初めまして。minamiです。
初めて小説と言うものを書き始めました。

主な登場人物は、「みー」と「S君」。
 

平凡な「みー」とは対照的に、波乱万丈の人生を送る「S君」。

まずは「みー」の人生から行ってみましょー。

では、本題へ。
 




 

彼と出逢ったのは私が18歳の

クリスマスの頃だった。




自動車学校の教習を終えて送迎バスに乗り込み

発車の時間を待っていた時・・・。

ふと気づくと男の子が下に立っていて

バスに乗る訳でもなく、ただ、コチラを見ている。

(何してるんだろう・・・あの人)


当時、自動車学校へ通うのは学校で禁止されていた。

「ルールを守ってこそ自由が与えられる」

なんて弁論大会で弁舌をふるったのもすっかり忘れ、

友達に誘われるままに校則を破り、自動車学校へ通いだした。

街外れにある自動車学校なら先生も見回りに来ない

という噂を信じて。

 

 

 

送迎バスが発車すると、それをすがるような目で追う彼がいた。

割とほっそりしていて、背は高く、顔は初めて見る顔だが
男らしいいい感じの顔をしていた。

眼は大きめで、当時のアイドルみたいな髪型をしている。

(あれ?乗らないんだ・・・捨てられた子犬みたい

・・・寒そうだし)

遠くなる彼のその眼差しだけは、

今でもはっきりと覚えている。


次の日、いつも通りに自動車学校へ行くと

すでに友達が何人か来ていていつものように

ソファに座っていつものように楽しくおしゃべりを始める。


女子高生のおしゃべりは尽きることが、ない。

盛り上がっている所で、後ろから肩を叩かれた。

「ん?(*^・ω・) 」

振り返ると、知らない男の子。

「あのぅ・・ちょっといいですか?
  友達が何か渡したいものがあるって・・・。」


何だろう??と見てみると、その人の後方に昨日の彼が・・・。

(あっ、昨日の人・・・)

友達に訳を話して、ちょっと行ってみる。

「なぁに?」

「あっ・・・・・・どうも・・・・・
  はじめまして・・・・・あの、これ・・・・・」


そう言って差し出されたのは一通の手紙だった。

彼の数人の友達が思い切り冷やかしている。

男らしい外見とは裏腹に照れまくっている彼が

何だかとても可笑しかった。

(何であたしなんかと話すのに照れてるんだろう?)

手紙を開けようとすると、

「あっ・・・・・あのっ・・家で、1人で、ヨンデクダサイ」
(かなりテンパッテいる)

「あ、そうですか・・・。」

手紙をしまい、顔を戻すと、さっと目をそらす彼。
ぎこちない会話が始まった。

「あの・・・進学とか、就職とか、決まってるんですか?」

「はい!東京に行きます。」

「・・・・・っだーーーーーーーーーーーん!」
(なんの効果音?)

「東京・・・・・・(絶句)」

「あ~~~~あ、残念だったな」

「いつ・・・行くんですか・・・・」

「えっと3月末。」

「見送りに行けよ~っ」
(どつきまわされる彼)

「あっ・・・・・見送り・・・とか・・・行っても・・・・?」

「う?うん、いいよ?」

「あっ・・・・・。いいの??うん、オレ絶対見送りに行く!」

「クスクス」

「じゃぁ・・・・・よかったら、手紙の返事、待ってます。
  いきなりすみませんでしたっ」


「はーい!」

こんな感じ。
一喜一憂する彼をただ見ていただけのような気がする。

男の子に手紙を貰うなんて、初めて。
(当時、通信手段は手紙か家電のみ)

早く読みたかったけれど、約束通り家で

独りきりになってから読む事にして・・・。


友達の所へ戻ると、質問の嵐!

「なんだったの?なんだったの??」

一通り説明を聞き終えると、また盛り上がる女子高生達。

甘いものと、可愛いものと、恋の話、大好きだもんね。





手紙っていいもんですよ♪
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