1円でも真剣に使いますよね。
そういう意味では当社にも、
ある意味、大企業病があると思います。
自分のお金だったらもっと真剣に使うし、
使った後は費用対効果があったかどうか追跡するでしょう。
そこを会社の仕事だと見ていないということが、
まだまだありますから。会社で隣の人が何にお金を使っているのか、
そことどう連動するのか、全然見ていない。
ともあれ、コストセーブとなった時に、
一律カットというのが一番良くないですよ。
考え方としては足し算でなく、すべて掛け算ですから。
躓いたら危ない。あんまりスピードを出し過ぎても危ないし、
さりとてゆっくりでもダメ。そこの兼ね合いですね。
スピードを上げるほどにリスクも増すわけで、
そこの感覚は論理や理屈じゃないんです。
経営者の感覚、たとえばパっと商品を見て、
これは売れる売れないの判断をする。
優秀な経営者にはみな、直感力があります。
実際、すばらしい経営者ってみんな、
論理では答えを出していないでしょう。
私は「商売の匂い」と言っています
商品については、もっと数を減らしたいですね。
世の中では、かなりの企業がむしろ
商品数を増やしているじゃないですか。
それは逆だと思います。こういう厳しい時期だからこそ、
経営の選択と集中をするべきだし、メニューもしかりです。
メニューの数が減れば減るほど生産性は上がるんですから。
メニューの選択肢が減ればお客さんの選択肢も減るという指摘もありますが、
要はバランスですよ。メニューを増やし過ぎるとスピードや生産性が落ち、
ひいては質も落ちるんです。
課題点とか問題点と言わず“機会点”と言ってますが、
そこを見極めて対応を速める。我々の店舗には、
郊外のドライブスルー型から小さなサテライト店までさまざまなタイプがあるので、
会社全体を牽引するほど稼いでいる店もあれば、足を引っ張っている店もあり、
完全に二極分化しているんです。
お店の力には、俗にいう
TG(トラフィック・ジェネレーター=客足をどれだけ稼ぐか)など、
いろいろな要因がありますよね。
たとえば駅に近いとかスーパーが近隣にあるとか。
つまり、そういう外因的なTGに依存するような店舗ロケーション、
これはやっぱりよくないです。
近隣のスーパーが不景気であろうがなかろうが、
あるいは客足が変わろうと、マクドナルドの独自性がある店は、
店舗ロケーションがどうであれ、ちゃんと伸びているんです。
そういう方向に店舗開発をもっていかなくてはいけない。
逆に言うと、あまりにも他のTGに頼っている店が多過ぎるんです。
そういう店舗に足を引っ張っているところが多い。