昔、婚約を破棄された男が家族や婚約者を惨殺したという事件、さらにその数十年後、その地区の学校の校長先生が起こした事件……陰惨な歴史が残る四国の山中の集落。平家の落人伝説も残るその集落の不入森。

競技中の事故で、陸上選手の夢を諦めた圭介が赴任したのが、その集落の中学校だった。陸上を諦めた心の傷、教師という職業にも全く自信が持てずにいた。

両親の離婚により、東京から転校してきた金髪の杏奈。

一方、田舎暮らしに憧れ、仕事を辞め、この地に移住してきた松岡は、農業も人づきあいもうまくいかず、疎外感を感じていた。

粘菌の蠢く深い森の奥、粘菌……初めて聞いて調べてみました。

アメーバの様な単細胞生物……？不思議―

不気味に忍び寄るのだけど、本当に恐ろしいものは、人の心の中の暗い闇……

ー憎んだり復讐したりするんは人間だけじゃ。

排他的閉鎖的な田舎の物語のようで、そんな集落で生きてきた人々の様々な生きざまの物語でした。

おもしろかったです。

挫折や嫉妬、うまく行かないこともいろいろあるけれどそんな感情にのみ込まれてしまうか、乗り越えるか……

寒いですね。

わんこには初めての雪。

本3｢入らずの森｣