屋敷に呼ばれた長兵衛は、この誘いが水野の企みと悟りながらも、出向くことを決断します。無事に帰ることを切に願う妻子に別れを告げ、長兵衛は一人、水野の屋敷へと乗り込んでいくのでした。

昼の部
一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
毛谷村
| 毛谷村六助 お園 杣斧右衛門 お幸 微塵弾正実は京極内匠 | 染五郎 菊之助 吉之丞 吉弥 又五郎 |
仮名手本忠臣蔵
二、道行旅路の嫁入(みちゆきたびじのよめいり)
| 戸無瀬 小浪 奴可内 | 藤十郎 壱太郎 隼人 |
河竹黙阿弥 作
三、極付 幡随長兵衛(きわめつき ばんずいちょうべえ)
「公平法問諍」
| 幡随院長兵衛 水野十郎左衛門 近藤登之助 子分極楽十三 同 雷重五郎 同 神田弥吉 同 小仏小平 御台柏の前 伊予守頼義 坂田金左衛門 慢容上人 渡辺綱九郎 坂田公平/出尻清兵衛 唐犬権兵衛 長兵衛女房お時 | 吉右衛門 染五郎 錦之助 松江 亀鶴 歌昇 種之助 米吉 児太郎 吉之丞 橘三郎 錦吾 又五郎 歌六 魁春 |