『トラブルショー』
終わりたくなさ過ぎて
終わりましたってブログすら書けず
今日に至ります。
でも、終わりました。
いろっっっいろありました。
ビックリするくらい!
はあ。終わった。
わからなすぎて、
去年の千穐楽後のブログを読みました。
日影のりお役を急遽演じてくださった
奈良坂さんも、
「4年間この役の稽古をしていたような」
と書いていらっしゃったが、
わたしも、1年間そうだったのかも。
続いていたのだなぁと感じています。
というのも、わたしの中で
『トラブルショー2016』という壁が
とてつもなく高くなっていました。
悲しい事故があって、
並々ならぬ想いで創った舞台。
去年の自分を越える、だったはずが
いつの間にか
去年のトラブルショーを越える、
に変換されてしまっていて、
そうじゃないでしょうと。
遅くなったけど気づけたからよかった。
新しいナベちゃんや、
10年ぶりの玉ちゃん誕生の場に
共にいられたことは、
トラブルショーファンとして
素直にものすごく嬉しい出来事でした。
素敵だったなあ。
また、作品が、育った。嬉しい。
大変なことはたくさんありました。
まずは振付補佐という立場。
わたしは、
普段の自分から役に寄せていくタイプで
だからほんとうはマコをやる時は
稽古場でも新人のようにいたい。
でも、もうそんな歳でもなく(笑)
トラブルショーは3回目の出演で
コーラスガールはほとんどが歳下で
まとめ役のような立場。
それが稽古中
もろに芝居に出てしまったり。
いつも周りに、ちゃんとやってよ〜
と思っていた(笑)
優しさが足りないですねぇ、嫌だわ。
さらに去年もやってることもあって
曲のどこに台詞をはめればいいか、や
この一瞬の一番ベストな立ち位置、や
この後の誰かの台詞を音にはめるために
わたしが台本にはない感嘆符を
1.5秒くらい足すと最高だ、とか
誰かの台詞を一番聞かせたいから
わたしの台詞の音を微妙に下げる、とか
鍵になる小道具だからこう見せる、とか
周りの色合い的にここで上着を脱ぐ、とか
もう、挙げればキリがないくらいに
細かい、だけれども確実に
作品が見やすくなる、
でもお客様は気づかない、
(そのシーンに出ていない役者は
少し気づいたりする)ちょっとした事が
わたしの中で出来上がり過ぎていて
すべて計算され過ぎていて
だから急にいつもと違う場所とか
トーンを出されると
おいいい!ってなってしまったり(笑)
でもわたしは竹本コメディは
そうやって緻密に創り上げるべき
だと信じて疑わない。
勢いだけとか誰でも出来ますからね。
舞台監督・山寺役の洋ちゃんとは
たくさん芝居の話が出来て最高だった!
わたしマコなのにしっかりしちゃうから、
勇気を出して、みんなに託して、
みんなで山寺についていくようにしてみよ
って実寸稽古終わってから話したり(笑)
遅っ!
洋ちゃん以外にも最高な人はまだまだいて、
(写真は観に来てくれた天宮菜生ちゃんと
ブルックリンチームで🇺🇸✨)
とにかく素晴らしいセンス。
とあるわたしの、今年新しくなった台詞も
たくじさんのリアクションのお陰で
とっても言いやすくなったり。
こういう風に言ってみてほしい、とか
提案もしてくれたり。
たくじさんは、歌も踊りも芝居も
3拍子揃った人だと思う。
わたしが目指す「ミュージカル俳優」
って、たくじさんみたいなことだ!
とものすごく思いました。尊敬です。
追いかけます。
そう言えば
わたしが稽古で出したニュアンスから
竹本さんが新しく増やしてくださった
台詞がいくつかありました。
それをどうすれば面白くなるか?
かなり悩んでいて、
お風呂入っててもずっとその台詞を
いろんなトーンやテンションで
言ってみたり…していて
やっと!舞台稽古で掴めたのですが
本番入ってから、ふと楽屋通路で
すれ違ったまんみさんに
あかねマコのあの台詞、面白いよねー!
と言って頂けたのです。
ぎええええええ!
まんみさんは初演からよし子を演じていて
わたしの中ではもう
レジェンド・オブ・トラブルショーなお方!
嬉し過ぎて発狂しそうでした(笑)
台詞のトップをどこに持ってくるかが
ダブルで違ったのですが
わたしの台詞のトップに合わせて
周りにいるナベちゃんや山寺も
一緒にリアクションしてくれてたそうで
それが観てるととても面白いのだと。
ダブルで違う芝居すると
シングルの人には申し訳ないのですが
でも、今回新しく生まれたものを
きちんと活かせたのだと思うと
とても、嬉しい。
お風呂でも練習した甲斐があった(笑)
まんみさんとも、またやりたい。
相当なプレッシャーだったであろう千晶。
やー、でも、わたしね。
『タイム・フライズ』振りの共演で
その時より千晶ちゃんが
ずっとずっと大役をもらったからね、
それだけでも嬉しかったんです。
何より、千晶ちゃんは愛がある。
だから好きです。
千晶ちゃんがブログで、
空に虹がかかっている時に
「英美がやっていた役をやってほしい」
と電話がきた、と書いてたけれど、
わたしも、
英美さんを偲ぶ会に行って再会して、
今回のお話いただいたのです。
「また井坂のマコが見たい」って。
英美さんが、またマコやりな!って
言ってくれてるのかなぁ〜と思った。
勝手にだけどね。
はじめての演出助手とは到底思えない!
はじめてのトラブルショーとも
到底思えないほど…
普段、演出をやってるのもあって
本の読み込みも、コメディのテンポも
竹本さんの意図も汲んでいるし、
でもそれって、本当は役者も
やらなきゃいけない仕事。
わたしが恩師から言われているのは
「演出家も俳優も途中まで仕事は同じ」
要するに演出家の読み込みを
待ってちゃダメ。自分で読む。
話が逸れましたが
トラブルショー2017は
相澤祥子の功績がまあ大きいでしょう。
脇の脇に至るまで目を凝らして
最後の最後、千穐楽の本番直前まで
作品向上のために
嫌われ役を演じ切ってくれた彼女。
前から彼女とは一緒に作品やってますが
今回で強固なる信頼関係を築きました。
愛してます。
書きたいこと多過ぎて全然纏まらん(笑)
わたしの今回の密かな目標は
「南マコの歴史に名を刻む」
でした(笑)
誰もつくったことのないマコ像を
創り上げたくて、日々挑戦。
だからわたし、手の内をすぐ明かす。
やられる前にやる。
演出家に付けられてしまう前に
わたしのマコはこうです、と出す。
それがいい時もあるし、
よくない時もある。
ダブルキャストって本当に難しいです。
わたし多分台本に書いていないことを
人一倍多くやっていたのではないかと
自負しているのですが、
それってわたしの確固たる「マコ像」が
あるからであって。
違うマコだったら同じことはしないはず。
とか、そういうジレンマみたいなものも。
なんせ井坂茜は、器が小さい。
すぐそういう風に思っちゃうのね。
でもそこにこだわりがあるのは
役者だったら当たり前なわけで、
なにも書かれていないところで
何をするか?こそが役作りのセンス。
この話は千穐楽前夜のブログにも
ちょこっと書いたのですが、
それを読んだ栗原役のちかさんが
打ち上げでも話してくれたのですが。
そう言えばわたしとちかさんも
ダブルだったことありますね。
ちかさんとのダブル、楽しかった!
お互い尊重し合っていて、
舞台袖でのお互いの健闘を祈りながら
送り出し合ったあの感じ。
舞台って、最高だと感じた。
また話が逸れました(笑)(笑)
いつ終わるんだろうこのブログ(笑)
すっごく嬉しかった感想があります。
マコって、そんなに目立たないのです。
特徴があまりないから。
印象に残りづらい。
でも、
しっかりお客様の記憶に残した方が
大村さんとのシーンが百倍良くなるはず、
とわたしは考えています。
だから、キャラ付け。これが大事。
わたしのマコは
頑張り過ぎて空回りしちゃう子。
お芝居オタクでちょっとダサい子。
とにかく一生懸命な子。
そして今回特にこだわったのは
☝︎劇中劇の、酒場のシーン。
椅子に謝ったり壁に謝ったり(笑)
普段をとことんダサくして、その反面
劇中劇では役にのめり込むタイプの…
ああ〜、だから大村さんが
付き人に選んだんだなぁ〜〜と
誰もが納得してくれるような。
マコ、というのは芸名だと思っていて
わたしの中では大村さんが
付けてくださったという設定で
それは去年から変わらないのですが、
由来は去年と変えています。秘密ですが。
大村光代役の寿ひずるさんには
今年もとっても良くして頂きました。
去年のブログにも書いていますが
寿さんとのお芝居や稽古場での時間は
わたしの中で最高の財産になっています。
今回も酒場のシーンのアクセサリーや
メイクのことまで。
いつも気にかけてくださいました。
今年もわたしのお気に入りナンバーワンは
マコの初舞台を見守る大村さんのシーン。
わたしがマコ役でいる限り
このナンバーワンは揺るがないと思います。
毎回、お稽古場から本番3回もぜんぶ
初舞台に向かって舞台へと出ていった後
舞台袖から中を見つめる大村さんの姿を
本当の舞台袖(笑)から見てました。
そしてそんなわたしの姿を必ず
舞台上から見てくれる人が…
大村さんの他にもうひとり。
次のシーンで、自分も弟子にすこし
仕事を任せる、あの役。
あのシーンの師匠から弟子への連鎖。
本当にいいシーン。
日本のミュージカル史に遺すべき(笑)
ジル役のあきおちゃんとは
楽屋が違ったのでお写真撮れず😭
はじめてトラブルショーに出た時から
ずっと憧れていたこのシーン。
過去最高にしたくて、
稽古場最終日には厳しいことも言ったし
きっとみんなに嫌われただろうな(笑)
でも作品が良くなるためなら
わたし個人が嫌われても構わないです。
マコ役と、マコの劇中劇の役以外にも
M2・M4のコーラスガールも。
『トラブルショー』って、
歌・ダンス・芝居と3拍子すべてを
高いレベルで求められる作品だと思う、
だからわたしこんなにも好きなんです。
「これがミュージカルです!」
って大声で言ってまわりたい。
ぜんぶやります!って。
ミュージカル座の最高傑作コメディ!
それがこれです!って。言いたい。
去年に引き続き
ほとんどがわたしの私物(笑)
マコの私服もね。去年と同じ。
そして、これを書かなければ。
『トラブルショー』の
クオリティを決めるのは間違いなく
コーラスガールたちだと思っています。
わたしもはじめてトラブルショーに出た
2010年はコーラスガール役でした。
コーラスガールだけれど、
一人一人にちゃんとフルネームで
役名がついていて、
台詞もあって、歌のソロもある。
これは竹本さんの愛だ、と
わたしは毎回コーラスガールたちに
言っている気がします。
わたしは自分のことを
ダンサーだとは思っていないのですが
今回振付補佐という立場上
自分のことは棚に上げて
みんなにいろいろ言わなければならず。
きっと、言われたくないだろう事や、
もしかしたら理不尽な事も
言ってしまったかもしれません。
だけどみんなそんなわたしのことも
慕ってくれて、頼りにしてくれて。
わたしが打ち上げで竹本さんに言われて
いちばん嬉しかった言葉は
「コーラスガールのダンス、
今までで一番揃ってたんじゃない?」
というもの。
稽古場で何度も何度も踊らせたし
集中攻撃もしたし
このやろ〜〜!と思われたかもしれない
でも、結果が出た!それが嬉しい。
たぶん、誤魔化そうと思えば
いくらでも誤魔化せてしまうんだけど、
みんなにはとことん壁にぶつかって
トラブルショーの前と後で
なにかひとつでも、小さな一歩でも
前進していてほしいなあって。
そういうチカラがある作品だし、
そういう作品に携わってるんだぞって
誇りに思って欲しかったし、
かと言ってそんなわたしの
個人的な想いを押し付けるのも
これまた違うわけで。
だけどみんな食らいついてくれて
きっとこれからもっと羽ばたく!
そんな子達に出逢えたのも嬉しい。
なにが言いたいかというと、
わたしは、本番が終わるまでは
みんなのことが大嫌いです。
でも、終わった今は、大好き。
伝わるかなあ、この感じ。。。
皆さんもうお分かりだと思いますが
本当にわたしって人間は、
ただただ暑苦しくて、
どうしようもなく矛盾している、
器の小さい、下手な役者
なんですけれど。
愛情表現も下手なんですけれど。
やっぱりみんな大好きです。
わたしの大好きな『トラブルショー』を
生み出してくださった皆さんの事も、
一緒に創り上げてくれた皆さんの事も、
大好きでたまらないんです。
どう言えばいいのーーー、わからん!
わからんのでそろそろしめます。
最後になってしまいましたが、
観に来てくださったお客様。
お客様がいなければ成立しません。
お客様のいないゲネプロと本番では
雲泥の差なのです。
お客様が作ってくださる空気、
笑いや涙、一緒に生きる時間。
それらが生み出すものは数知れず。
たとえ1列目で寝ていても!(笑)
この人を起こして笑わせたる!
という気持ちが生まれるわけですね。
空席だったら、その気持ちすら
生まれないわけですね。
だから、お客様は必要なんです。
空席はいらないんです。
お願いです。
劇場に、舞台を観に行ってください。
いつもは
「観に来られなかったけれど
応援してくださった皆様」
なんて綺麗事も書いてますが、
それはまったく意味がありません。
だって、空席だらけだったら、
再演も叶いません。
だから、観たい作品はぜひ、
どうにかこうにかして、
観に行ってください。
わたしは舞台が大好きなので、
いい舞台はずっと続いてほしいので、
心からのお願いです。
今回もお客様からたくさん
プレゼントも頂いてしまいましたが、
とっても嬉しくて有り難いのですが、
どうかどうかお気遣いなく。
わたしは劇場まで来てくださることが
いちばん嬉しいです。
贈り物は、お手紙がいちばん嬉しいです。
わたしに何かプレゼントを買うお金で、
もうひとつ素敵な舞台を観てほしい。
だって、舞台ってその時だけのもの。
どうか見逃さないで。
でもそれと同じくらい、舞台袖が好き。
舞台袖は、舞台の成功を祈るパワーが
どこよりも集まっている場所。
この前のブログにも書いたし、
打ち上げで竹本さんにも言ったけど、
わたしは、年齢を重ねて
役が変わったりしながら
またトラブルショーに出たいです。
そのくらい惚れ込んでいる作品です。
ひょっとしたらマコ役は
もっと若い女優がやった方がいいかも
とも思うし、
他の役もどんどん若い世代が受け継いで
作品が続いていけばいいなあと
本気で思っています。
とりあえずわたしの2年ぶんの
マコちゃん集大成、
すべて出し切ったつもりです。
マコちゃんを愛してくださった皆様
本当にありがとうございました。
またお逢い出来ますように。
すべてのキャスト・スタッフの皆様
ありがとうございました。
最後にマコちゃん。
いつもそばにいてくれてありがとう。
ああ〜〜、寂しいな。
でも、また次の舞台がある。
幸せだ。
舞台は、いいなぁ!
南マコ役・井坂茜