◆「松山市の上水道を巡る記事は悪意に基づく根拠の薄弱なもので業界では有名なものです」

 「ブロマガ」に記載されている2013-05-17付けの記事
『松山市、ロスチャイルド系の企業に水道を民営化されて料金約2倍、かつ意図的にヘンナものを水道水に入れられても何も言えない。これが麻生が望んだ吉田茂以来の民営化。の巻。』
 について、反論させて頂く。

 この記事の執筆者は、里村正行氏とあるも、氏の正体は明確ではなく、
『ID:20774774(原宿) 一般会員 性別:男性 生年月日:1983年10月26日 お住まいの地域:長崎県』
 とだけしかわからない。
 記事を書く以上、正々堂々、素性はちゃんとして頂きたい。

 話を戻させて頂くが、反論させて頂くといっても、私はこの分野の専門家ではないので、私の友人の某氏からのコメントの紹介という形を取らせて頂きたい。
 まず、某氏から、『松山市、ロスチャイルド系の企業に水道を民営化されて・・・・』という記事に対しての以下のコメントを頂戴させて頂いた。

「松山市の上水道を巡る記事は悪意に基づく根拠の薄弱なもので業界では有名なものです。もっともらしく書いてますがくれぐれも鵜呑みにされませんように。」

 そこで、詳しい説明を求めさせて頂いたところ、以下のコメントを頂戴させて頂いた。少し長くなるが、重要な問題なので、全文を掲載させて頂く。

/////////////////////

◆常識的に考えても水道料金が2.5倍に 跳ね上がれば納税者の反乱が起きることくらいは想像がつくはずです。

この記事が松山市の例を取り上げていますので、松山市のホームページをまず見ていただくのがよろしいかと思います。
 そのトップページにわざわざ
「水道料金について誤った情報が流れていますのでご注意ください」
 と表記してあるところを見ると、市当局もこのガセネタにかなり迷惑を受けているのだと推察できます。


 まず民間委託をしたのは今回が初めてではなく以前から行っているということです。つまり委託先を変更した、ということであり、以前の業者に何らかの問題があった可能性があります。
 仕事を奪われる方からすれば自業自得とは言え大変なことです。その辺も疑いのかかるところだと思いますが、委託そのものに反対し公営、つまり公務員による直営を主張しているところからすると、既得権を奪われる公務員組合も疑われるところです。ちなみに現業職員からなる水道の組合ですね。
 いずれにしても「民間委託をしたから云々」というのは、前提が間違っているというのが第一のウソということです。

 次に「料金云々」も下記に引用するように、松山市当局のホームページで否定されてい
ます。これも調べればわかることなのですが、もっともらしい数字の羅列で素人は騙されます。 料金を支払っている市民はいざ知らず、大多数の非居住者は支払いの実感もなくわからないことです。
 ただ常識的に考えても水道料金が2.5倍に跳ね上がれば、納税者の反乱が起きることくらいは想像がつくはずです。
 だとすれば、こうしたデマには政治的背景もあるのかもしれません。
 松山市政の問題か、あるいは麻生太郎氏も攻撃されていますね。
 さらに
「毒物やウィルスをいつでも簡単に混入できる」
 とありますが、これも誰に委託しようが或いは直営であろうがテロとすれば可能です。しかし少なくとも、外資であろうと受託側がそのようなことをする動機は考えられません。実際の業務に従事する社員も日本人です。ただ徒に不安を煽るこの手法は、ある種の人間には有効であり、こうした観点からするといわゆるネット右翼と言われる類かもしれません。

 松山市の説明にもあるように、水質管理や運営の責任は変わらず松山市にあり、これは法律上も明記されている通りです。
 外資に対する攻撃がされていますが、「ロスチャイルド云々」も理解に苦しみます。それらしい名前を出すと横文字に弱い日本人が騙されてくれると思っているのでしょうか。
 まあ日銀もロスチャイルドの所有物だと言っていますから、まともな人間はこのくだりを読むだけで信用しないでしょう。
 なお、広島県から業務を受託しているのは全く別の会社です
 このあたりの情報の不正確さからすると、ウォータービジネスの業界の人間ではないのかもしれません。
 この他にも細かい点ではまだまだ虚偽記載がありますが、柱となる主張の点だけでもかなり悪意に満ちた捏造記事だとご理解いただけたかと思います。
 よく見ると下のコメント欄に
「嘘は駄目ですよ」
 云々とコメントも寄せられていますね。
 これには執筆者の再反論はありません。
 書きっぱなしで、するつもりもないのでしょう。

◆世界の水市場を扱ってきた先達に学ぶ気持ちがなければ日本国内ではまだしも、世界ではうまくいくはずがありません。

 物事を変えていくにはエネルギーが要ります。エネルギーを使わないためには鎖国が一番ということになりますが、グローバル社会での日本の置かれた位置からすると、そうも言っておられません。
 本日の日本経済新聞に
「インフラの将来」
 のタイトルの下、
「外資嫌いの損得」
 とあり、見出しは
「覚悟を決めて投資誘致を」
 と書かれています。
 これは大阪府の鉄道事業を60億円以上も高く応札したアメリカの企業ではなく、南海鉄道に売却したというものでした。
 原因は選挙対策に走った大阪府議会の反対です。
 最後にこう結ばれています。
「新しい試みはリスクを伴う。果実を得るためにそれをどう管理していくか。その覚悟を決めなければ、いつまでたっても世界から資金も知恵も入ってこない。」
 このままでは世界から相手にされないばかりか、世界に出ていくこともできないでしょう。
国は、日本の優れた水技術を世界に輸出しようと一生懸命旗を振っていますが、成果は出ていません。
 原発の輸出よりずっといいと私も思うのですが、結果が出ないのは当然です。ビジネスは技術だけでなく、コストやサービスがモノを言うからです。
 さらには国情に応じた展開も必要とされます。世界の水市場を扱ってきた先達に学ぶ気持ちがなければ日本国内ではまだしも、世界ではうまくいくはずがありません。
 インターネットには
「民営化をめぐるデマ」
 をまとめたものも掲載されています。
 黒船などと言って外資にemotionalな反応をしているだけでは何の問題の解決にもなりません。
 公務員による直営を続けている所はこれから経営的にかなり大変でしょう。公務員の年収は今やかなり恵まれています。
 また、戦後の水道施設は更新時期を迎えており再投資も必要です。
 これに対応するには水道料金を上げるか、税金で補填するしかなくなります。納税者がバカをみる結果となります。
 こうした既得権に固執し、働きの悪いダメ地方役人を食わせるために我々は血税を払っているわけではありません。


◆インターネット上で「松山市は水道事業の運営を外国資本の企業にすべて委託し、これにより水道料金が値上がりしている」という誤った情報が流れていますので、ご注意ください。

 いろいろと長くなりましたが、以下は、松山市ホームページと松山市議会議事録からの抜粋です。

◎松山市ホームページより抜粋

『水道料金について誤った情報が流れていますのでご注意ください』
更新日:2013年11月20日  

 インターネット上で
「松山市は水道事業の運営を外国資本の企業にすべて委託し、これにより水道料金が値上がりしている」
 という誤った情報が流れていますので、ご注意ください。
 正しい情報は次のとおりです。
 水道事業の民間委託について松山市では、すでに平成16年度から、水道事業の業務のうち
「浄水場の運転や設備の保守」
 について民間委託を行っています。
 平成24年4月からのヴェオリア・ウォーター・ジャパン株式会社との委託契約は、平成19年4月から平成24年3月までの契約期間の満了に伴うものです。
 この業務委託は、
「浄水場の運転や設備の保守」
 に限られたものであり、水道事業の運営自体を委託しているものではありません。松山市の水道事業の運営は、これまでどおり、松山市公営企業局が行っています。  
 また、松山市の水道水の水質管理についても、これまでどおり、松山市公営企業局が責任を持って実施しています。

民間委託と水道料金の関係について

 民間委託により、水道料金が値上がりすることはありません。
 松山市の上水道料金は、市町の合併に伴う平成20年度の料金制度の統一以降、料金の改定は実施していません。
 ただし、久谷地域(中野町を除く)については、平成23年度に簡易水道から上水道に統合し、施設整備完了予定の平成28年度までに、上水道料金と同一となるよう段階的に引き上げる経過措置を講じています。
 このように、浄水場の運転や設備の保守の民間委託と水道料金とは一切関係はありません。
 詳しい水道料金については、こちらをご覧ください。
 お問い合わせ 水道サービス課 〒790-8590 愛媛県松山市二番町四丁目4-6 松山市公営企業局庁舎1階 電話:089-998-9800 E-mail:koueikigyou@city.matsuyama.ehime.jp

◎松山市議会議事録より抜粋

 最近の包括委託では、公営企業局では三菱商事などが出資するジャパン・ウオーターに水道事業の業務のうち浄水場の運転や設備の保守について、2004年から2006年度に垣生浄水場、2005年度から2006年度に市之井出浄水場、2007年から2011年度に両浄水場でそれぞれの運転管理業務などを委託していました。
 契約満了に伴い、垣生浄水場と市之井出浄水場の運転管理業務に維持管理業務を加えた委託を契約期間2012年度から2016年の5年間で委託するため、公募型プロポーザルを実施いたしました。
 その際、新たに、世界最大級の水事業会社であるフランスのヴェオリア・ウオーターの日本法人、ヴェオリア・ウオーター・ジャパンが参加し、結果、事業金額は約13億円、ITを活用し、携帯端末で点検データを管理するなどの運営方式で、松山市が予定してい た予算額よりも約2割安く提案したヴェオリア・ウオーター・ジャパンが受託し、本年4月から委託が始まっています。

 今回の委託によるメリットについてであります。
 今回の提案においては、コスト面ですぐれているだけでなく、大手企業の経営ノウハウを生かした携帯情報端末等の活用による業務の効率化や衛星電話の導入による危機管理支援体制の強化など、魅力的な提案をいただいており、これらの新たな取り組みが施設管理の効率化や危機管理体制の充実に寄与してくれるものと考えております。
 最後に、4点目の安全性の確認についてであります。
 今回の委託事業者の選定においては、機器の点検回数や部品の交換頻度など、現行水準の維持はもちろんのこと、運転・保守・危機管理など各種業務に管理手法等の厳密な審査を行っており、施設の維持管理が適切に行われることを確認しております。
 また、配置人員につきましても、当初の移行時期に手厚く配置されるなど、業務に支障が生じないよう計画されており、安全への配慮は十分になされているものと考えております。
 さらに、本市の水運用の司令塔となる市之井手浄水場では、これまでと同様に、本市の職員が委託事業者と常に連携を図り、業務に当たることとしております。
 なお、市民の皆様が直接口にする水道水の水質については、水質検査の高度な技術力を証明する水道GLPの認定を受けた公営企業局みずからが今後とも 責任を持って管理していくこととしております。



にほんブログ村


人気ブログランキングへ

記事を気に入った方、
上記のいずれかの応援クリックをお願いします。