スペイン人の先生の短期講習をうちのスタジオで開催しました | フラメンコ舞踊家 森山みえのブログ

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舞台に対する想い、そして舞台に繋がる教室での日々のこと、私の日常をブログにつづります。

今日は、スペイン人の先生をお招きして、うちのスタジオで短期講習を開催いたしました。

 

うちの生徒さんのみならず、外部生の方も参加してくださり、大盛況!

 

 

「フラメンコを始めて間もない生徒さんもいるので、シンプルなことをお願いします」

と伝えてあり、本当にシンプルなことを丁寧に教えてくださいました。

 

シンプル イズ ベスト!

 

 

小難しい振付をされてしまうと、振りを覚えるのでいっぱいいっぱいになってしまい、大事なところを見落とします。

 

習いたいのは振付じゃない。

「どう踊るのか」を習いたい。

 

 

レッスンの始まり、

「じゃ、シンプルなパソを教えるね」

とジャマーダを教えようとしてくれた先生。

タカタカタカとサパテアードを踏み始めました。

「うん。シンプルだね。でも、このクラスにはフラメンコを始めて間もない生徒もいるから、サパテアードが盛りだくさんのジャマーダじゃなく、マルカールにして欲しいです」

と私、要望を出しました。

1時間しかないので、そのジャマーダを習ったら多分1時間が終わってしまうと思ったのでした。

 

この先生、さすが勘のいい人ですね。

すぐにピンと来たようで、マルカールのテクニカをしてくれました。

そのマルカールを繋ぎ合わせればマルティネーテの振りができあがるように、4種類のマルカールを教えてくれました。

 

私、事前に、シギリージャ系を習ったことのない生徒には、シギリージャのコンパスと基本のマルカールを教えてありました。

まさに、その基本のマルカールとそれを応用させたマルカールで、

「エッソエ!ビンゴ!そうそう、それそれ」

って思いました。

 

先生は身体の使い方を、それはそれは丁寧に教えてくれました。

私も勉強になった。

上級生も勉強になった。

下級生も動作は問題くついてこれてました。

身体はすぐに動かないところもあるけど、ゆっくり丁寧に何度も練習させてくれたので、頭で理解できたし、徐々に身体にも馴染んでいきました。

 

何よりも、同じことをしても、先生が踊ると全然別のパソを踊ってるかのように素敵で、それは受講生の脳裏に焼き付いたことでしょう。

 

これが大事。

脳裏に目指すべきイメージがあるって、とっても大事。

百聞は一見に如かず。

 

 

先生はとってもエレガントな踊りをする方ですね。

男性のバイラオールならではの、余計な飾りのない、すっとした動き。

だからこそ、余計な飾りで誤魔化せない分、そのテクニカ能力の高さが際立ちました。

 

そして、空気や間の取り方もすばらしく、私たちに説明する為にちょっと踊っただけでも、その場にいた私たちを一瞬で魅了していました。

 

 

 

さて、

「フラメンコを始めて間もない、キャリアの浅い生徒も参加するのに、なんでマルティネーテ?」

って思いますよね。

 

私の中で、ヌメロによっては、女性的に踊った方が似合う曲、女性も男性も関係ない曲ってのがあります。

例えば、タンゴなんかは、男性と女性では明らかに踊り方が違います。

そういうは男性の先生に習うよりは、女性の先生に習った方がいい。

バイレは女性の生徒の方が多いので、男性の先生だって女性の踊り方を教えられる人がほとんどですが、でも、受講生が目で見て受ける印象が違う。

お尻の丸い女性が踊ったタンゴと、お尻のほっぺにエクボができる男性のタンゴでは、目で盗めるものが違う。

ただ、ゲイの先生で、女性っぽく踊る人たちもいます。

そういう人たちはありだとは思う。

でも、今日の先生の踊りを見る限り、どう見てもストレートの男性の踊り。

だとしたら、カデーラ(腰)の動き、女性の曲線を活かした動きをするヌメロより、女性も男性と同様にすっと立って踊るヌメロがいい。

 

ということで、マルティネーテにしたのでした。

 

 

クラスは1時間しかなかったので、結局、振付には至りませんでした。

でも、1時間、皆、すごく集中したし、これ以上頭に詰め込んでもものにはならなかったと思うので、良かったと思います。

それくらい、徹底的に踊り方を教えこんでくださいました。

 

 

この4種類のパソと私が持ってるレマーテのパソ等を足して、マルティネーテの振りを作ります。

そして、それを土曜日クラスのシギリージャの2つ目の歌振りにしようと思います。

そうしたら、このパソは無駄にならないし、振付に入れれば、習いっぱなしにならないで、何度も練習するからものになる。

 

土曜クラスじゃない生徒さんにも、振付動画を差し上げますね。

そして、いつかシギリージャを習う時も来るでしょうから、その時まで楽しみにしててください。

 

 

「ついていけるかしら」と心配してた生徒さんたちもいましたが、終わってみれば、

「すごい、勉強になったーーー」

「良かったー。こういうのがやりたかったのー」

「楽しかった~!」

と皆、大満足の笑顔、笑顔。

 

男オトコした踊りをするタイプの方なだけに、

「大丈夫かな?」

と私も少し心配してたのですが、蓋を開けてみれば、踊りはすごくエレガンテだし、教え方も上手だし、関西弁の日本語で笑いを取りながら、場を和ませながら楽しいレッスンをしてくれるし、

「また次に来日した時に、うちでレッスンしてもらいたい」

って思いました。

 

生徒さんも楽しそうだから、先生も嬉しそう。

私も嬉しい。

 

皆、ハッピー立ち上がる音譜飛び出すハート

 

 

受講してくださった皆様、ありがとうございました指差し

 

一所懸命に教えてくださった先生、ありがとうございましたキューン歩く