最近特に,いわゆる「よくある交通事故」で被害者が1名が亡くなっているにも関わらず,自由刑(懲役,禁固)の執行が猶予されることが原則となっているようです。

  しかし,刑の執行猶予の趣旨は,刑事政策の見地から短期自由刑の執行や前科がつくことによってもたらされる弊害を回避しつつ,犯人に対し執行猶予の取消しにより刑が執行される可能性を警告することによって,犯人の善行の保持や再犯の防止を図ろうとするものです。

  交通事故はほとんどの場合,過失犯である,だから,責任は軽いと言いわれます。しかし,それなら,過失犯には,「執行猶予の取消しにより刑が執行される可能性を警告することによって,犯人の善行の保持や再犯の防止を図ろう」との趣旨はあてはまらないのではないか,と視点も忘れるべきではないのです。

  いわゆる「よくある交通事故」で被害者が1名が亡くなっている事件では,原則として,実刑であるべきです。

  では,具体的事件で,いかにして犯人に実刑を科してもらうか,です。(続く)