2023年下半期映画ベストテン | リリアンさんのブログ

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2023年下半期は映画を観る暇はないと思っていましたが、やはりひとときの慰め、気分転換にはなりました。観た数は例年よりも圧倒的に少ないのですが。どんなときも私には映画が必要と再認識しました。 
旧作ベスト5
①カラビニエ(ジャン=リュック・ゴダール1963)
ゴダール初期の反戦映画。導入が独特で、こんな描き方があるのかと感心。最後のうんと引いたショットはシークェンスが素晴らしくてうなります。リズム感ある傑作。
②白夜(ロベール・ブレッソン1971)
これは購入するとなると3万から6万円のお宝映画。ドストエフスキー原作。手や足のクローズアップが相変わらず効果的でミニマム。表情の乏しい尖った作風は変わらずですが、大胆なショットもあっていいですね。ヴィスコンティも白夜(1957)を撮ってますが、オールセットの舞台風、幻想的でロマンチックな仕上がりで名優三人を使っていました。どちらも最後は女性の残酷な裏切りを描いていますが、ブレッソンのほうが台詞も含めて現実的でした。
③鑑定士と顔のない依頼人(ジョゼッペ・トルナトーレ2013) 
有名な作品ですが、今頃拝見しました。ジェフリー・ラッシュはやはり名優。苦い人生勉強でしたね。
④明日に処刑を(マーティン・スコセッシ1973)
スコセッシのデビュー作品。まだ荒削りですが、のちの名作の原点のような強烈な映画です。粗野なカップルの大胆な演技が良くて、絶対に忘れられないラストシーンも最高。
⑤水を抱く女
主役の女優さんはベルリン映画祭で賞を獲ってますね。ミステリアスなファンタジーでちょっと怖い。悪女の人魚みたいな。男優のほうも恋情をうまく演じていてなかなかの映画でした。

新作ベスト5
①パーフェクトデイズ(ヴィム・ヴェンダース)
ロードムービーとドキュメンタリーの巨匠ヴェンダースの素晴らしさが満載。久しぶりの傑作。
多くを語らない主役平山を演じた役所広司が最高でした。他のキャラクターも印象的で、引き算のうまい、ちょっとホロリとする映画です。田中泯のパントマイム風演技もヴェンダース映画の象徴的な姿かな。
小津安二郎を、そして日本をこよなく愛するヴェンダースの合わせ鏡のような映画でした。
②私がやりました(フランソワ・オゾン)
1930年代を背景にした楽しいミステリー映画。女優の艶々したガウン、ふんわりした髪型、帽子、その他もろもろ大好物の映画でした。オゾンにハズレ作はない。この先もずつと。
③バーナデット(リチャード・リンクレーター)
ケイトブランシェットのメンヘラ演技は当然上手いですか、舞台が南極に移ってからが人間模様も含めて最高でした。壮大でありながら静寂な大地。この監督はいつも手間暇かけるので好きですね。
④ゴジラ−0.1
ゴジラ史上一番カッコいいゴジラ。米アカデミー賞で間違いなく視覚効果賞を獲るでしょう。夫婦を演じた神木くん、浜辺さんはじめ役者さんが皆、良かった。時代設定を戦後すぐにしたところがいい。敗戦国の日本はもはや軍事力は使えないので民間が立ち上がる。日本の底力を感じました。応援船の登場はノーランのダンケルクを思い出しました。
⑤アナログ
ひたすらロマンチックな恋愛映画。原作は北野武。北野監督の首も観ましたが、こちらが好み。色調も美しかったけど、タケシ監督に撮ってもらいたかった。