TAV「交通死被害者の会」を通じて,被害者遺族から,以下の質問が寄せられました。私も,今,同様の事件に関わっていますので,ここで,答えておきます。


①加害者(被疑者)が刑事裁判前に死亡した場合は,その刑事手続はどうなるのか?加害者が起訴された後に死亡した場合は,その刑事裁判はどうなるのか?


②加害者は任意保険に加入しているが,事件後に加害者が死亡したことが損害賠償請求について影響はあるか?

 刑事手続・刑事裁判は,あくまで,特定の人を処罰するための手続ですので,その人が死亡すれば,そこで,ストップします。つまり,起訴前なら,「不起訴処分」で終わり,裁判が始まっていれば,「公訴棄却」(決定)で終了です。


 加害者の損害賠償債務は,その人が亡くなると相続人に引き継がれるだけで,保険会社の責任はそのまま存続します。つまり,加害者死亡による影響はありません。


 最近,高齢者等が自動車を運転することも少なくなく,事件後に加害者が死亡ということも稀ではありません。なので,この類の質問は増え続けるでしょう。