「駆け込みOK」新理解の2024年5月号 研究記事19 | JW 2世の保健室

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教室に行けなくなった人のために

ものみの塔(研究用)2024年5月号 研究記事19の考察。ハルマゲドン前に宣教を完了できるのか、音信を聞くことができなかった人はどうなるのか、ハルマゲドン時に駆け込み的に戻ってきて助かるのかといった疑問に対する2024年時点での見解を示した記事となっています。

 

まず記事を、不要部分を削除し、ポイントとなる部分に絞り、その後さらにまとめています。

 

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ものみの塔(研究用)2024年5月号 研究記事19

エホバがこれからどのように裁くかについて分かっていること

知らないこと
3. 私たちは以前,大患難が始まった後にエホバに信仰を持つようになってハルマゲドンを生き残る人はいないと考えていました。それは,ノアの時代の大洪水の際に起きたことが,将来に起きることと対応していると考えていたからです。例えば,エホバが箱船の扉を閉めた後に誰も箱船に入ることができなかったのと同じように,大患難が始まった後に信仰を持つようになって救われる人はいないと考えていました。(マタ 24:37-39)


4. では,大洪水の時に起きた出来事一つ一つが将来の出来事と対応しているのでしょうか。そうではありません。聖書にそれを裏付ける根拠がないからです。...


5. ...ノアが洪水前に地球上の全ての人に警告を知らせることができたかどうかは分かりません。...どんなに頑張っても,終わりが来る前に,地球上の全ての人に良い知らせを伝えることはできないでしょう。...


7. ...イエスは弟子たちに,「人の子が来るまでにあなたたちがイスラエルの町々を回り尽くすことは決してありません」と言いました。(マタ 10:23; 25:31-33)つまり,イエスが来るまでに全ての人に伝道することはできないということです。...実際のところ,終わりが来るまでに地球上の全ての人に良い知らせを伝えることはできないでしょう。


8. ...良い知らせを聞く機会のなかった人たちをエホバがどう判断するかについては,私たちには分かりません。それに,エホバにはそのことを私たちに知らせる義務はありません。

 


10. 大患難の間に死んだ人は誰も復活しないのでしょうか。聖書には...ハルマゲドンで滅ぼされる人たちは復活しない,とはっきり書かれています。...大患難の間に,病気や老齢のために,または事故や事件に巻き込まれて亡くなる人はどうなるのでしょうか。...中には...復活する人がいるのでしょうか。私たちには分かりません。

 


知っていること
12. 大患難が始まった後であっても,「大いなるバビロン」が滅びる様子を見て,エホバの証人がずっと言ってきたことを思い出す人がいるかもしれません。...


13. モーセの時代に...イスラエル人がエジプトを出て行く時,「さまざまな人」が一緒にいました。(出 12:38)その中のある人たちは,モーセが言っていた10の災厄がその通りに起きるのを見て,エホバに信仰を持つようになったのかもしれません。...

15. ...王国のメッセージを聞くことができない地域に住んでいるからといって,エホバがそれらの人たちをみんなまとめて“ヤギ”と見なすとは考えられません。...大患難の最中にエホバがどのように物事を動かすか,私たちには分かりません。...

(記事ここまで)

 


箇条書きにまとめると:

 

●以前の見解:大患難が始まった時点で誰が救われるか滅びるかは確定する、駆け込みはない

根拠:ノアの箱船の扉が閉まったら(雨が降るまで7日あったけど)もう誰も乗れなかった

 

●新しい見解:大患難が始まった時点でもハルマゲドン前の駆け込みで救われる人はいると思われる

根拠:出エジプト時に災厄を見て加わった人がいると思われるから

 

●明確に提示した理解:ハルマゲドン前に全世界の個々の人に音信を届けることはできない

根拠:イエスの「回り尽くすことはない」という預言(マタイ10:23)

 

※以前からこの理解でしたが、あっさり触れる程度で、あまり積極的には説明されてきませんでした。

塔1997/08/15 P14–15
マタイ 10章23節 ”...「...人の子が到来するまでに...回り尽くすことは決してない」という言葉...わたしたちが王国の音信を携えてじかに地上のすべての場所に達するということはないでしょう”

 

●「回りきらない」に応じた理解:聞く機会がなかった人がどう扱われるかは分からない

以前の理解:エホバの証人としての立場をはっきりさせている人のみが生き残れるだろうというのが暗黙の基本理解

 

 

結論:

 

結局のところ、さらにまとめると

 

●ノアの出来事に関連付けた過去の大患難の説明は、聖書的根拠がないものだった。駆け込みOKと思われる

 

●回りきりそうもない(信者家庭の子どもにまで人生を差し出させ動員して100年以上伝道してきたのに...)

 

●誰が救われ誰が復活するかは、はっきりとは分からない(神さまは明快に教える義務がないという開き直り)

 

と言いたいようで

 

 

組織側は「明快な理解」を与えたつもりでしょうが

 

読む側は、今までの説明は何だったんだろうという気持ちにもなり

 

結局「分からない」とされていることが多いままで、どうにもすっきりしない内容です。

 

 

唯一

 

「駆け込みで救われる人がいる」という新理解のみ、エホバの証人を辞めた身内がいる現役信者にとっては「希望の光」となるのでしょう

 

 

が、しかし

 

辞めた側の、辞めてもちょっとだけハルマゲドンを気にしていたような人の大半は

 

この「駆け込みOK」の理解を聞けば

 

「だったら急いで戻ることもない、ギリギリまで一般人やっていて大丈夫だ」

 

と考えるはずで

 

「早く戻らなきゃ」という気持ちを弱め

 

「そのときになって駆け込めばいいだろう」と思いつつ

 

結局「戻らないまま」となってしまうのではないかと思います。