季節のひとこと ~サロンレポートとライフスタイルデザイナーの仕事~ -3ページ目

第28回Japan Cool Seminar in Tokyo では冬の味覚・フグの世界を探検し

11月最後の土曜日30日にJapan Cool Seminar 第28回伝統美味食探検を開催しました。


令和元年も残すところ僅か。その一年の締めくくりとなるセミナーテーマは、冬の味覚の王様フグです。
今では通年食べられるフグですが、本来は「彼岸から彼岸まで」といわれた季節もの。そして高級食材でした。また、「ふく」とも言われ、福を呼び込むめでたいハレの食材でもありました。

今回は永田町の春帆楼を会場に、フグを学びフグを味わう“学味一体”の贅沢な時間を過ごしました。
下関にある本店春帆楼は、明治時代に日本初のフグ料理公認第一店となったフグ食文化を語るに欠かせない店です。店名は伊藤博文が名付け、日清講和会議の舞台ともなった歴史的にも意味深い店なのです。

フグ食は、その歴史の長さ、調理法の幅広さ、料理の繊細さと美しさ、どこに注目しても、最もcoolな日本の食文化の一つとして世界に誇れるものだと思います。

長い歴史ってどのぐらいなの?というと、縄文時代の遺跡からフグの骨や歯が出土しており、6000年以上前から食されていたことがわかっています。長~いお付き合いです。

フグといえば毒の存在は忘れられません。毒は怖いがその味に魅了され、江戸時代の川柳には「フグは食べたし命は惜しし」「フグ汁を食わぬたわけに食うたわけ」と詠まれたほどです。
毒にあったって命を落とす者が相次ぎ、何度もフグ食禁止令が出されましたが、一度もフグ食は途切れたことがないのです。

フグ毒は青酸カリの500~1000倍といわれる強力なものです。無味無色無臭で耐熱性も高く、たった2㎎で死に至るとのことです。こわ~い。
毒の研究は江戸時代には始まっていましたが、抽出分析に成功し、テトロドトキシンと名付けたのは日本人薬学博士でした。明治42年のことでした。

フグには鱗がなく、腹鰭と肋骨もありません。歯は板状で上下2枚ずつ。生命力は強いけれどストレスをためやすいデリケートな性格。お腹には体重の2~4倍の水や空気をためることができる膨張嚢と言う器官があります。
ユーモラスな姿と強力な歯と毒をもつユニークな不思議ちゃんです。

現在では、地球規模の気象変動も一因か、日本近海の天然フグ漁獲高は激減しています。
そこで、力が注がれているのが養殖です。
養殖ふぐはトラフグだけです。80年にわたるフグ養殖の歴史から、技術向上はめざましく、フグ毒はフグがつくるものでないことも分かってきたのです。毒はフグの食べるエサから
体内に入り、蓄積したものがフグ毒であることのことです。
そこで、養殖では孵化したばかりの無毒期から育て、毒性のある天然のエサから遠ざけ、無毒のエサだけを与えます。つまり、養殖フグは毒をもたない状態に限りなく近いと考えられています。フグの肝を安心して食せるのも遠い未来ではないのでは、と期待してしまいます。

近年注目されているのは、陸上養殖です。そのうち特に、温泉水に低塩人工海水を加え一定水温で育てられるトラフグは、短期間で高品質の個体となるのです。気候や海洋の環境変化とは無縁な上、狭い敷地で安定的に育てられることも利点です。

数あるフグ料理の中で花形はやはりフグ刺しですね。関西では「てっさ」と呼びます。フグは「たまにあたると死ぬ」の「玉」(弾丸)と、「たまに」(時々)をかけて、鉄砲(てっぽう)というのです。確かに神戸っ子の父は冬になるとよく「てっぽう食べに行こか」と言っていました。
フグの刺身は「てっさ」(てっぽうの刺身)です。その脇に少し盛り付けられるのがフグの皮「てっぴ」です。

トラフグの皮は3層構造なのをご存知でしょうか。
まず、身から皮を剥ぐと、上部の2層が剥ぎ取れます。一番下の層は身にピッタリと付いたままで、ラップのように薄い透明なものです。この皮は「身皮」と呼ばれます。
はぎ取れた皮は2層になっています。この2層も剥ぎ分けます。
一番外側の皮にはウロコはないのですが、代わりに小さな棘がありザラザラしています。
そこで「鮫皮」と呼ばれます。棘をきれいに取り、さっと湯引きするとフグ皮(てっぴ)として食せます。
真ん中の2層目の皮は「とおとうみ」と呼びます。面白い名前でしょう。漢字では「遠江」と書きます。なぜかわかりますか?一番下の皮は「三河(身皮)」(愛知県)の隣は遠江(静岡県)というわけです。粋なシャレです。昔の人は本当に遊び心をもっていましたね。

さて、学びの後はお待ちかねの味わいの時間です。

ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。
福を呼び、福を分かち合う素敵な時間で今年を締めくくり、福多き来年にしましょう。

次回のJapan Cool Seminar は2020年2月です。
これからも日本伝統の素晴らしい食材と料理、文化を探検してまいります。
次回第29回のテーマもお楽しみに!!

長尾典子HPにてセミナーのご案内をしています。開催1か月前には「トップページインフォ欄」と「東京セミナーページ」に掲載いたします。どうぞご覧ください。
新メンバー大歓迎です。是非ご参加お待ちしております。

11月レッスンはおばんざいでおもてなし

秋が深まり、窓から見える街路樹のイチョウも金色に輝いています。山々は緋色、赤、黄色と鮮やかな色彩が彩る点描画のような表情を見せ始めました。六甲山系にも晩秋の紅葉の季節がやってきました。


11月のサロンレッスンではおばんざいを学び、おばんざいでおもてなしランチを楽しみました。実習はクラシックスタイルのテーブルセッティングです。

「おばんざい」とは、京都で日常的に食べられているおかずのこと、つまり家庭での日々のおかずを指します。
出汁のうま味を生かし、近郊の旬野菜を中心に、干物、塩ものを上手く組み合わせる、経済的で美味しいおかずです。
今では「おばんざい」は耳なじみの良い言葉ですが、実は京都の人々は、日常のおかずをそうは呼んでいなかったといいます。

公家の言葉では、御飯の周りに並べて置くことから「おまわり」といい、一般的には「おぞよ」とか、「ぞよもん」と言っていたそうです。
「おばんざい」とは新しい言葉なのかというと、江戸末期1849年出版された『年中番菜録』には番菜という言葉あり、普段のおかずという意味で使われていました。
「おばんざい」が現在の意味で広く使われるようになったきっかけは、1964~65年に朝日新聞の京都版のコラムのタイトルとして使われたことです。やがて、1980年代頃から、広く定着していったとのことです。

今回のレッスンでは、「おばんざい」を広義に捉え、普段のおかずと理解して、日々のおかずをおしゃれなおもてなしに昇格させることをコンセプトに長尾スタイルのランチメニューを組んで提案しました。


食卓は秋深まる様子を小豆色のクロスで表現しました。朱赤と金色をアクセントカラーに配しています。実りの秋の豊かさは半月膳と実ものの枝で表現しました。紫のバンダが存在感を加えてくれます。


ランチはいつものようにウェルカムドリンクでスタートです。
講義と実習を終え、これからランチを楽しみましょう!の気持ちを込めて乾杯します。
皆が席に着き、食事を始める時の食卓の景色は特に大切にしたいものです。

ランチのスタートは、クロスの色と色合わせしたノンアルドリンクです。
旬の生ブドウとレモンスライス添え、ブドウジュースをベースに炭酸水を少しを加えます。


先付は、「大根おろしと卵のお汁」です。
昆布をベースにした出汁は薄味の澄まし汁を作り、大根おろしを加え、トロミを付けたら溶き卵を流し入れます。優しい味の温かい汁で胃をガードして、食事を始めます。

もう一品は、「鮪とアボガドの和えたん」です。
グリーンと赤の色合いが美しいコントラストです。刺身用マグロは醤油に半日ほど浸けておきブロック状に切り、盛り付ける直前にワサビとアボガドと和え、ブロッコリ―スプラウトをのせます。


次は一汁二菜です。
旬のさつま芋を皮ごとサイコロ切りしたものをたくさんいれた「秋のご飯」と「野菜たっぷりの具だくさん味噌汁」に二つのおかずを添えます。
味噌汁は、昆布と混合節(カツを・サバ・鰯節)のコクのある出汁に、根菜類と大根の葉、厚揚げ、キノコを入れ、さいごに葱を散らします。
具だくさんで味も良く、栄養的にも充実しています。冷蔵庫のものを一掃するイメージで作ればよいでしょう。経済的で無駄のない日々のおかずですね。

おかずのひとつは「ジャコと万願寺とうがらしのたいたん」です。
ジャコのうま味と唐辛子の甘味を生かすために味付けは薄味にします。出汁とほんの少々の本みりんでやわらかく煮て、塩味をみてから香りを付ける程度に醤油を数滴垂らします。始めに胡麻油で炒めれば香ばしい香りも付きます。

もう一品は「鱈の麹味噌漬け」です。好みの魚の切り身を、味噌と麹甘酒を混ぜてつくった床に1~2日漬けておきます。今回は鱈を使いました。味噌を取って焦げないように焼きます。甘酒の甘味と味噌のうま味だけでとても簡単においしい味の味噌漬けができますよ。

サロンの料理はシンプルなレシピで、食材の味を生かすために良質の調味料を少々と、自分でひいた出汁で作ります。
もちろん時短も心がけますが、メニューを考え、食材を選び、調理することが命を紡ぐことに通じていると感じています。
食からしあわせは始まります。食の場である食卓の環境を整えることでそのしあわせは増幅します。


食後のデザートは「栗水ようかん」に「お抹茶」を添えました。
市販のこし餡を使うと簡単に美味しく作ることができます。旬の食材を入れると季節感も出ておいしさもアップします。手作り和菓子でおもてなしすると、とても喜ばれます。
お抹茶の苦みが相性ぴったりの水ようかんです。

普段の作りなれた料理をおもてなしに組み入れると、準備もスムーズに進みます。
器使いやコーディネートに少し工夫すると、お洒落なおもてなしができます!

来月は一年の締めくくりの師走のレッスンです。こちらの報告もお楽しみに。

11月30日は東京セミナーJapan Cool Seminar 第28回美味食探検を開催いたします。
ご参加の皆さんのお目にかかれるのを楽しみにしています。

今月は和食でパーティー おもてなし

10月のサロンの講義は、懐石と会席料理です。ランチのテーマは和食でおもてなしです。
和食は私たちには最も馴染み深いですが、和食でおもてなしと言うと少し構えてしまうかもしれません。
そこで、Art de Vivre Salonでは、和食のおもてなしは、普段の作りなれた料理を少し昇進させ、おしゃれ感を演出する方法をコンセプトに指導しています。毎回レシピも差し上げています。
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10月のダイニングテーブル演出は秋を感じさせる色合いです。
中央に朱、金、紫の糸で織りあげた蝶と菊柄のアンティーク帯をランナーに見立て、その下には深い紫のクロスを敷いています。
二色に合わせた淡い紫色の大輪のアスター、鮮やかな朱色の実をつけた花ナス、赤いダリアを中央にアレンジしました。
朱と紫は日本を代表する色です。そこに、黒、金、銀で全体をまとめました。
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箸止めには、典子の「典」のハンコを押して結び、紙の裏には秋を詠んだ一句を書き入れ、それぞれの生徒さんのお土産にしました。
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10月の関西は、なかなか秋らしくならず日中の暑さから、冷たいウェルカムドリンクを用意しました。
フレッシュトマトを冷凍しておき、かき氷状にシェイブしたものを、カルピスに加えスダチとミントを添えました。透明グラスなら、白と淡い赤の色合いがとても綺麗に見えます。
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先附は、旬の柿とクリームチーズ、生ハムを春巻き皮で巻いてサッと上げたものです。生ハムの塩味と柿の甘味がチーズの濃厚な味とあいまって、泡ものにも合う一品です。
もう一品は、やはり旬のキノコとオクラの胡麻よごしです。アンティークの色絵の盃に盛り付けました。少しずつ、色々な味があるとおもてなし感とごちそう感が出ます。
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食事中は、温かい煎茶をサービスします。
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続いて椀物に見立てたのは、鯛の酢じめ昆布風味です。
刺身用の鯛に軽く塩をして水気を拭き取ったら、昆布をのせ、一晩酢しめにしています。薄くそぎ切りにし、甘酢漬けにした大根と共に盛り付け、炙ったもみ海苔を散らします。食すときにスダチを絞って頂くと、海苔の香りと相まって爽やかで美味しいです。
椀は秋らしく菊の蒔絵の煮物椀です。
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食事は秋鮭の炊き込みご飯、赤出汁、厚揚げと里芋の鳥のムネ肉のそぼろ餡かけです。針生姜を添えます。いつも食べ慣れた飯汁おかずが出てくるとホッとしませんか。家庭でのおもてなしには、こんなシーンも大切です。
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デザートは和風パウンドケーキとフレイバーティーです。
ナッツとドライフルーツを入れた酒粕のケーキです。日本酒の香りとしっとりした触感が美味しいです。焼きたてより、一晩おいて味がなじむととてもリッチな味わいを楽しめます。
フレイバーティーは、和食のおもてなしらしく、和の陶器カップに注ぎます。漆塗りの木製皿をコースターにみたてカップと組み合わせました。
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次回11月は伝統食とおばんざいでおもてなしです。
こちらの報告もお楽しみに!
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小学校での一汁三菜授業

10月4日(金)名古屋市内の小学校にて、5年生の全2クラスを対象に「一汁三菜の配膳とマナー」の授業を行いました。
前夜の激しい大雨で、警報が出れば休校になるのでは、と心配したのですが、天候は一転。秋晴れの青空がひろがる清々しい朝となりました。

私にとっては初めて訪れる小学校でしたが、生徒さんはとても礼儀正しく、廊下や教室ですれ違うとみんな「こんにちは」とハキハキとあいさつします。

5年生にもなると、理解力も豊かです。授業中も積極的で、解らないことや質問があると「典子先生」といって手をあげて聞いてきます。明瞭な質問には、明確に解答できます。
子どもの頃からコミュニケーション能力や自己表現を学び、社会性を身に付けることは、どの世界に身を置いて何をするにも大切なことだと改めて感じました。

教室は家庭科室です。各クラス45分ずつの授業はあっという間です。内容は盛りだくさんですから、時間のロスがない様にリズミカルに進行します。


まず一汁三菜ってなあに?を学びます。飯、汁、おかずが和食の基本であることを再確認します。

次は箸の勉強です。
箸だけを使って食す日本人は使いやすい箸の長さを古くから探究してきました。手の大きさと箸の長さのバランスから、持ちやすい最適の長さを決めました。そのルールに従って、生徒が持参した自分の箸の長さを測って調べました。「みんなの箸の長さは最適だった?」「ちよっと短い」「私はちょうどだったよ」とにぎやかです。成長するに従って、箸も長くなっていくのです。

続いて配膳です。
色画用紙を切ってテーブルマットを用意しました。切り取った残りの帯状の紙も利用します。その紙で鳥の形の箸置きを折りました。「えー!この紙でこんなの出来るの?」とワクワクして折る子どもたち。カラフルなテーブルマットと箸置きのおかけで、一汁三菜もおいしそうに配膳できそうです。

いよいよ一汁三菜献立に沿って、料理に適した食器を自分で選び、自分で考えて配膳です。
「ちゃんと配膳できたかな?」できた人は席に座って待ちます。全員着席後、答え合わせです。「間違っていた人は、今日覚えればいいから大丈夫。お家の人にも教えてあげましょう。」正しい配膳は、食べやすく所作も美しく見えるのです。


次に、箸と碗の持ち方、置き方も練習しました。普段の食べ方と違っているようで、「え~ッ!こういうふうにするの?」と驚いたりしながら所作を身に付けていきます。

伝統の和食とその配膳の位置の決まりには理にかなった合理性があり、無駄がありません。食べやすさから生まれたものです。

食前のいただきます、食後のごちそうさまは、日本人には当たり前でも、他言語にはこれらにぴったりの言葉が見当たりません。和食の心が宿った言葉です。ここには、自然の恵みの命を頂くことへの感謝の気持ちと、自然への畏怖と尊敬の気持ちがあります。

汁、飯、おかずを交互に食べ、口中で調味する和食。おいしく栄養バランスがとれた食事です。美しい所作で伝統の一汁三菜を食すと、知らず知らずのうちに食事を丁寧に考えて、いとおしく心を込める様になるものです。

授業終了にはサインを求められビックリ。
実は、外部専門家の授業を受けた時には、いつも先生にサインをもらっているとのこと。
なるほど~納得。
その上、改めて感謝の手紙を書いて送ってくれるというのです。ありがとう。
郵送を楽しみに待ってます!

目まぐるしく変化する現代は、自分を変えていくことが求められる時代です。しかし、変えてはいけない大切なこともあります。伝統の食文化にある心もその一つです。
子どもたちには伝統の食文化を良く知り、日常で繰り返し体験してほしいです。
誰かと一緒に同じものを食べること。食べものはどこからどのようにやって来るのかを知ること。食べものと料理を作ってくれた人に感謝すること。自分で作ること。
これらを繰り返し、暮らしの一部にしてほしい。特別なことではなく、普通のこととして暮らしに溶け込んだとき、次代にも受け継がれていくのです。

今回の授業で出会った生徒さんたちの健やかな成長を願っています。

全国の小・中学校、幼稚園、会社、団体を対象に授業、セミナーを行っています。
オファーはnagao@a-de-v.com まで。お待ちしております。

9月レッスンではヌーベルシノアのおもてなし法を学ぶ

9月に入り、サロンレッスンも再始動となりました。まだまだ日中は暑く強い日差しを感じますが、すこしずつ季節は移り変わっています。

 

01

 

今月のテーマはエスニックです。

エスニックとは民族的という意味です。アジア、中近東、アフリカなどさまざまな民族的な様を指します。

そこで、食卓は、アジアンエスニックの要素を入れ、料理は中華シノワを取り入れました。

中華料理は、本場中国の料理を基本にした中国料理とは違い、日本人の口に合うようにアレンジした中国風の料理をいいます。今回は後者の料理とヌーベルシノアにならって、親しみのある料理を1人ずつ個々に盛り付け、一品ずつ順に出すスタイルです。ちょっとしたおもてなし料理に昇格させるのはテーブルコーディネートの力です。

オイルは胡麻油だけを使い、ヘルシーに調理しています。

02

 

今回の食卓は、秋らしさを感じさせる深い栗色のクロスを選びました。オレンジ色のピンクッション、黄色のヒマワリとケイトウを中国茶の茶壺にアレンジして食卓中央に、ガラス器にはひまわりをあしらい、食卓のサイドにセットしました。染付(青花)の器とブルーのグラスをアクセントにして、エスニックなムードを演出しました。

 

03

 

辛子と豆板醤はお好みで自由に使って頂けるように、インド製の真鍮の香入れの中に小さな磁器の器を仕込んでそこに入れています。

食卓中央には2客の小さなアミューズスタンドをセットし、染付のアンティーク小皿をのせました。ここにはパクチーと白葱ダレを盛り付けておき、各自が好きな量、好きな時に料理に加えられるようにしました。

 

04

 

食事中には、中華料理にピッタリの、油を流すとされる鉄観音を用意しました。お茶の椀は日本人作家のものですが、茶托にしたのはココナッツの実で作った小皿です。

 

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今回のウェルカムドリンクは、レモンとブルーベリーの炭酸ソーダです。

国産のワックス無しのレモン輪切りを一つまみの塩を加えた蜂蜜に一晩漬けたものとその汁、冷凍ブルーベリーをグラスに入れ、炭酸水で割った一杯。日中はまだ暑いので氷を加えました。もちろんレモンも皮ごと、ブルーベリーもおいしく食べられます。

 

06

 

前菜は鯛の中華風カルパチョを金箔ガラス皿に。ピータン、アボガド最中シノワスタイルは白長皿に盛り付けました。

鯛は薄くそぎ切りにし、ピーラーで切った胡瓜を添え、ワンタンのから揚げ、砕いたピーナッツ、軽く塩・胡椒を振り、ナンプラーと胡麻油、レモン汁で作ったタレを回しかけます。

最中シノワスタイルは、切ったアボガドに白葱みじん切りをたっぷり加えた塩胡麻油タレ(アミューズスタンドの小皿)をのせ、食べる時に最中に入れます。サクッとした皮ともっちりしたアボガド、そして中華風のタレ味が新鮮な一品です。

 

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主菜は、シーフードとセロリ、パプリカの豆鼓炒めです。

今回は生のスルメイカとエビを使いました。ピーマンと赤パプリカの色合いが鮮やかで、セロリの食感と香りを楽しめる一品です。豆鼓を味付けに使うと塩は不要です。途端に中華風になりますよ。味を絡めるために、最後に水溶き片栗粉でトロミを付けます。

 

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食事は、青葱炒飯と白キクラゲの清湯スープです。

炒飯はシンプルに、焼き豚と卵とたっぷりの葱を加えたものです。ご飯は押し麦入りの白米です。スープには皮を取った鶏むね肉をボイルしたものを裂いて入れます。皮はスープを作る時に入れます。(皮はスープを取ったら取り出します。フライパンでカリカリに焼くとおいしく食べられます。)白キクラゲを入れ、味を整えたら水溶き片栗粉でトロミを付けます。器に注ぎ入れたら、枸杞の実とパクチーをのせます。

 

09

 

デザートも中華風に。今回は湯圓です。生姜シロップに浮かべた茹で胡麻団子です。

黒胡麻ペーストとすり黒胡麻を混ぜ砂糖を加えて餡を作り、白玉粉で作った皮で包みます。団子は作って冷凍しておくと、いつでも使えて便利です。凍ったまま湯に入れ、約5分弱茹でます。シロップにはたっぷり生姜を加えて冷やしておきます。温かいシロップにすれば冬もおいしく召し上がれます。食後はお好みでコーヒーまたは紅茶です。

 

10

 

10月は和食をテーマにおもてなしを学びます。こちらもお楽しみに!

秋深まる季節、美味しくお洒落に、素敵な秋をお過ごしください。