◆新著『渋沢栄一と陽明学』(ワニ・プラス)が8月22日に発売
新著『渋沢栄一と陽明学』が、8月22日に全国書店で発売になる。実は、本書は、今から15,6年前の2003年に、会員向けの某政治雑誌に連載させて頂いていたものに、加筆修正を加えさせて頂いたものなのだ。
従って、本書を刊行するにあたり、遡って資料等をチエックさせて頂いたのだが、渋沢栄一が少青年期に二人の陽明学者に出会い、更にはその晩年の60代前半から陽明学に傾倒、陽明学者・山田方谷の高弟で陽明学者の三島中洲と共に「道徳経済合一説」を主唱、さらには陽明学者・東沢瀉(ひがし・たくしゃ)の息子・東敬冶の「陽明学会」を経済的に支援し、『王陽明全集』の輪読会のようなことも行っていた事実を記した一般書は見当たらなかった。
渋沢が稀有な『論語』マニアであるにもかかわらず、主に経済界でのみ取りざたされてきた事に加えて、昨今、渋沢栄一を知る人が少ない事もあり、本書の刊行には意義ありと思い、前作『新装版・真説「陽明学」入門』に続いて、今回も、文芸評論家・小川榮太郎先生に解説をお願いさせて頂き、大変ご多用中にも関わらずご快諾頂けたその喜びは、有難いなどという言葉では到底言い表しようがない。
◆陽明学の本を読んで、頭で分かったつもりの人が多いのが現実
本書の後半部では、陽明学のものの見方・考え方を、例え話をまじえながら、分かり易く披露させて頂いたつもりなのだが、陽明学が、頭で理解するだけではなく、血肉にする、実践体得するための教えである以上、そうさせて頂くことは当然の試みだと思っている。
というのも、陽明学の本を読んで、頭で分かったつもりの人が多いのが現実で、それは、私の講演依頼が一度で終わってしまうことから了解できることと言っていい。一度の講演では、どうしたって入門の入門と言ったレベルの話しかできないので、その奥の話ができないままで終わってしまうのだ。大事なことは、陽明学を学び知ったというのであれば、周囲の人から「君、最近変わったね」とか、「あなた、最近怒らなくなったね」とか言われるようになってはじめて、実践体得が可能になりつつあるのである。
本を読んだら分かると思っている人が多いようだが、本を読むのと、本当に分かっている人から直接会って話を聞くのとでは、雲泥の差があるのだ。勿論、本当に分かっていると思われる人が実在していないのであれば、本に頼るしかないのだが・・・。
かつて会員向けの政治雑誌に連載したとはいえ、本書の内容は、本邦初公開と言っても決して過言ではない内容を誇っている。それ故、小川先生には解説文をご快諾頂けたものと思っている。
オールドメディアや文科省をトップとする教育界が、戦前教育の否定というスローガンの中、陽明学や日本陽明学の存在を無視してきたがために、日本人の公共心や道義心が低下の一途をたどってきたのだが、私は、渋沢が、その生涯を通じて儒学の再興に尽力してきたように、儒学の中でも特に日本陽明学の再興をこそ急務と思っている。一読を乞う次第である。
以下、ワニ・プラスのリリースから転載させて頂いた。
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【『渋沢栄一と陽明学、「日本近代化の父」の人生と経営哲学を支えた学問』】
文藝評論家・小川榮太郎氏、絶賛!
経済的成功を望んでいる若者たち、そして現在日本を動かしている エリートの諸氏に、是非一読して欲しい一書が出た。(解説より)
「この本は、渋沢その人の功績を辿る伝記ではなく渋沢の精神的バックボーンに関する物語なのである。若きエリート諸君に是非 本書を繙いて欲しい理由もそこにある。渋沢が何を為したか、それはいわば周知の事である。が、もし人が第二の渋沢、第三の 渋沢を目指すならば、彼が如何なる精神的バックボーンの中で生まれ育ち、彼の精神を育んだのはどんな人達だったのかを知り 求めようとしない限り、それは望むべくもないだろう。林田氏は、前著『真説「陽明学」入門』でも、陽明学の学術的な研究書では なく、あくまでも現実に人生を生きる上で役立つハウツーとしての陽明学を深みのある形で語ったのだった。その伝で、本書も又、 渋沢栄一という偉大な経済人が生まれた精神的ルーツへの具体的な案内書なのである。」(文藝評論家・小川榮太郎「解説」より)
――本書の主な内容――
まえがき
プロローグ 日本の近代化の成功と陽明学
第1章 渋沢栄一の少・青年期の陽明学の師、菊池菊城と尾高惇忠
第2章 井上馨と渋沢栄一
第3章 栄一の師、尾高惇忠と富岡製糸工場
第4章 渋沢栄一と岩崎弥太郎
第5章 道徳経済合一説
第6章 論語を礎として商事を営み、算盤を執りて士道を説く
第7章 「小事即大事、大事即小事」
第8章 陽明学ブームのもう一人の立役者・渋沢栄一
あとがき
「渋沢栄一と陽明学」解説 小川榮太郎(文芸評論家)
定価:980円+税 発売日:2019年8月22日 頁数:264P 発行:株式会社ワニ・プラス 発売:株式会社ワニブックス
著者インタビューなど取材につきましては、 下記担当者までお気軽にお問い合わせください。
担当◎宮崎洋一 miyazaki@wani.co.jp https://www.wani.co.jp
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