昨日能登半島先端の地域である珠洲市で大きな地震があった

 

 実は以前からの母の傘寿のお祝い旅行で

地震時は能登半島の輪島にいた

その時のこと、その時に感じた事を書きます。

  

 輪島から千枚田を見に移動中に、不吉な緊急地震速報が突然鳴り

運転していても車の揺れがわかり、電線も波打っていて

車を路肩に止めた!

他の観光客の車もみんな路肩に駐車しスマホ片手になりゆきを

見守っている

能登半島で地震が起こったとなっている

まだ状況はわからない

 

 その後落ち着いたので地震が気にはなったものの

目的地である千枚田に近づくと渋滞が・・・

GWだから仕方ない

でも宿へのチェックインが遅くなると嫌なので

見たかった千枚田を諦めUターンして輪島に戻る

 

 宿では地震があったので

二つある内の一つのエレベータが停止していると告げられる

もう一つは遠回しに使わない方が良い感じに言われる

 

 宿に入ってからはしばらく何もなかったので

近くの砂浜や漁港を探索して温泉に入ってから

夕食に

 

夕食では事前にお祝いと伝えてあったせいか

仲居さんから輪島塗のお箸を母に頂く

そして紫色のちゃんちゃんこを来て写真を撮ってもらう

演出もしてくれた

予約時にコメント欄へただ、母の傘寿のお祝い旅行であると

書いただけだったけど、この演出がありがたかった

 

仲居さんも何十年もこの道でやってきた感じの人で

天道よしみには似ていたけれど、この人にお任せしておけば大丈夫!と思えたし

心あるおもてなしをしてくれた

ありがたかった

 

 それから部屋に戻ってリラックスしていたら

22時過ぎにまた緊急地震速報が・・・

しばらくして半端ないほど揺れる

正直今まで経験無いほどの地震を経験する

もう建物が崩壊してもおかしくない

駄目かも知れないと一瞬思い

不安がる母を呼び寄せる

 

 自分の家ならばまだ対応の仕方はあるけれど

知らない地方の、今日来たばかりの建物の中での

地震は正直怖い!

3階だった

 

 それからこのままここにいて大丈夫か?という話になり・・・

外を見た。

他の宿泊客は特に動きはなさそう。

でも明日は朝から雨予報でしかも、だんだん雨脚が強まって激しく降る予報

海沿いの道は断崖絶壁で落石注意な感じだし

半島の中心の道も山を通るから落石が起こり、道路が通行止めになったら

帰ることができなくなるかもしれない。

それにこれ以上の地震が来たらどうなる?・・・

と家族で相談した結果、この時間からチェックアウトして帰ることに決まる。

せっかくのお祝い旅行だけど、何か起こるより良いし、

なんだかおかしな旅行となってしまったけど

帰る場所があるだけありがたい!

震源地の珠洲市の人は自分の住む場所が震源地である以上

不安で仕方ないだろう

後から知ったことだけど一人亡くなったのだと言う

ご冥福を祈りたい

それまで元気だった人が突然亡くなったのだ

  

 フロントに連絡して支払いを済ませ

暗い中ナビを頼りに能登半島を走る

暗いから、日本地図のここら辺を走っているのだろうくらいしかわからない

富山から岐阜に向かう41号そこから安房峠に向かう471号

は道なりに走るだけ

Loungeの動画を視聴しながら

色々なことを考えながら走る

 

 地震が起きた能登に旅行に向かう前日は

金沢市にいて明日どの道を通って

どこを観光しようかとぐるぐる考えていた

きれいな海と景勝地があり人気がある珠洲市と

西側の観光客の比較的少ない静かな方と比較して考えていた。

出来ればまた来るのはいつになるのかわからないので

自分は珠洲市に行きたかった。

でも家族が混む場所は好きじゃないので今回は

ゆっくり西側を観光しようと決めた。

地震発生時刻に珠洲市にいた可能性は十分あった。

それを思うと家族もいたし怖くなる

 

人生何がどこでどうなるかなんてわからない!

そう言えば、約20年前、中越地震の時も地震が起きる前

被災地になってしまう新潟に向けて車で走っていたら

急にまっすぐ走れなくなってしまい

グアン、グアン車が揺れるので

始めはパンクしたと思った

そうしたら地面が波打って

電線が波打っていたので初めて地震だと理解した

 

 どんなに地震列島日本だとしても

地震の起きるタイミングで、地震が起きる方面に

二度も向かうなんて単なる偶然なのだろうか?と思ってしまう。

これは何かのサインじゃないのだろうかと。

家族は車の中で寝ている。

暗い中一人でそんなことを考えながら、ひらすらハンドルを握って

車を走らせる。

 

 今回はさすがに、地震を経験して

普段自分が拘っていることや執着してることなど

どうでも良いことと

一瞬吹っ飛んだ!

 

 もし地震が起こることや被災した後の日々が

日常だったら?・・・

今何不自由なく暮らせている毎日は

明日も、明後日も続くとは限らない

 

 世界は変化し続けていて

周りも変化し続けていて

実際に親戚が亡くなったと思ったら、違う方では子どもが生れたり

変わらない毎日にしがみついているのは自分だけ?

今この地面の土の中でも、地殻は活動しているわけで

動いているわけで

自分が自覚しようがしていなくても、自分も地球と共に回転しているわけで・・・

地球全てが生きているわけで

変わらないものなどひとつもない

 

いつか自分もこの土の中の成分に戻る時が必ず来る!

変わりたくないなんて本当は滑稽な考えで

遠くから神様に笑われていそうだ。

 

 そんなことを考えながら

真っ暗闇の中、ひたすら山の中を走り抜けて

6時間かけて自分の生活する場所に戻ってきた

 

 今は自分はここで生活している

ここが普段生きている場所

さっきまでいた場所は、非日常の場所であり

一時だけワープした場所であり

もう過去の場所となっている

地震の被災者の方々には申し訳ないが

地震は過去の出来事となっていく

何事もなく良かった

 

 時間と出来事と経験と思い出

時間の中に何を編み込み

自分の人生の物語を作っていくのか?

自分の物語の主人公になる時

キャストではなく正真正銘の主役となっていきたい

自分で脚本を描き、自分でその道を胸を張って辿ってく!

お客さんとしてただ目の前の出来事を眺めているのでなく

自分で選んでいき、その連続で色濃い自分の人生の物語が出来るそんな感じ