ジャーヘッド

「ジャーヘッド」

アメリカ軍海兵隊の俗称“ジャーヘッド”。友好国であるサウジアラビアの油田をイラクから守るために中東へ派遣された部隊を中心に、現代の戦争を軍隊の最下層の視点から映した作品。湾岸戦争に行った海兵隊員の書いた小説が元になっているようです。人を殺す訓練を受け、戦場の緊張感の中に長期間置かれ、引き金を引くことなく近代兵器によって戦争が終わる。自分は誰も殺していないのにそこに転がる敵の死体。厳しい訓練を受けたのに誰も殺せなかった虚しさ。誰も殺していないのに手に残る銃の感触。それもまた虚しい。

考えさせられる作品ではあるけれど、あまりにも下ネタ的なものが多すぎる。駐留している間の性処理とか、すべて包み隠さずに描けばいいってものでも無いと思う。もう少しオブラートに包んでも、ね。

言わんとすることは解る。それが問題であることも。でも、それをどうしたらいいかは判らない。そこが一番の問題なんだろう。

嫌悪感や虚無感を覚える作品でした。

Official HP
http://www.jarhead.jp/

アンソニー・スオフォード, 中谷 和男
ジャーヘッド-アメリカ海兵隊員の告白