◆「なぜ、そんなにうまくピアノが弾けるかって?それはうまく弾こうとしないからだ。」セロニアス・モンク

 5月4日(日)である。
 昨夜は9時頃に床に就いたせいか、今朝は深夜の2時何過ぎには目が覚めてしまっていた。稀に見る強風による隙間風の音で目が覚めてしまったようなのだが、トイレに立って、窓を閉めても、眠気が来ないので、起きることにしたのである。
 キッチンに行って、キッチンと呼べるほど洒落たものではないのだが(;’∀’)、お湯を沸かし、先日越川禮子先生から頂戴させて頂いたキリマンジャロのドリップコーヒーを淹れて、部屋に戻り、セロニアス・モンク『アンダーグラウンド』を聞きながら、仕事をスタートさせたのである。

 これは昨日、3日(土)のこと。
 午後、約40余年ぶりに、小・中学生時代の同級生だったNさんに電話をし、2、30分話ができた。
 電話のある部屋のすぐそばに、娘がいたので、あまり立ち入った話はできなかったのだが、話したいこと聞きたいことが山ほどあったのだが、話は同級生の男どもが、次々と物故していく話になっていた。
 Nさんは、現在は帰郷して両親のいる実家で暮らしているのだというが、開口一番、電話の向こうから聞こえてくる懐かしい声を聴いた瞬間、私は40余年前にタイムスリップをした感がした。
 年を重ねるにつれ、妙に郷愁の念が強くなっているようである。
 故郷は、良くも悪くも私という人間の根っこを作ってくれたところなので、大事に思わないはずもないのだが、中江藤樹の立身出世のためとはいえ、藤樹の母が、故郷を離れたがらなかった気持ちが分かるようになってきた。
 信用や友情がお金で買えるものではないのと同じで、数十年にわたって培われてきた人間関係が雲散霧消することを望む人がいるわけが無い。
  
 話を戻して、ジャズ・ピアニストのセロニアス・モンク(1917~82)についてである。
 その晩年は、バド・パウエルを失ったことが契機となったようで、酷い鬱病に苦しんだそうだが、私に言わせて頂けば、メチャクチャにセンスがいい人である。
 そういえば、モンクは64歳で亡くなっている。
 モンクの残した言葉の中でも、秀逸なのは、以下の言葉であろう。

「なぜ、そんなにうまくピアノが弾けるかって?それはうまく弾こうとしないからだ。」

 陽明学や禅や老荘や神道をそこそこ分かってきた人には、この言葉の意味がお分かり頂けるはずだが・・・、だからこそ、その演奏を聴くと、自然と体や心がリラックスしてくるのであろう。

 以下は、その他、モンクの残した言葉である。「世の中はいつも夜だ。でなければ光はいらない」の言葉にも、まるでゲーテが口にした言葉のようで、ゾクゾクっとさせられた。


「天才とは、どんな状況でも自分自身を貫き通す人間だ」

「世の中はいつも夜だ。でなければ光はいらない」

「モンク(MONK)=知る(KNOW)=(自分の居場所を)いつも意識している」

「ひとつの楽音は、山のように大きくもなれば、針のように小さくもなる。その大きさは、演奏するミュージシャンの想像力にかかっている」


Thelonious Monk Live In Berlin 1969 (Solo Piano)
http://youtu.be/MGbLRaaqrCc



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