「感謝の気持ちは大事だ」、「ありがとうは魔法の言葉」、そういうことが過去に比べて数年前から一段と聞くようになった気がする。書物然りTVでの評論家やカウンセラー然り。

 ありきたりになってきたかもしれないこの「感謝の心」というテーマ、僕は宗教には入ってないし興味も無いが、仲間を含めた自分を取り巻くすべての環境に感謝の気持ちを持ち続けていたいと、やはり思う。


 たかだか23年生きた経験ではあるが、僕は今まで出会ったすべての人に感謝の気持ちをもっている。関わりの一見薄いような人にも、僕を嫌っていたであろうクラスメートも、ムカついた上司にも顧客にも。


 ただ、そんなことを言うと大きな反論も来ることは必至だ。

「じゃあ妻と息子を殺害された私が被疑者に感謝の気持ちが持てるか?」

「幼い子供3人を飲酒運転していた若者の事故で殺された私たちの怨みが行く先は決まっているだろう?」

確かに、大切な人の失命という極限の状況においてはこの感謝の気持ちも全く顔を出さないのは当然だ。

家族や親友が誰か意味不明の行動を起こす人に命を奪われる・恋人が暴行され立ち直れない心の傷を受ける、それを目の当たりにした時の自分は絶対に感謝の気持ちを加害者に持つことはできないだろう。


 しかし、そんな究極の場合以外であれば、僕は意識的にであっても相手に感謝の気持ちを持とうと思っているし、出来る範囲で口に出したり行動に移したりしてそれを相手に伝えたいと考えている。


 その理由は、今まで生きた人生で誰か一人にでも会っていなければ100%今の自分ではないと思うからだ。

まず、きちんと育ててくれた両親がいる・いつ戻っても変わらない幼馴染の集う町がある・最高の仲間がいる・好きな人がいるという自分自身の今が幸せであることを自覚した上で、そのような今の自分にしてくれたのは今まで出会ってきた数百人・数千人の人たちのおかげだと感じるからだ。


 僕を嫌った人からは僕の何が不快を与えたのかを学んだだろう。又、素の自分とはどうしても合わない人はこういう人なんだと認識できただろう。感覚・価値観の違いを理解しただろう。

 街でただすれ違っただけの人でもファッションや話し方の良い・悪いの参考にできただろう。格好いいと思ったなら自分も真似してみようと試みただろう。

どんな経験も今の自分を作るにあたり少なからず影響を与えてきたものばかりだ。

 ただ、自分が好きなんだと勘違いされそうだが、ハッキリ言ってかなり嫌いだ。感じたくもない感情を持つことだってあるし人を傷つけたりもする。気がついたら自分中心で考えてしまっていることも多々ある。優しくなりたい・思いやりを持っていたいと思うことが偽善に感じられる。自己嫌悪に陥る。でも、それをひとつひとつクリアして成長していけると思っているし、いくつか改善できた実績もあると自負している。自己成長は最大の趣味であるし課題であると思っている。だから人に対する感謝を忘れずに自分を成長させていきたい。


 それと、「お金は天下のまわりもの」という言葉があるが、これは感謝の心にも当てはまるのではないかと僕は考える。人に感謝をするとそれが相手に伝わり巡り巡って自分のところに帰ってくる気がするのだ。実はそんなに回りくどくもなく、直接感謝の心が相手から帰ってきてお互い幸せな気分になれることも多いはずだ。「ありがとう」を言うのはやや恥ずかしいこともあるが、少し勇気を出してでも自分が先に「ありがとう」を言ってみることは価値あることなのだと思う。


 身近で試してみた。母親と僕は人間的に合わない。中学の頃からずっと喧嘩をしてきた。大学生になってもムカつくことは多かった。ある日、いつものように口喧嘩になった。本当にムカついたしこの人間ありえねぇって思ったけど、無理して「いつもありがとう」とケンカの真っ最中に伝えてみた。するとどうだろう。喧嘩はピタっと止み、謝ってきたのだ(・・?)不思議な出来事だった。心から思ったわけでもない「ありがとう」。無理してでも伝えたことで状況は一変した。これに心が加わったら更なる効果があるのだろう。


 それ以降いろんな人や状況に対して感謝の気持ちを表していった。やはり、明らかに、変わった。自分も周りも。感謝の心は何よりも強いのではないか。戦争・・・止まらないか?お互いに感謝の気持ちができたとき。


 だから、これからもずっと感謝の心をもって生きていきたい。合わない人も嫌いな人も感謝の気持ちだけはもって接しようと思う。長文お付き合い頂きありがとうございました。



余談だが、「お金は天下のまわりもの」を取り上げたが、実際にお金も使い方次第で自分の元に戻ってくると思う。もちろん自己投資で将来自分の収入に繋がるという意味もあるのだが、もっと単純に、プレゼントなどで贈った気持ちや使ったお金は結構すぐ自分の元に戻ってくると思う。


 身近で試してみた。ある人に花を贈ってみた。すると数日以内に今までほとんどお小遣いをくれなかった祖母がお小遣いをくれた。友達のおばあちゃんにもお小遣いをもらった。親に服を買ってもらえた。花を贈った1週間以内に5千円以下の花が7万円くらいの現金やら服やらで帰ってきた。偶然じゃないかも。


23歳でお小遣い??3留ですから・・



こんな言葉がある。


「人を幸福にするのは香水を吹きかけるようなものだ。相手を幸せにするとき、自分にも数滴はかかる」