昭和19年の今日、11月29日は、日本が作り上げた世界最大の空母「信濃」の撃沈された日です。という事でこの日に間に合わせるために、1/700空母「信濃」を完成させました。
「信濃」は昭和15年5月、戦艦大和型3番艦として、横須賀海軍工廠で起工されました。しかしながら、開戦とともに、海戦の主役は戦艦から空母に移り、昭和17年6月のミッドウェー海戦で主力空母を一挙に4隻失った日本海軍は、「信濃」を急遽空母に改造することにし、工事を急ぎました。度重なる工期短縮により、気密試験などの重要な検査も省略され、昭和19年11月19日に就役しました。残る艤装工事を呉で行う事となり、11月28日夕刻、護衛駆逐艦3隻とともに横須賀を出港しました。しかし、翌29日午前3時17分、アメリカ潜水艦「アーチャーフィッシュ」の放った魚雷4本が右舷水線下に命中。その破口からの浸水を食い止める事ができず、約7時間後、右舷側に横倒しとなって転覆沈没しました。まさに幻の巨大空母でした。
キットはタミヤのウォーターラインの1/700で、キットの良さを活かしてほぼ直組みで短期間で仕上げました。何とか今日の完成に間に合わせました。
塗装で舷側に対潜迷彩を施しました。塗装色は推定です。
写真には、護衛駆逐艦3隻のうちの1隻で、「信濃」の最期を看取った駆逐艦「雪風」も登場させました。ウォーターラインの「信濃」の製作は2作目で、1作目は元駆逐艦「雪風」乗組員の野間光惠さんに贈呈しました。作品は、ずっと玄関先に飾ってくださいました。この他に1/700でもう1隻、フジミの艦NEXTのキットを製作しております。
「信濃」唯一の写真と同じアングルで撮影してみました。
右舷後方からのビュー。
とてつもなく広大な飛行甲板。当時世界一の巨大空母でした。
艦橋構造物のクローズアップ。
護衛駆逐艦「雪風」登場。
若干の搭載機を載せてみました。
こうして並べてみると「信濃」の巨大さがわかりますね。
外側へ傾斜した煙突は日本空母の特徴。
竣工して僅か10日で海の藻屑と消えた、幻の巨大空母信濃。まだ艤装工事は続いており、軍人ではない工廠の作業員も多く乗り組んでいました。
彼らも多くが艦とともに犠牲になってしまいました。たくさんの人の命を飲み込んで、「信濃」は潮岬沖の海底深く眠りについています。
御英霊の御霊が安らかでありますよう祈ります。
それでは。