サバットの名手で北欧キックボクシングチャンピオンでもあったオリビエ・グラナー主演のコマンドアクション。

巨大エネルギー開発の立役者となったマシェド教授の受賞パーティーが行われた

実業家のジョナス・アンブラーは教授の研究発表と自身の会社との統合パーティーに出席するのだが、その最中にフェニックスと名乗るテロリストたちの襲撃を受ける。

狙いが定かでない中、無差別に銃撃をする彼らの襲撃によってマシェド教授やジョナスの妻がその犠牲者となってしまう。

九死に一生をえた彼はテロリストの首謀者フェニックスが中東に拠点を構えていることを知り、警察へ捜査を依頼するのだが、国際的に活動する彼らには警察も手が出せない状況であった。

愛する妻の復讐のため、ジョナスはフェニックスたちと因縁の深い傭兵ホークに彼らの討伐を依頼する。

しかし過剰な復讐心からジョナスは自ら討伐作戦に参加しようとする。
ホークは戦闘経験もない彼の参加に怪訝な表情を浮かべ、頑なに固辞する。

しかし警察に捕まった仲間の解放を条件とされたためにホークは渋々ジョナスを参加させることに合意する。

復讐心丸出しだが戦闘は素人のジョナスの勝手な行動に手を焼くホーク。

それでも何とか作戦は遂行されるが、ホークらの行動は敵方に内通者がおり、フェニックスに筒抜けだった。

罠にはまり捕虜となるホーク達。

処刑のために闘技場に呼ばれたホークたちはフェニックスからその中内通した裏切り者がジョナスの会社の役員コクラン達であることが知らされる。

フェニックスの隙をみて起死回生の反乱を起こしたホークは一騎討ちで宿敵フェニックスを倒す。

だが真の黒幕コクランはジョナスがいない間に会社を乗っ取り、フェニックスを倒したジョナスらを殺すために刺客雇って彼らの帰国を阻止せんとするのだった。

ジョナスとホークは決死の退却戦を挑むことになるのだが…

邦題では直接つながりはないものの本作品を含め、彼が主演を務めた『～ファイター』シリーズとしてリリースされた逸品。

数多くのＢ級アクションものに出演するオリビエ・グラナー。
次世代ヴァンダムのひとりと呼ばれていた彼であるが、本当に傭兵経験のある彼は元々の英語力がイマイチだという経緯もあってか、寡黙なミリタリーアクション系の作品が多い。

その中でも本作はその中でも一、二位を争う規模の派手なガンアクションや爆破アクションで魅せてくれている。

また彼の持ち味であるサバット出身のキレ味鋭い格闘アクションも披露。
冒頭バーでみせる名刺がわりの集団戦ではカミソリのようなスピンキックの連続をみせて、中盤ながら、実質ボス役のマーティン・コブとの鬼気迫る１対１の格闘戦などはグラナーのポテンシャルを活かしたシーンとなって見応えがあり素晴らしい。

しかしマーティン・コブが倒れた後半からはグラナーと戦える強敵がいないためかかなりアクション的にも尻すぼみ的な印象を受ける。
実際に戦闘の素人アンブラーが後半からは主役になって、グラナーは彼の補佐役みたいになりアクションもド素人同士の燃えない銃撃戦がメインとなる展開が残念なところ。

グラナーの演じる寡黙でストイックな傭兵というキャラがなかなかハマっていただけに後半からの弛んだオヤジが美味しいところを最後に持っていくというのはどうしたものか…

コマンドアクションとしてはまあまあそのディテールや爆破スタントなど凝った作りではあるのでそれなりに楽しめる。

素人に手を焼くプロの傭兵という縮図もコメディ要素を入れようとするアクセントとして楽しめるが、やはり後半にも主役であるグラナーの格闘シーンを挿入する展開があれば、尻切れトンボのような感覚にはならなかったかもしれない。

評価…★★
(グラナーはカッコいいんですよアクションもいいし、でも後半はグラナー何も活躍しないんだよなぁ)

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