2014年4月18日付けの河北新報によると
『神奈川県内の交通死亡事故で、検察側が自動車運転過失致死罪で容疑者の男(56)を略式起訴する方針から、一転して正式起訴したことが17日、関係者への取材で分かった。法曹関係者によると、こうした方針変更は異例という。(中略)初公判は18日に横浜地裁で開かれる。
事故は2012年12月27日朝、鎌倉市内で発生。男の車が、道路を歩いて横断中の藤沢市の会社員吉川英憲さん=当時(39)=をはねて死亡させたとされる。
関係者によると、神奈川県警大船署は男を逮捕し、事故の約1時間半後に現場検証した。遺族が発生の約40分後に現場を通った際、警察官はおらず、車はなかった。同署は当初、現場写真の多くを検察側に送っていなかった。
捜査員は遺族側に対し男の供述などから「車は時速約50キロ」と説明。状況は「約40メートルはね飛ばされた」から「車の前面に張り付けられて運ばれた」に変わり、衝突地点の説明も変遷したという。
(中略)
検察側は同年9月、遺族側と男の双方に略式起訴する旨を説明。遺族側は翌10月、検察側に「捜査結果が適切に検察側に送られたか疑問でずさんだ。男の過失は大きく、公訴権を適正に行使してこそ国民の信頼が確保される」と要請した。
その後、検察側は方針を白紙にすると男に伝え、再び取り調べるとともに衝突時の速度などの鑑定を専門家に嘱託。「男が前方左右を注視せずに時速約60キロで進んだ過失によって衝突、路上に転倒させるなどして死亡させた」と判断、ことし1月に正式起訴した』そうです。
この事件の推移からもわかるように,警察は,常に適正な捜査を行い,検察は,常に適正に公訴権を行使しているわけではありません。被害者が,捜査と公訴をチェックしていかなければならないのです。
なお,2014年5月29日付け日本経済新聞によると
『神奈川県鎌倉市の県道で2012年、男性が車にはねられ死亡した事故で、略式起訴の方針から一転、正式に起訴される異例の経緯をたどり、自動車運転過失致死罪に問われた鎌倉市の会社役員の早川好孝被告(56)に、横浜地裁(大森直子裁判官)は29日、禁錮1年、執行猶予3年(求刑禁錮1年)の判決を言い渡した。
男性は同県藤沢市の会社員、吉川英憲さん(当時39)。父の宏さん(70)ら遺族が、捜査段階で被告や警察への不信感から(中略)、独自に事故を検証。厳罰を促す上申書を提出し、横浜地検は方針を変更し起訴していた。
判決によると、12年12月、時速約60キロで車を運転し、道路を横断していた吉川さんをはねて死亡させた。
大森裁判官は判決理由で「制限速度を上回る速度で走行して脇見した過失は大きい。事故後も現場を車で通過するなど遺族への対応も不誠実」と指摘し、反省を述べている点を酌量した』とのことです。