■「当たり前だと思うから 欲張りになっちゃうんだ」

 今から40年余も前の茨城県に、まさに「良知(仏性)」を髣髴とさせる素晴らしい言葉といいますか、詩を残してくれた少年がいました。
音楽一家の長男として生まれましたが、4歳の時に筋ジストロフィーが発症、医師からは余命10年と言われ、その言葉通りに、14歳の若さで他界した中山卓也君です。
 3月23日の「奇跡体験!アンビリバボー」で放映されて、彼のことを知りました。
 番組の録画を、私と一緒に見ていた娘も、大泣きしてしまいました。
 詳しいことは、以下に添付させて頂いた記事を一読願いたいのですが、年をとればとるほど体中の筋肉が萎縮していく卓也君、素晴らしい詩を残してくれました。
 それが、この詩です。

手が動く
足が動く
目が見える
耳が聞こえる
自分の頭絵で考える事ができる

当たり前なんかじゃないよね
奇跡だよね

自転車に乗ったり
かけっこしたり
ピアノが弾けたり
それができるなんて すごい事だよね

でも、みんな
当たり前だと思っているよ
当たり前だと思うから
欲張りになっちゃうんだ

すごい事だよね


まさしく、良知が発揮されて作られた詩です。
「当たり前だと思うから 欲張りになっちゃうんだ」
 の言葉には、衝撃を受けました。
 この詩は、私たちの私欲の存在に気づかせてくれます。私たちの傲慢心に気づかせてくれます。
 卓也君は、生きたくても生きることができなかったのです。
 私たちは、生きているのではなく、生かされているのです。
 生かされていることへの感謝心と、人を思いやる優しい心を忘れたくないものです。卓也君の弟は、医師になったそうです。

 以下、pg PornoGraffitti 愛 - Yahoo!ブログ「みんなに知ってほしい話。」http://blogs.yahoo.co.jp/hs35pg69ao/32336230.html
 からの抜粋です。一部修正、( )内は筆者注。

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 卓也くんは、筋ジストロフィーという病気でした。筋ジストロフィーとは、成長していくにつれ筋肉が硬くなり、動けなくなってしまう病気です。原因はわかっておらず、まだ薬も開発されていないそうです。
 卓也くんはそんな難病と戦いながらもたくさんの楽器に挑戦しました。
 始めにギターを弾き始めましたが、体の筋肉が思い通りに動かないため車椅子に体を固定しての演奏でした。
 そして卓也くんのために、卓也くんのお父さんがボーカル、お母さんがピアノ(キーボード)、お姉さんがベース、弟さんがドラムとなって、中山ファミリーバンドができました。始めは家族内だけでのバンドでしたが、だんだんとテレビなどに呼ばれるようになりました。
 そして様々なところでたくさんの人々を勇気付け、感動させていました。
 しかしそんな楽しい日々も長くは続きませんでした。
 筋ジストロフィーが進行してしまったのです。
『もう手が動かないよ…手が動かなければギターを弾けないね…』
 そう言って卓也くんはギターが弾けなくなってしまいました。
 しかし
『ドラムやれよ!ドラムならこぶしさえ握れればどうにか叩けるさ』
 弟のその1言で卓也くんはドラムを担当することになったのです。
 それも長くは続かず、またもや筋ジストロフィーが襲ってきて、こぶしさえ握れなくなってしまったのです。しかし卓也くんはめげずに音楽に挑戦し続けました。
 元々才能があったのでしょう。次に挑戦したボンゴもひじで叩きながらすぐに自分の物にしていきました。
 どうにかボンゴを叩きファミリーバンドの1員として演奏していた卓也くんでしたが、筋ジストロフィーは進行を止めませんでした。いよいよ全身が動かなくなってしまったのです。
『もう弾ける楽器がないよ…楽器が弾けなければこのバンドには居られないね…』
 しかし卓也くんの両親は諦めませんでした。
『体が動かなくても弾ける楽器は何だ…?動く場所はどこだ…?もう口(唇)しか動かない…』
 この世に口だけで弾ける楽器はありませんでした。
 そこで卓也くんの両親は試行錯誤を重ねて
『ワンダーリード』という楽器を作り上げました。
 このワンダーリードとは、歯で噛む力加減によって音程が変わる小指の第一関節程度のちいさな笛のようなものです。
 この楽器によって筋ジストロフィーの患者さんのバンドが出来上がりました。そして丸さん(丸山浩路)の講演にゲストとしてその筋ジストロフィーのバンドが演奏することになりました。その講演は感動の渦に包まれ、涙する人も多くいました。
 そして演奏が終わって卓也くんたちがステージを去るとき、卓也くんが自分のワンダーリードを丸さんに押し付けるように渡しました。
『これはもらえないよ。君が演奏できなくなるじゃないか。』
 丸さんはそう言いましたが、卓也くんは叩きつけるように丸さんに渡したのでした。
『まるさんにもっててほしいんだ、』
 卓也くんは動かない筋肉を動かして言いました。
『じゃあ、俺もこれを一生懸命練習する。そして来年の講演で弾き比べをしようじゃないか。』
 そう約束してその講演を終えたのでした。
 しかしその約束は果たされませんでした。
『中山卓也、14歳にて死ス。』
 という知らせが丸さんのところに飛び込んできたのです。
 丸さんは次の年の講演で1人でワンダーリードを演奏しました。


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中山卓也

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