あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
Best Wishes for a Happy, Healthy and Prosperous New Year!
偶々、机の上に積み重ねられた本の中に挟まっていた文庫本が、目に留まった。桑原武夫・富士正晴・編『伊東静雄詩集』(新潮社)だった。
私は、高校生の頃から伊東静雄や三島由紀夫の大ファンなのである。
パラパラと詩集のページをめくっているうちに、ちょうど今の季節を感じさせる作品「春の雪」を久々に味読した。声に出して読んでも、凛とした緊張感が、何とも心地いい作品だ。
三島由紀夫の最晩年の小説『春の雪』は、三島が好きなこの詩から命名されたという説がある。
春の雪
みささぎにふるはるの雪
枝透きてあかるき木々に
つもるともえせぬけはひは
なく聲のけさはきこえず
まなこ閉ぢ百(もも)ゐむ鳥の
しづかなるはねにかつ消え
ながめゐしわれが想ひに
下草のしめりもかすか
春來むとゆきふるあした
2019年元旦
▼京都、清閑寺の六條天皇陵
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