■あれはダメ、これもダメではなく、ただ一言、良知を発揮せよ

3月6日(月)の夜に気づいたこと。
 いろんな宗教には、何々してはいけない、という戒律が多くみられます。
 言い換えれば禁止、制止の言葉。ですが、陽明学の場合は、ただ一言
「致良知(ちりょうち。良知を致す。良知を発揮せよの意)」
 です。
 「致良知」という言葉は、どちらかといえば私達の言動にブレーキをかける類の、禁欲的な、禁止、制止などではなく、非常に肯定的、つまりポジティブなのです。
 あれはダメ、これも駄目、何々してはいけない、ではなく、
「良知という本当の自分を発揮せよ」
 と・・・、俗っぽく言い換えれば
「心の中で善いと思った事をやりなさい」
 というのです。
 これさえ心がけていれば、禁止や制止の言葉は自然と要らなくなります。

 たとえば、トイレに行った時などに、
「あ、ここ汚れてるぞ」
 と「声なき声」が教えてくれたら、そこを綺麗にすることはいいことなのですから、四の五の言わないで、すぐに綺麗にしたらいいのです。

 往々にして、次の「声なき声」が聞こえてきます。
「いや、綺麗にするのは今ではなくてもいいだろう」
「何も、私がやらなくても、誰かがやるだろう」
 などというのがそれですが、これらは私欲が発したものなのですから、私欲の言うことはきかないことです。
 言い換えれば、後回しにする癖は、私欲によるものなのですから、できるだけめんどくさがらずに、後回しにしない、後回しにしない癖をつけることです。

■「日に新た(日新)」

 この件、例えば、
「短気だから、出来るだけ怒らないようにしよう」
 と、以前は自分に言い聞かせていたのです。
 それが、最近は変わってきました。
 自分の思いを禁止しようと、感情を抑えようとするのではなく、良知、言い換えれば、思いやりを発揮することを心がける方が、はるかに前向きでポジティブだということが分かってきたからです。
 と、口で言うのは簡単ですが・・・(*'▽')。

 人と自分を比べるのではなく、昨日より今日、今日より明日、という具合に、今の自分をより良くしていきたいと思います。
 日本陽明学の祖・中江藤樹は、
「日に新た(日新)」
 と教えました。

▼中江藤樹・書「致良知」

middle_1214656254、致良知

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