幼くして両手両足を失い重度の障碍者となった中村久子(1897~1968)さんの生涯を描いた動画だ。彼女のことは、知る人ぞ知るかと思うが、拙著『新装版・真説「陽明学」入門』でも触れさせて頂いたことがある。
 両手足のない体で、裁縫や編み物もできたし、口にペンや筆を加えて字を書き、達筆ぶりで人々を驚かせた。仕事をし、結婚をし、子育てをし、女性として母として見事に生き抜き、他の障害者を励まし続けてその72年の生涯を終えた。
「恩恵にすがって生きれば甘えから抜け出せない」
 と、生涯を通じて国から傷害者に与えられる保障を受けることが無かったという。
 中村久子は、こう語った。
「私を救ったものは手足のない私の身体、この逆境こそ感謝すべき私の師でありました」
 壮絶な人生に裏打ちされた、なんとも迫力ある、鬼気迫る言葉ではないか。
 久子は、42歳頃から仏教書『歎異抄(たんにしょう)』を愛読した事でも知られている。

 私同様、左巻きの関口宏氏の顔は見たくない、と思う人もいるでしょうが😊、そこは我慢してこの動画を是非見て頂きたい。