あおげば尊し

「あおげば尊し」

「トニー滝谷」の市川準監督。テリー伊藤主演。原作は重松清の同タイトルの短編小説。かつては中学校の厳格な教師だったが現在は末期のがん患者である父。その父を在宅で看取る覚悟を決めた小学校の現役教師がテリー伊藤の演じる光一。光一の担任するクラスには死に興味を持つ児童がいる。教育の在り方と人間の生と死をテーマにした家族の物語。

重いテーマですね。末期がんの父を持つ立場っていうのが自分の今の状況と重なるので考えさせられる部分は多々ありました。残り僅かな命に対して、何をしてあげられるのか、何をすべきなのか、漠然と考えながらも答えは見付からず、この映画でも光一はその問題に悩む。元教師である父を最期まで教師でいさせてあげるのが光一の答えだったのかな。

光一が児童に寝込んでいる父の姿を見せる際の流れだとか、ラストの告別式のシーンに不自然さや違和感を覚えたものの、死に興味を持つ児童のトラウマなんかは分かりやすかったし、光一の妻(薬師丸ひろ子)の言葉には共感出来るものがありました。

観に来ている人のほとんどが年配の人たちだったのが何だかなぁ。若い人こそ観るべき作品のような気がします。ただ、観ても身近な問題として受け止める事は難しいかも知れないけれど。人の死を幾度となく経験してきた年配の人の方が共感する部分は多いのかな。

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重松 清
卒業