私が陽明学及び日本陽明学に学んだこと!

 

 以下、私が18歳で陽明学に興味を持ち、そして7~8年前頃から日本陽明学を学ぶようになった訳について話させて頂きます。
 私が「三島事件」をきっかけに陽明学に興味を持つようになったという話は、これ迄にもブログや講演等で披露させて頂いてきましたが、20歳前後頃の私は、当時、行動哲学などと称される陽明学を学んだら、幕末の志士ではないけれど、行動力がアップして、俗にいう成功者の仲間入りができるのではないだろうか、といったような、若者にありがちな世俗的な動機がメインだったのです。
 言い忘れましたが、私は19歳頃から、ルドルフ・シュタイナーの人智学も学び始めていました。当然、陽明学、人智学以外に、カーネギーに代表されますが、よくある成功哲学とやらの本も乱読したのです。

 そんな私でしたが、陽明学を学ぶうちに、次第に動機に変化が現れてきたのです。
「それが何であれ、独りでできることはたかが知れている、人間性を高めない限り、身内はもとより他人からの支持を得ることはできないし、こんな私でも良い、と言ってくれる良き伴侶と出会い、幸せな家庭を持つことも出来ない」
 ということに気づいたのです。
 では、人格を高める、人間性を高めるためにはどうしたらいいのか、と考え始めて、若い頃は、自己流で禅をやったり、瞑想や静坐をしたり、心理学の本や宗教書を読んだのですが・・・、何と言っても決定的だったのは「日本陽明学」との出会いでした。
 平成16(2004)年12月に二松学舎大学で「陽明学に学ぶ『小信を重んじる』生き方」(「二松学舎大学東アジア学術総合研究所集刊」第35集に掲載)と題して講演をさせて頂いた頃には、すでに日本陽明学に影響を受け始めていたのですが、本格的に学び、かつ実践体得に努めるようになったのは、繰り返しになりますが、今から7~8年前頃からのこと。

 江戸初期の中江藤樹を先駆とする「日本陽明学」は、王陽明の一の高弟の王龍渓(おう・りゅうけい)の思想に多大な影響を受けていたことを知り、東洋大学名誉教授の吉田公平先生や同じく東洋大学の小路口聡(しゅじぐち・さとし)先生らの研究に助けられて、王龍渓や江戸期の日本陽明学の偉人賢人たちの実用的な教えに、目からウロコが落ちる思いを何度も味合わされたのです。
 というわけで、そんな今の私だから言えることがあります。

 それが誰であれ、人生には、善いこともあれば、良くないこともあるし、「一寸先は闇」という言葉があるように、生きていくうえでこれから何が起きるか誰にもわからないのです。聖人と言われた孔子やキリストや王陽明でさえ、悪口雑言や災難から逃れることはできなかった。私が王陽明同様に私淑するルドルフ・シュタイナーしかりです。

 であるのでしたら、私たちは、辛いことを経験することを前提に、苦難困難に耐え、逆境を克服する強い心を養っておかなければならないのです。

 いみじくもR・シュタイナーは、こう述べています。
「わたしたちは、人生の苦しみに耐える力をそなえていなくてはならないのです。人生は、苦しみばかりではなく、喜びももたらします。しかし、ときとして喜びは苦しみよりもさらに危険なものになることがあります。喜びはわたしたちから思考する力を奪い、感覚を鈍らせます。このようなときに、学校はまた他方において中庸を守り、苦しみと喜びのあいだの道を進んでいくことをみなさんに学ばせるのです。」(ルドルフ・シュタイナー、松浦賢・訳『シュタイナー先生、こどもに語る。』イザラ書房)

 喜びは苦しみをもたらす、というのは、一例として、宝くじに当たって大金を手にすることを挙げることができます。実際、宝くじで大金を得て幸せになった人はほぼゼロに近いそうです。あるいは、バブルの頃に実際あった話ですが、仕事が順調に行き過ぎて、傲慢心が生じて、人間関係を滅茶苦茶にしてしまうとか・・・。

 

 話を戻します。シュタイナー学校では、中庸の道を教えてくれるのですが、日本にはシュタイナー学校はまだまだ少なく、戦後の日本学校は唯物論教育なので、シュタイナー教育を期待するのは無理というものです。
 ですが、江戸人が学んでいた「日本陽明学」なら可能なのです。シュタイナーが言うところの中庸の道、中庸の精神を学ぶことができるのです。
 王陽明や王龍渓、日本陽明学では、心の本体である良知(りょうち)を言い換えて、中庸、自然、明徳仏性などと述べています。上記私の話に興味をお持ちになられましたら、是非、6月4日(土)の私の講演会に是非、足をお運びください。この続きは、講演会で。

何故だか、案内状の画像が消えてしまっているので、以下に案内をさせて頂きます。

◆演題:「いまこそ日本陽明学を学ぼう! 江戸の日本陽明学に学ぶ自己修養の方法・やり方」
◆講師:陽明学研究家・作家・日本陽明学実践家・林田明大(あきお)

◆日時:6月4日(土)14:30~16:30

 14:15開場
◆会場:文京シビックセンター26階「スカイホール」
※シビックセンターへの問い合わせはご遠慮ください。
◆アクセス:三田線・大江戸線/春日駅(シビックセンター連絡口)徒歩1分

丸ノ内線・南北線/後楽園駅(5番出口直結)徒歩9分

JR総武線/水道橋駅(東口)徒歩9分

◆申し込み方法:大きな会場ですから、参加申し込みは不要です。
◆お問い合わせ:090-6709-9380(佐藤)

※シビックセンターへの問い合わせはご遠慮ください。

◆参加費:千円・学生無料
◆主催:英霊の名誉を守り顕彰する会

 

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