前のブログの序章からずいぶんと時間がたってしまいましたが、思いで深い出張だったので記録がてら保存します。

 

松江での出張はソツなくこなし、街もちょろっと探索しつつ。

この街は歩いているとつくづく水の多い街だなと思うわけです。

 

街には宍道湖が隣接しておりますし、そこかしこに水路がある。

ちょうどアムステルダムみたいな風情があります。

そして、たくさん街を堪能する手段としては水路を行くのが一番ってことで。

 

ベネチアみたいに乗ってみました。

写真は飛んでしまいましたが、宍道湖はかなり広くて、となりの中海を介して海水も混ざった湖だそうです。

船頭さんは宇宙戦艦ヤマトの船長さんに似ている方ですが、本人曰く、本当にヤマトの船長を意識した格好をしているそうでびっくりしました。

これはコスプレじゃなくて、単に似ているだけじゃないかっていう(笑)。

 

船長さん面白い話をしてたよ。

宍道湖の広さは複雑な入り江をデフォルメして線でなぞるとちょうど山手線一周くらいの面積があるんだって。

「どうです。お客さん。想像してみてください。昼間はこの広さの中に1500万人いるわけですよ。」

 

見渡す限りののんびりした光景と同じ広さに1500万人なんて、めっちゃせせこましい世界に普段いるのだなって。

 

というわけで、宿から撮影した宍道湖写真。

手前に空港があって、とってもきれい。

 

さて、ミッションを終え、単に東京に帰るのはもったいなさすぎるわけで。

ローカル線を堪能したい(知ってる)。

 

もうちょっと山陰を奥まで行けば、来年2018年春に廃線になる三江線がいる。

もうかなり前に乗って、ブログ化はすでに済んでいるわけだが(廃止の時期にリブログするわ)。

 

廃止が決まると何が起こるかは想像に難くない。

終点まで1日3本しか行けない1両編成の電車はヲタまみれになること間違いない。

しかも途中下車すると何時間も次の電車を待つ必要があり、そんなんいややっていうわけで。

 

宍道湖畔の宍道駅始発の木次線にした(笑)。

目指すは奥出雲おろち号。

 

しかも当日チケット完売状態なのに・・・。

 

始発駅までチケットを持たずに突入する。

行ってしまえば何とかなるだろうって(笑)。

 

東京から乗りに来て、今回のチャンス逃すといつ来れるかわからないって。

どうやら、地元の団体がほぼ買い占めていたようだが、当日欠員が出たということで運よく乗せてもらえたのだ!

 

よかったー。

 

と安堵したのだが。

地元の方々を除けば鉄分が非常に濃いヲタが無双の動きをしているわけで。

 

スポーティーな格好で音は拾うわ、車内の隅々を写真を撮るわ、カメラのレンズも何種類も付け替え、地元ツアーの添乗員さんが後ろの客席でまったりしているのをいいことに4席フル装備でいろいろやっている人が一番目立つ。

 

乗り鉄でもあり音鉄でもあり取り鉄でもあり。

鉄ヲタ界の個人総合チャンピオンであります(内村さんと命名)。

 

この電車はトロッコ列車なので、11月上旬の奥出雲を吹きっさらしで進むのでとっても寒い。

紅葉はもうちょっと後が最盛期だけど。

 

トンネルの中になると、車内のおろちの電飾が点灯するおまけつき

天井ね。

 

実はこの電車、自分史上2度目なのですが、電飾の数が明らかに減っていて、10年以上の時間が経過して車両にも相当ガタが来ているっぽい。

 

地元の名産品も売りに来るのだが、数が少なくてすぐに売り切れ。

せっかくの機会なのにもったいない気がした。

自分は地元産のプリンのみいただくことにして自重せざるを得なかった。

 

この列車のハイライトシーンは後半にある3段スイッチバックをまじえた中国山地山登り区間(出雲坂根駅~三井野原駅)。

この橋の上まで登る。

2段目はここまで。右側が3段目の線路。

3段目を進むと、1段目にあった駅からこんなに上のほうまで登ってる。

 

山を登り切った駅の駅名標が黒板みたいでなかなかいかしてる。

 

それでこの前のブログの備後落合が終点で、この旅のクライマックスが前のブログになるっていうね。

順番逆でしょ?とか冷たいこと言わずに。

これを読んだ後に、前のに戻ってみてねー。

 

結構雰囲気が出てくるから。

 

だけどオチだけ作っておこう。

 

1度目の旅ではこの度の終点の備後落合駅で2時間くらいランデブーの時間まで駅周辺をうろついていたんだけど。

最高の空間ではあるものの、あまりに寒かったので。今回は、違う方法を考えてみた。

 

それがこれ。

 

帰りのおろち号を3駅だけ乗って出雲坂根駅まで戻り。

出雲坂根駅で待機している定期運行の備後落合駅行きに乗り換える。

 

これでおろちループ3回味わえるという算段。

山下りしてまた山登り。うーんたまんね。

 

これは他のヲタにも真似されないだろうと思っていた。

個人総合チャンプ内村さんも帰りのおろち号で、松江方面に帰っていった。

 

しかし、同じことを考えていた伏兵が一人だけいた(笑)。

 

目立たず、地味に写真を撮っていた20歳くらいの青年がおいらと同じことをしたのだ!

 

これは何かの縁だ。

 

もし、備後落合駅のランデブーで同じ方向に乗りかえたら友達になろうと思ったのだが。

 

伏兵は広島方面に消えていった。

そしておいらは岡山方面へ。

 

岡山方面の芸備線は1日3本しかない、全国でも屈指のローカル区間。

1日平均で上り下り合わせて18人しか乗らない恐ろしい区間なのである。

 

このため100円稼ぐのに106802円もかかってしまう、とんでもない赤字区間だから、確実に同じことしそうな気がしたんだけど。

 

そんなおいらも1種目くらいなら金メダル取れるのかな(笑)。

 

 

 

 

 

いろんな楽しみ方のある、中国山地のある日の思い出でした。

 

 

 

またいつかすごく行きたいけど、どうなんだろう。

 

おろちループの高速で松江から広島まで毎日36便もバスが出ていて、3時間で瀬戸内海側までワープできる時代になってる現在。

バスと比較して鉄道だと松江から山陰本線・木次線と乗り換えて3時間電車に乗っても備後落合にさえ到達できないこの時間効率の悪さを乗り越えて、この路線が生き残れるのか。

 

心配だったから今のうち乗っておこうと思ったのもある。

 

宍道湖の山手線の話もそうだけど、儲かんなきゃダメとか、時間効率が悪いからダメとか。

儲かんなくても、非効率的でも、おもしろいものはおもしろいんだからいいじゃないか。

牧歌的なものを愛でるっていうのは大事なことよ。

心は確実に豊かになるしね。

 

同じように思ってくれる人がこのブログを読んで、今のうちにどこかのローカル線に乗ってあげてほしいと願います。

 

乗るなら廃止が決まってからじゃ遅いんですよ。

 

今乗ってあげてほしいんです。

 

もちろん鉄道じゃなくてもいい。

思い出として脳裏に残すよりも、そこに行けばあるっていう方がいいに決まってます。