山口惠以子さんのおいしいシリーズの1つである『ゆうれい居酒屋』の5冊目。

 

今回も居酒屋「米屋」を舞台に女将の秋穂が一見さんの話しを聞いてもらったことがきっかけで、彼らは次の人生へと力強く歩き始める。

そして人生の転機を与えてもらった一見さんは、再び「米屋」を訪れる。

 

という点は、今までのストーリー展開と同じなのだが、今回はなにやら違う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋穂に会いたいと思い、ルミエール商店街を30年ぶりに訪れた瑞樹。

そう、彼は幽霊ではなく、亡くなる前の存命だった女将の秋穂に出会い、話しを聞いてもらっていたのだ。

 

 

他にも娘をお嬢様学校に通わせている一般家庭の女性の話が興味深い。

娘さんは外側だけでなく、中身の大切さ、育ちの良さというのは、にわかに造られるものではなく、代々受け継がれてきたものを付き合いのある同級生から肌で感じ取る。

それでいて自分の家庭との違いに卑屈になることもなく、友人たちを通して様々な学びを得ようとするまっすぐな娘の強さと賢さを知る。

 

 

「米屋」の常連さん達が言うように、秋穂は困っている人を放っておけないのは本当の話だったことを裏付ける内容。

 

人が人に対して愛情を持って接するのは、年齢を重ねるほど強くなっていくように思うのは私だけだろうか。

 

身近な人だけでなく、他人から親切にされた記憶というのは、歳を追うごとに感謝の念と共に記憶として残っていく。

そんな優しい記憶が秋穂が一見さんにも優しく接する理由なのか、単に秋穂が優しい人柄なのか・・・