
「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」
第二次世界大戦中のドイツ、ナチスの支配下にある中で兄のハンス・ショル(ファビアン・ヒンリヒス)と共に反政府組織“白バラ”の一員として打倒ヒトラーを訴えた21歳の女子大生・ゾフィー・ショル(ユリア・イェンチ)の、逮捕から処刑されるまでを描いた実話。
本来は時間をかけて行われる裁判も異例の5日ほどで終わり、極刑の判決が出てから少なくとも99日はもらえるはずの猶予期間も与えられず処刑された女子大生。予告編などで“白バラ”の紅一点と紹介されているけれど、実際にはゾフィー以外にも女性の構成員はいたそうです。逮捕された当初は身の潔白を証明しようと徹底して嘘を吐いていたが、ハンスが罪を認めたことを知ってからは一転して頑なに自分の信念を貫き通す。未来ある女子大生を救うべく尋問官のロベルト・モーア(アレクサンダー・ヘルト)はある取引を持ち掛けるが…。
見所はゾフィーとモーアの1対1の緊張感あるやりとりでしょう。ゾフィーの口から告げられるユダヤ人大量虐殺の実態。モーアも内心は動揺しながらも、虐殺を根拠の無い噂話として(あるいは自分自身や家族を守るために)ヒトラーを信じ続ける。ヒトラーの暗殺などを企む集団などであれば取るに足らない存在だったのかも知れない。けれど“白バラ”のやり方はビラに主張を書いて配るという平和的なもの。その内容が真実であり、死刑になるかも知れないのに一点の曇り無く前を見つめ、信念を貫き通すその姿勢がナチスにとっては何よりも脅威に映ったのかも知れませんね。残された資料にどれだけの情報量があるかは知らないけれど、この作品を観て推測できるのはその程度。
両親は息子と娘を一度に失う。それでも子供たちは間違ったことはしていないと誇りにしている。本音は、嘘を吐いてでも生きていて欲しかったんじゃないかなぁと思うけれど、そういうものでもないのかな。
自分がゾフィーやハンスと同じ立場だったならどうだろうかと考えながら観ていた。もちろん、生きてきた状況などで考え方は変わるだろうけれど、自分だったら嘘を吐いてでも生きる道を模索するような気がする。それ以前に反政府組織に加わるような危険なマネはしないか。臆病だから、きっと自分の保身を考えるだろう。モーア尋問官のように。それは恥ずべき行為なのか、どうなのか。
信念を棄てた時点で、その人は生きながらにして死んでいるのかも知れない。それならば信念を貫き通して本当に死ぬのも一つの人生として悪くはないのかも。なんだか纏まりが無くなってきたのでこの辺でやめます。色々と考えさせられる作品でした。
Official HP
http://www.shirobaranoinori.com/
- フレート ブライナースドルファー, Fred Breinersdorfer, 瀬川 裕司, 渡辺 徳美
- 白バラの祈り―ゾフィー・ショル、最期の日々 オリジナル・シナリオ
- ハンス・ショル, ソフィー・ショル
- 白バラの声 ショル兄妹の手紙
- C.ペトリ, 関 楠生
- 白バラ抵抗運動の記録―処刑される学生たち
- 関 楠生
- 「白バラ」―反ナチ抵抗運動の学生たち
- インゲ・ショル, 内垣 啓一
- 白バラは散らず 改訳版―ドイツの良心ショル兄妹
- 若林 ひとみ, フィンケ, Hermann Vinke
- 白バラが紅く散るとき―ヒトラーに抗したゾフィー21歳