何故か時間のあった9月25日。
新宿のSOMPO美術館に行ってきました。
こちらは、その前身時代から美術館が入館していた損保ジャパン本社ビル。

以前は、この高層ビルの42階にあったんですよねぇ。
眺めが良かったです。
そしてこちらが、2020年に移転開館したSOMPO美術館

一つの独立したビルになりました。
さて、いまSOMPO美術館ではモーリス・ユトリロ展が行われています。
モーリス・ユトリロの事は以前から知っていたんですが、
正直、それほど注目していた訳ではありませんでした。
でも今回、この展覧会を通して、非常に興味深い画家であった事をしりました。
画家でアルコール依存症であった人とか、
画家で精神病院に入院歴のある人とか、
そう言う人が居たことは知っていますが、
ユトリロって、どのどちらも経験していた人なんですね。
しかも、精神病院への入院は、なんども繰り返していたようです。
家族との関係性に問題を抱えていたようで、
アルコール依存や精神病院への入院の遠因にもなっていたようです。
そう言う事を知ってから作品を見ると、なんか違って見えるんですよね。
ユトリロの作品は、その描かれた時代により「モンマニ時代」「色彩の時代」
「白の時代」と呼ばれるそうですが、それぞれの時代によって、
『えっ?別の人が描いたの?』と思う程、結構な違いが。
でも、冷静に考えてみれば、初期と後期で、別人であるかのように
作風が変わった画家は多数いるわけですが、
なんか、それだけでは無い感じなんですよねぇ。
絵画を分析や解析できるほどわかっているわけでは無いですが、
ぱっと見、そんな印象を受けてしまいました。
会場内は、撮影禁止の作品以外は、撮影可だったので、
興味深い作品をいくつか撮ってきました。

※作者表記の無い作品は、全てモーリス・ユトリロの作品です。

《ベルト王妃のらせん階段の館、シャルトル》
これは、「白の時代」の作品。
確かに、作品は白く彩られているんですが、
元となった建物がこちららしいんですよね。

白黒写真なので、本当の色はわからないんですが、
でも、白い色の建物には見えないんですが、どうでしょう?
これをここまで白く描くって?
これが、私がユトリロが、キャリアの途中で作風ががらりと変わった
他の画家とはなんか違う人だと思った点です。
なんかね。どうなの?
こちらも「白の時代」の作品。
パンフレットにも使われています。

《可愛い聖体拝受者、トルシー=アン=ヴァロアの教会(エヌ県)》
ユトリロは、白い壁の質感を再現するため、絵具に漆喰や砂など、
色んなものを混ぜていたりしたそうです。
同じモチーフを連作した画家は、モネなど有名な人が居ますが、
ユトリロも、同じモチーフをいくつも描いている様です。
それが、“ラパン・アジル”

《ラパン・アジル、モンマルトルのサン=ヴァンサン通り》
タイトルまで、全く同じ作品もありました。
同じ構図に見えても、よく見ると季節が違ったりしています。
あとこちらは、キャリアの後期に描かれた“ラパン・アジル”

《ラパン・アジル、サン=ヴァンサン通り、モンマルトル》
これに至っては、作風が全然違っています。
不思議。
これなんかも、初期とは作風が違っている作品。

《モンマルトルのミミ=パンソンの家とサクレ=クール寺院、モン=スニ通り》
いやね、ピカソみたいに、抽象絵画まで行ってしまえば、
『あぁ、そうなんだ』と思うだけかもしれませんが、
抽象画では無い絵画を描いている範疇で、
これほど違う印象を受けるのは、何度も言いますが不思議です。
最後に。
SOMPO美術館と言えば、ゴッホの《ひまわり》

なんか、いま、元の“所有者”から返還請求を受けたりして、
色々と大変なことになっている様ですが。
平日という事もあり、空いていて、見やすくてよかったです。
| 名称 | モーリス・ユトリロ展 |
|---|---|
| 会期 | 2025年9月20日(土)~12月14日(日) |
| 会場 | SOMPO美術館 |
| 当日観覧料 | 一般1800円、25歳以下1200円、小中高校生無料 |
| 開館時間 | 10:00~18:00(入館は17:30まで) ※金曜日は20:00まで(入館は19:30まで) |
| 休館日 | 月曜日(ただし10月13日、11月3日、11月24日は開館)、 10月14日、11月4日、11月25日 |




