ルート225

「ルート225」

ある日現実世界と微妙にズレたパラレル・ワールドに迷い込んだ中学生の姉弟の物語。原作は藤野千夜の同名タイトルの小説。主演の姉・エリ子は「HINOKIO」で男の子っぽい女の子を好演した多部未華子。弟・ダイゴはオーディションで選ばれた岩田力。多部未華子って高校生なんですね。中学生かと思ってた。

タイトルは国道225号線(R225)と平方根のルート(√)を表しているらしく、R225は姉弟が住む関町3丁目付近を通る道路。√225は15の平方根ということで、エリ子の15歳という年齢を表していて、エリ子がR225に架かる歩道橋を渡るという行動が14歳から15歳への成長をダブらせたタイトルになっているようです。たぶん。映画では14歳から15歳だけれど、原作では15歳から16歳なのかな。それだと中学生じゃないな。原作読んでないので不明。

姉弟の姿や友人達との関係なんかはリアルな描写で、ありきたりではあるけれど面白い。パラレル・ワールドに迷い込んだり、そこから抜け出そうとしたりする過程も、アイデアに目新しさは感じないけれど、これはこれで面白い。

でも何を伝えたいのかよく分からなかった。一貫性が無いというか。姉弟愛を伝えたいのか、後悔無く生きるようにという教訓なのか、それとも別の何かなのか。ハッキリした答えは無く、中学生くらいの年代にありがちな感覚、何が正しいのかもよく分からなくてそれでも何かを失っている・何かが足りないというような感覚、そんな感覚を抽象的に伝えようとしているだけなのか。

原作はどうだか知らないけれど、映画を観る限りじゃ未完成なファンタジーという印象。文庫版も出ているみたいだから、いつか原作を読んでみるのも悪くないかな。

Official HP
http://www.shirous.com/route225/

藤野 千夜
ルート225

藤野 千夜
ルート225