聖地への道のり。

そして聖地で展開された先週の日曜日の一戦はまさに別世界への架け橋となるものであった。


ノニト・ドネア(9回TKO)西岡利晃


一瞬たりとも目の離せない9回の攻防だった。

おいらも社会人になって、ボクシング会場に行くこともままならない生活になっているので、TVでドネアの試合などのチェック(WOWOWエキサイトマッチ)はできていなかったので、ドネアがボクシングを仕掛けてくるかは予想できなかったのだが、恐らくは西岡の手数は少なくてチャンスを常にうかがう展開になるだろうって思っていた。

1発で即終わせることができるボクサー同士の試合とはそうゆうものだ。

手が出ないとブーイング。

その次の瞬間、フィニッシュ。

あまりに唐突な展開。

両者の試合はそうゆう試合が多い。


こうゆう展開はあくびが出たり、ちょっと眠くなったりすることもあるのだが・・・。

この試合は、全くそうゆう感じじゃない。


いわゆる凡戦といわれる試合。

片方が戦意を喪失してしまって逃げ回るというもの。


西岡は「スピード・キング」といういわゆる通り名のようなものがある。

スピードで圧倒する試合が多いからでもある。

だが、目の前に展開されている画はなんなんだ。


ドネアが前後左右に自在な動きを駆使して、パンチを繰り出す。

西岡は狙っているが、チャンスがない。


ドネアが連打の中にインサイドからのアッパーを入れる分、距離が遠くなり西岡の射程圏外を外れてしまいチャンスの芽が摘まれている感じだ。

ポイントを失い続ける。



ドネアはすげぇな。ポイントの取り方も申し分ないし。

有効打もある。

どこかで西岡の方が勝負をかけないといけない展開になっている。


そんな中、6回、アッパーで西岡ダウン。


そこで、ドネアは仕留めにかかるのだが、西岡、果敢に打ち返す。

パンチが生きているからか、ドネアも距離を取る。


まったくドネアというボクサーには油断も隙も全くない・・・。


そして、9回。


強引に出て行ったところを右カウンターでフィニッシュされてしまった。


試合終了。


勝ちに行くなら、行かないといけないし。

行かないといけない展開を見事なまでに作られてしまった。


WOWOWの世界で行われているタイトルマッチの数々。

日本で行われている世界戦の放送。


どっちも見てきたけれど。


レベルが同等なのか、やはり世界は違うのか?はっきりとはわからなかった。


けど、いわゆる世界のビッグネームは異次元の強さで日本レベルより相当上なのだろうな、と。


ノニト・ドネア。


フィリピンのボクサーなのでアジア系なのだが、世界の異次元の凄まじさを教えてくれた。


そして、日本から世界の一流への架け橋を架けたのは今回の西岡利晃であることは誰も異存はないだろう。

偉大なる一歩。

だけど、これは記念碑ではない。

一歩間違えれば、まさかはありえた試合だったように思う。

他の世界でもある。
点差ほどの差はない大差の試合だった感じだ。


西岡君は常に狙っていたよ。



見事な挑戦だった。