よみうりTVによると,
『先月(7月)、大阪府茨木市で自転車の高校生を軽自動車ではね死亡させた男が悪質な運転で事故を引き起こしたとして危険運転致死などの疑いで14日、送検された。送検されたのは大阪府茨木市の無職、野口博史容疑者(33)。野口容疑者は先月25日、茨木市南春日丘の府道で自転車で横断歩道を渡ろうとしていた高校2年の男子生徒を軽自動車ではね、4日後に死亡させた疑いが持たれている。警察は事故当時、野口容疑者を自動車運転過失傷害の現行犯で逮捕。その後の調べで車は車検を受けておらず保険の期限も切れていること、野口容疑者が赤信号を無視して車を走らせていたことなどからより罰則の重い危険運転致死の疑いなどに切り替えて送検した。調べに対し野口容疑者は「運転免許の住所を変更するために急いでいた。人がいないので大丈夫だろうと思った」と話しているという。』そうです。
この事件,私の地元,大阪府茨木市で起きたものですが,この被疑者が,警察の判断のとおり,危険運転致死罪で起訴されるか,注目する必要があります。というのも,危険運転致死罪の構成要件が不明確なため,検察官が無罪のリスクを避けて,危険運転致死で送致を受けた事件を,有罪が確実な自動車運転過失致死罪で起訴することがないわけではないからです。
なお,加害車両が車検切れで保険の期限も切れていた場合,いわゆる交通事故専門弁護士は,被害者遺族を相手にしないそうです。というのは,このような場合,加害者から賠償金(保険金)は支払われない可能性が極めて大きいからです。
しかし,被害者(遺族)は,この被疑者の刑事裁判(危険運転致死罪で起訴されると,裁判員裁判となります。)に参加することもできますし,被疑者に対し,損害賠償請求訴訟を提起することもできます。そして,政府保障事業[自動車損害賠償保障法に基づき,自賠責保険(共済)の対象とならない「ひき逃げ事故」や「無保険(共済)事故」にあわれた被害者に対し,健康保険や労災保険等の他の社会保険の給付(他法令給付)や本来の損害賠償責任者の支払によっても,なお被害者に損害が残る場合に,最終的な救済措置として,法定限度額の範囲内で,政府(国土交通省)がその損害をてん補する制度]によって,補償も受けることができますので,心配する必要はありません。