久々に、明治の初めに日本に来たお雇い外国人の草分け的存在のウィリアム・エリオット・グリフィス(1843~1928)と陽明学の事をあれこれネット上で調べていたら、大変興味深い一文を目にした。
 ウィリアム・エリオット・グリフィスは、次のように語っている。以下、私の拙い現代語訳。

「日本の朝鮮に対しての関係は、米国がフィリピンに対するのと同じであるが、日本の行動は米国がフィリピンに対して行ったことよりも、より公平なものである。
 朝鮮は、もともと中国の属国であって独立国などではなく、日本が政治的に、不道徳で愚かで強情な朝鮮を、今日のような文明の域にまで進歩させたのである。
 それまでの朝鮮の内政は、秩序や風紀が乱れ、朝廷は世襲の役人ばかりで、国民はというと、常に抑えつけられていて、恐怖の念にさいなまれて、手も足も出ない状態だったのだ。
 日本の朝鮮併合は、健全な帝国の形成を意味しており、東洋のために喜ぶべきことである」


 以下、原文。

「日本が朝鮮に対する関係は、米国がフィリピンを制すると同じくして、日本の行動は米国がフィリピンに対するよりも一層公平なるものなり。
 朝鮮は元来独立国に非ずして、日本が行政上、罪悪頑愚に満ちたる朝鮮をして今日の如き文明の域に進ましめたり。
 朝鮮の内政は紊乱し朝廷は坐人坐女を以て満たされ国民は常に厭倒せられて驚怖の念に制せられて為す所を知らず。日本の朝鮮合併は、健全なる帝国の形成を意味するものにして東洋の為に喜ぶべし」(塩崎智「ウィリアム・エリオット・グリフィスと金子堅太郎」)

 当時、来日した外国人のなかで、グリフィスほどの日本通、朝鮮通はいないと言っても過言ではないのである。 そんなアメリカ人で敬虔なキリスト教徒が評したのである。
 大いに参考に値する批評と言っていい。