さらなる悲劇を防いだ御聖斷・・・皇室からうけた御恩とは?(1) | シラスとウシハク【保守・革新でなく、日本獨自のありかたにもとづく區別をとり、時事・歴史問題を考へるブログ】

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  われら日本國民がうけてきた皇恩は、はかりしれないものがあります。今の日本の繁榮は、皇室無しには達せられなかったでせう。皇室拔きの日本史なぞ、まったく考へられないのです。


  さう言ふと、「皇室から恩をうけた覺えはない。」と反論する人もをりませう。とくに左方面からは、「むしろ恨みこそあれ。」といふ聲がきこえてきます。が、歴史を謙虚にみつめれば、そのやうなおもひは雲散霧消いたします。






  たとへば、昭和20年の終戰を考へてみませう。わが國はポツダム宣言を受諾し、連合國に(有條件)降伏することとなりました。


  それを決定した御前會議(8月10日)では、はじめ、降伏贊成・反對が3對3の同數となりました。そのやうなときは、議長である内閣總理大臣(鈴木貫太郎)がいづれかに一票を入れて、決定をくだすことになります。が、ことが重大すぎてみづからの一存では決めかねると言ひ、昭和天皇に御聖斷を仰ぎました。そこで天皇は終戰を御決斷になり、戰爭は終りへとむかったのです。






  もしそのとき、陸軍あたりが天皇の御聖斷にしたがはず、かたくなに戰爭續行をとなへてゐたら、戰後史はどうなってゐたでせうか? 或いは、そもそも皇室・天皇じたいがなかったら、どうなってしまったでせうか? 終戰の決斷がさらに遲れるか、それならまだ良い方で、ひどければナチス・ドイツのごとく降伏すら許されなくなるまで戰(いくさ)がつづいたかもしれないのです。


  當時はソ聯軍も侵攻をはじめ、大陸では滿洲が侵され、列島では千島・樺太が襲はれてをりました。ソ聯は8月15日以降も火事場泥棒のごとく侵略をつづけましたから、もしポツダム宣言受諾がさらに遲れてしまったら、わが國はどうなってしまったことか。北海道はまちがひなくソ聯軍によって蹂躙されてゐたでせう。東北も危なかつたかもしれません。


  さうなると、日本列島は朝鮮半島と同じく、北緯●●度線をはさんで分裂してしまったことでせう。さすれば、日本の戰後史はまったくちがったものになりました。いまの繁榮はなかったと斷言してよいとおもひます。






  それでは、なぜあのとき、戰爭續行派も天皇の御聖斷にすなほに從ったのでせうか? それは、歴代天皇が御樹てになった徳が深厚であり、さらに昭和天皇おんみづからの徳も篤かったため、さからふ氣力が殺がれたからです。さうであるからこそ、續行派の陸軍といへども、天皇の御決定にしぶしぶではあっても服したのです。もし御歴代の徳うすく、昭和天皇も暗愚であられたらどうか。言ふことなぞきかなかったでせう。


  なほ8月15日には、陸軍の青年將校が降伏をさまたげるためにクーデターをおこしました。天皇の御聖斷にさからふ者がでたのは、痛恨の極みではあります。が、よくよく考へてみると、天皇の徳があったからこそあの程度で濟んだのです。陸軍全體が反抗してゐたら、もっと厄介なことになったでせう。


  はじめから天皇・皇室じたいが坐(いま)さぬときもまた、ひどいことになったでせう。降伏派と續行派とが爭ひ、さながら内亂・内戰状態にはひったかもしれません。






  昭和20年の8月にすんなりと降伏しえたのは、ひとえに歴代天皇・昭和天皇によるすばらしい徳のおかげなのです。それをおもへば、「皇室に恩をうけたおぼえはない。」などと輕々しくは申せません。恥を知れと言ひたいところです。


  教育敕語の「皇祖皇宗國を肇むること宏遠に、徳を樹つること深厚なり。」(原文片假名、句點句讀點なし)とは、歴史をいま述べたごとくに捉へることで、はじめて實感しうるのであります。






  なほ、「天皇がゐなければ、戰爭じたい起こらなかったのではないか。」といふ疑問にたいしては、

天皇の存否にかかはらず、戰爭は避けられなかった。アメリカが、日本を狙ってゐたからである。

と、さしあたり答へておきます。
(つづく)




  最後まで讀んでくださり、ほんたうにありがたうございます。「皇恩といふものが、すこしはわかった。」と御おもひになったかたは、ぜひ『人氣ブログランキング』に清き一票を、よろしく御頼み申上げます。


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