昨日のエンサージョでの話の続き
さて、昨日のブログにも書いたように、昨日はエミリオ、雄輔さんとエンサージョがありました。
私は、
〇シギリージャ
〇ガロティン
〇グワヒーラ
の合わせをしました。
よく踊るヌメロ
ソロで踊る際、ある決まったヌメロを踊ることが多い人もいれば、色々なヌメロを踊る人もいます。
例えば、マヌエラ・カラスコといえばソレアですね。
彼女がグワヒーラを踊ってるイメージは全くありません。
一方、例えば、イサベル・バジョンなんかは色々なヌメロを舞台でも披露してくれます。
私は彼女はファルーカやガロティンといったような、やや珍しい曲を踊ってるところも見たことがあります。
それはそれは絶品でした。
イサベルにはセビージャに留学してた時に、シギリージャも、ティエントも習ったし、もちろんアレグリアスも習いました。
色々なヌメロを踊る人だし、色々なヌメロを教えられる人だし、器用な人だと思います。
男性は、女性に比べて踊るバリエーションは少ない傾向にあるように感じます。
ソレア、ソレア・ポル・ブレリア、アレグリアス、シギリージャ
といったところでしょうか。
女性はそれにグワヒーラやタラント、ティエント、タンゴ・デ・マラガ、カーニャ、カラコレス等も加わります。
そして、アバニコ、コルドベス、バタ、マントン、パリージョ(カスタネット)といった小物を使って踊ることもあります。
ある決まったヌメロ、例えば、「この人はいつもソレア。さもなきゃアレグリアス」みたいな感じの人でなかったとしても、やっぱり、それぞれの人に好きなヌメロ、得意なヌメロがあり、よく踊るヌメロというのがあると思います。
前述のイサベル・バジョンは、色々なヌメロを踊る人ですが、それでも、彼女はアレグリアス、それもバタのアレグリアスという印象があります。
かくいう私も、色々なヌメロを踊る方の人だとは思いますが、それでも、『よく踊るヌメロ』というのはあります。
その、私がよく踊るヌメロの中の一つに、シギリージャがあります。
シギリージャは好きだし、私のキャラに合ってるような気がするからです。
今回もソロでシギリージャを踊ります。
去年の10月の松本真理子さんの公演でもシギリージャを踊りましたが、あの時はバタとパリージョを使ったバタでした。
今回は、小物なしのシギリージャです。
生徒さんに教えるシギリージャの振付
さて、エンサージョの時に雄輔さんと、
「生徒にシギリージャを教える時にはどうしてる?」
という話題になりました。
というのも、シギリージャは歌の長さが決まってなくて、その時々で長くなったり短くなったりします。
要は、振付を覚えただけでは踊れない曲です。
私はシギリージャを踊る際、厳密には振付を決めておらず、ましてや数を数えて踊っておらず、歌に合わせて踊ってしまっているので、カンテさんが長く歌ったとか、短く歌ったとか、ソロで踊る際は気付いてません。
というか、気にしてません。
「でも、それだと生徒さんが群舞で踊る時にはどうしてるの?」
と質問されたのでした。
「え?????」
ちょっと固まる私。
「あれ?どうしてたっけ???」
思い出せませんでした。
よくよく考えたら、シギリージャって生徒にあまり教えてませんでした。
バタとパリージョのシギリージャは、バタの特別クラスで何度も多くの生徒に教えてきましたが、通常クラスで小物なしのシギリージャは、確か、2015年だか2016年に一度教えたっきり、教えてないかも
好きなヌメロなのに、何故!!!!?
シギリージャに行き着くのに何年かかる???
そこで、よくよく考えてみました。
私にとって好きなヌメロの筈なのに、何故、生徒にほとんど教えずに来たのか。
最初にセビジャーナスに1年
フラメンコを始めて、最初に習う曲というのは、たいていの場合、セビジャーナスかと思います。
セビジャーナスでなければ、ファンダンゴ・デ・ウェルバかブレリアか…といったところでしょうか。
ここでは1曲目をセビジャーナスとします。
習い始めの生徒さんというのは、1曲仕上がるのに時間がかかります。
何故なら、新たに覚えないとならないことだらけだからです。
なので、セビジャーナスに1年くらいはかかります。
次にファンダンゴに1年
次に習う曲は、ファンダンゴとかブレリア、ガロティンといったところでしょうか。
2曲目にも1年くらいはかかります。
4拍子系
「2曲目にファンダンゴ(12拍子系)を習ったなら、その次はバランス良く、4拍子系にしよう!」
と考える為、次に習う曲はガロティンやタンゴ・デ・マラガだったりします。
ティエントもありだけど、初心者にはガロティンやタンゴ・デ・マラガの方がとっつきやすい感じがしてます。
小物ありの曲も
セビジャーナス、ファンダンゴ、ブレリア、ガロティンを終え、そうしたら、次はグワヒーラにしましょうか。
アバニコをもってグワヒーラもいいね。
マントンを使って、ソロンゴもいいかも!
と言った感じで、セビジャーナス、ファンダンゴ程は初心者向けって感じじゃないけど、それでも、まだフラメンコ歴の浅い人でもとっつきやすいヌメロが続きます。
まだまだあります
「だいぶ、フラメンコに慣れてきたよね。
そうしたら、そろそろソレアでもやる?」
って感じでソレアがお目見えします。
シギリージャ、タラントよりはソレアの方が先かな。
何故なら、歌の長さが変わらないから、歌を聞いて踊れない人でも、とりあえず振付を覚えれば踊れるから。
(本当の意味では踊れないですけどね。ここでは、振付をなぞり、身体を動かすという意味で、踊れると言ってます)
モデルコース
セビジャーナス(1年)
↓
ファンダンゴ con パリージョ(1~2年)
↓
ガロティン con コルドベス(1年~1年半)
↓
グワヒーラ con アバニコ(1年)
(またはカラコレス con アバニコ)
↓
アレグリアス(1年)
↓
タンゴ・デ・マラガ(またはティエント)(1年)
↓
ソロンゴ(またはカーニャ)con マントン(1年)
↓
アレグリアス con バタ・デ・コーラ(1年)
↓
ソレア・ポル・ブレリア(またはバンベーラ)(1年)
↓
やっとソレア(1~2年)
↓
↓
↓
↓
タラント、シギリージャ
といった感じに、タラント、シギリージャに行き着くのに、すごい時間がかかります。
もちろん、どの曲になるかはめぐり合わせなので、思いのほか、早く巡り合うこともありますが、でも、フラメンコを始めて5年やそこらの人が中々巡り合わないのがシギリージャだったりします。
果たして、10年続く生徒さんが、どれだけいるのか。
そもそもうちの教室が開校して、まだ14年しか経ってない。
そんな中、バタとパリージョ付きとは言いながらもシギリージャを何度も教えたのは、むしろ早い方だったのかもしれない。
あの振付は、バタとパリージョを使うということもあり、生徒にあげてる振付では、サパテアードが初級レベルのことしかやってないからできたのだと思います。
あとは、バタとパリージョを持つ分、シギリージャの歌を知らなくても、何となく形になるってのもある。
それでも、シギリージャの歌を理解できてない頃の生徒にシギリージャを教えるのは、すごく難しかったし、生徒たちにとっても難しかったように感じます。
バタ、パリージョ、シギリージャの三重苦って言ってましたからね。
結論!長く続けてください
ソレア、タラント、シギリージャといった、Muyフラメンコな曲を習うまでには、時間がかかる。
何事も段階があるので、それらを取っ払ってやったとしても、理解できずに終わることが多いように思います。
少なくとも、ソレア、タラント、シギリージャといった曲は、その曲を聞いて、胸にじーーーんと来るくらい好きにならないと踊れない曲のように感じます。
なので、Muyフラメンコな曲を踊れるようになりたければ、それらの曲が大好きになるくらい、いっぱい聞いてください。
そして、細くでもいいので、長く続けてください。
運良ければ、曲の巡り合わせの関係で、5年くらいでお目見えするかもしれません。
私も大好きなシギリージャを生徒さんに教えたいです。
歌の長さが変わるヌメロ
2:50秒当たりをご覧ください。
前半の歌が終わり、レマーテに入る前のところです。
3:00のところでレマーテに入る合図を私が出していて、それを生徒たちは後ろで待っています。
シギリージャの歌が落ちるのを聞き、歌が終わるのを察知し、レマーテに入ることができる生徒ももちろんいましたが、何せ大勢の群舞なので、それがやや不安が残る生徒もいました。
全員で、歌を聞いてレマーテに入るとなると、バラバラになってしまう可能性があった為、私だけが合図を出し、生徒たちは後からついてくるという形を取りました。
カンテさんに
「〇コンパスの歌を歌ってください」
と指定することも選択肢にはあります。
でも、私はそれはしませんでした。
てか、いつだって、それはしたことない。
理由としては、まず、カンテさんが二人ともスペイン人だったから。
特に、一人はこの舞台の為に来日したスペイン人で、日本のお教室の発表会的フラメンコには慣れてない人だったから。
「〇コンパスで歌ってください」
とお願いして、
「Si(Yes)!Vale(OK)」
と言われたとしても、本番、本当にその通りに歌ってくれる確証はありません。
てか、こういう時のスペイン人を私は信じてません(^-^;
盛り上がってくれば、何をしでかすか分かりません。
そして、一番の理由として、盛り上がってきた時に、たがを外して、盛り上がった歌を歌って欲しいから。
「〇コンパスでお願いって頼まれたから、間違えないように〇コンパスで歌わなきゃ」
と考えながら歌う歌が、心で感じ、魂の叫びのような歌の筈がない。
理性がぶっとばなきゃ歌えない歌もある。
本番の盛り上がりで、何をしでかすか分からないスペイン人。
でも、しでかした時にこそ、フラメンコの良さ、すごさが出る。
だから、私はコンパス数を指定しない。
いい歌を歌って欲しいから。
数えてないから知らないよ(^-^;
さて、昨日のエンサージョ、
「さっきは5コンパスで歌ってみたんだけど、今は6コンパスで歌ってみたんだ」
と雄輔さんは言っていました。
どうやら、どれが踊りやすいのか、色々試してくれてたようです。
でも、
「(^-^;」
私、「しらんがな」でした。
んなの、数えながら踊れるか。
数えながら歌う。
数えながら踊る。
滅茶苦茶、冷静よね。
理論よね。
踊りなので、もちろん、頭半分は冷静じゃないとならないところはある。
でも、半分は頭で考えるのではなく、心で感じて踊るものだと思う。
そんな数えながら冷静に踊ってったら、いつ感じて熱くなれるんだ?
少なくとも私は数えて踊れない。
だから、カンテさんにも、
「〇コンパスで歌って」
とコンパス数を指定することはできない。
ふぅ~。
滅茶苦茶長いブログになってしまいました。
途中脱落することなく、最後までお読みくださった皆様、ありがとうございます。
もう、こういったことに関しては、色々と思うところがあって、どうしても文章が長くなってしまいます。
これでも語りつくせてません。
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