■昨夜の震源地は、3月11日の東日本震災の時の震源地も同じく宮城県沖合なのだが、東日本震災の時よりも、昨夜の震源地の方がずっと女川原発に近いのだ。

 8日(金)である。
 三五館から
『放射能で首都圏消滅、誰も知らない震災対策』
 という本が緊急重版された。
 著者は、
「NPO法人・食品と暮らしの安全基金、古長谷稔(こながや・みのる)」
 となっている。
 緊急重版と書かせて頂いたが、本書の初版が刊行されたのは、なんと2006年4月のこと。
 テーマは、東海地震が起きて静岡県の浜岡原発が壊れると、首都圏は壊滅的な打撃を受ける、という内容なのだが、実際に福島第一原発で原発震災が起きて大変な事態となっているし、浜岡原発だけの話ではなくなってきている。
 たとえば、昨日7日の深夜11時33分頃、宮城県の女川(おながわ)原発(東北電力)のすぐ沖合が震源地となり、M7.4、震度6という最大余震が起きたばかりである。
 ちなみに、拙宅のある埼玉県さいたま市は、震度4であった。
 昨夜の震源地は、3月11日の東日本震災の時の震源地も同じく宮城県沖合なのだが、東日本震災の時よりも、昨夜の震源地の方がずっと女川原発に近いのだ。
 東北にお住まいの方々は、ただでさえ辛いのに、これ以上不安をあおったり、大騒ぎをしたくはないが、女川原発に震源地が近付いている、と受け取ることも可能な事態となっているのは確かなのである。

■文部科学省の資料によれば、耐震性に不安がある原発のランキングでは、浜岡がダントツ・トップ。2位は、愛媛県の伊方(いかた)、3位は女川、福島第1第2は、4位であった。

 話を戻して、『放射能で首都圏消滅、誰も知らない震災対策』についてである。
 以下、興味深い記事をいくつかピックアップさせて頂く。

・浜岡原発を津波から守る予定の砂丘があるのだが、その砂丘の高さは10メートルだという。建設当初、中部電力が予測していた津波の高さは、6メートルであった。
・浜岡原発から海までの距離は、わずかに100メートル。
・文部科学省の資料によれば、耐震性に不安がある原発のランキングでは、浜岡がダントツ・トップ。2位は、愛媛県の伊方(いかた)、3位は女川、福島第1、第2は、4位であった。

 さらに、浜岡原発は、その老朽化も懸念されているという。
 本書は、浜岡原発に関する記事ばかりではない。参考までに、目次を紹介させて頂く。

第1章「放射能が首都圏を襲う」
第2章「放射能から身を守る」
第3章「東海地震は始まっている」
 本章には、原発設計者、技術者、業者らによる内部告発の記事が3つ掲載されている。
第4章「止めてください、この原発」
第5章「浜岡原発のミステリー」

 為になる記事満載である。
 そのうちの一つは、原発震災で水道が壊れた時の水の確保だが、風呂の水や雨水、河川や井戸の水などは放射能に汚染されている場合もあるわけで、そんな場合のために、水に含まれる放射能のチリを除去してくれるアメリカ製のコンパクトな高級浄水器があるという。
 また、マスクはもちろん、放射能のチリを除去してくれる最高級掃除機も紹介されている。
 120ページ程度の本なので、さらっと読めるのがありがたい。
 今だからこそ、この機会にぜひ一読をお薦めする。

 以下、参考までに、浜岡原発に関する最新ニュースである。

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浜岡原発、新設見直し…プルサーマルも凍結 

 中部電力は18日、2015年の着工を目指していた浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)6号機の建設計画を延期する方針を固めた。
 ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用したプルサーマル発電も当面、実施しない考えだ。
 東京電力福島第一原発の事故を受け、静岡県の川勝平太知事や地元自治体の首長が「実施は困難」との見方を示していることに配慮した。
 東電は東通原発(青森県東通村)1号機の工事を、電力会社の電源開発は大間原発(同県大間町)の建設を当面休止することを決めており、原発の新設計画を見直す動きが相次いでいる。
(2011年3月19日12時18分 読売新聞)


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