今日は、スペイン人の先生をお招きして、うちのスタジオで短期講習を開催いたしました。
うちの生徒さんのみならず、外部生の方も参加してくださり、大盛況!
「フラメンコを始めて間もない生徒さんもいるので、シンプルなことをお願いします」
と伝えてあり、本当にシンプルなことを丁寧に教えてくださいました。
シンプル イズ ベスト!
小難しい振付をされてしまうと、振りを覚えるのでいっぱいいっぱいになってしまい、大事なところを見落とします。
習いたいのは振付じゃない。
「どう踊るのか」を習いたい。
レッスンの始まり、
「じゃ、シンプルなパソを教えるね」
とジャマーダを教えようとしてくれた先生。
タカタカタカとサパテアードを踏み始めました。
「うん。シンプルだね。でも、このクラスにはフラメンコを始めて間もない生徒もいるから、サパテアードが盛りだくさんのジャマーダじゃなく、マルカールにして欲しいです」
と私、要望を出しました。
1時間しかないので、そのジャマーダを習ったら多分1時間が終わってしまうと思ったのでした。
この先生、さすが勘のいい人ですね。
すぐにピンと来たようで、マルカールのテクニカをしてくれました。
そのマルカールを繋ぎ合わせればマルティネーテの振りができあがるように、4種類のマルカールを教えてくれました。
私、事前に、シギリージャ系を習ったことのない生徒には、シギリージャのコンパスと基本のマルカールを教えてありました。
まさに、その基本のマルカールとそれを応用させたマルカールで、
「エッソエ!ビンゴ!そうそう、それそれ」
って思いました。
先生は身体の使い方を、それはそれは丁寧に教えてくれました。
私も勉強になった。
上級生も勉強になった。
下級生も動作は問題くついてこれてました。
身体はすぐに動かないところもあるけど、ゆっくり丁寧に何度も練習させてくれたので、頭で理解できたし、徐々に身体にも馴染んでいきました。
何よりも、同じことをしても、先生が踊ると全然別のパソを踊ってるかのように素敵で、それは受講生の脳裏に焼き付いたことでしょう。
これが大事。
脳裏に目指すべきイメージがあるって、とっても大事。
百聞は一見に如かず。
先生はとってもエレガントな踊りをする方ですね。
男性のバイラオールならではの、余計な飾りのない、すっとした動き。
だからこそ、余計な飾りで誤魔化せない分、そのテクニカ能力の高さが際立ちました。
そして、空気や間の取り方もすばらしく、私たちに説明する為にちょっと踊っただけでも、その場にいた私たちを一瞬で魅了していました。
さて、
「フラメンコを始めて間もない、キャリアの浅い生徒も参加するのに、なんでマルティネーテ?」
って思いますよね。
私の中で、ヌメロによっては、女性的に踊った方が似合う曲、女性も男性も関係ない曲ってのがあります。
例えば、タンゴなんかは、男性と女性では明らかに踊り方が違います。
そういうは男性の先生に習うよりは、女性の先生に習った方がいい。
バイレは女性の生徒の方が多いので、男性の先生だって女性の踊り方を教えられる人がほとんどですが、でも、受講生が目で見て受ける印象が違う。
お尻の丸い女性が踊ったタンゴと、お尻のほっぺにエクボができる男性のタンゴでは、目で盗めるものが違う。
ただ、ゲイの先生で、女性っぽく踊る人たちもいます。
そういう人たちはありだとは思う。
でも、今日の先生の踊りを見る限り、どう見てもストレートの男性の踊り。
だとしたら、カデーラ(腰)の動き、女性の曲線を活かした動きをするヌメロより、女性も男性と同様にすっと立って踊るヌメロがいい。
ということで、マルティネーテにしたのでした。
クラスは1時間しかなかったので、結局、振付には至りませんでした。
でも、1時間、皆、すごく集中したし、これ以上頭に詰め込んでもものにはならなかったと思うので、良かったと思います。
それくらい、徹底的に踊り方を教えこんでくださいました。
この4種類のパソと私が持ってるレマーテのパソ等を足して、マルティネーテの振りを作ります。
そして、それを土曜日クラスのシギリージャの2つ目の歌振りにしようと思います。
そうしたら、このパソは無駄にならないし、振付に入れれば、習いっぱなしにならないで、何度も練習するからものになる。
土曜クラスじゃない生徒さんにも、振付動画を差し上げますね。
そして、いつかシギリージャを習う時も来るでしょうから、その時まで楽しみにしててください。
「ついていけるかしら」と心配してた生徒さんたちもいましたが、終わってみれば、
「すごい、勉強になったーーー」
「良かったー。こういうのがやりたかったのー」
「楽しかった~!」
と皆、大満足の笑顔、笑顔。
男オトコした踊りをするタイプの方なだけに、
「大丈夫かな?」
と私も少し心配してたのですが、蓋を開けてみれば、踊りはすごくエレガンテだし、教え方も上手だし、関西弁の日本語で笑いを取りながら、場を和ませながら楽しいレッスンをしてくれるし、
「また次に来日した時に、うちでレッスンしてもらいたい」
って思いました。
生徒さんも楽しそうだから、先生も嬉しそう。
私も嬉しい。
皆、ハッピー
受講してくださった皆様、ありがとうございました
一所懸命に教えてくださった先生、ありがとうございました