山口惠以子さんのおいしいシリーズの1つである『ゆうれい居酒屋』の4冊目。
自分が死んだら覚えている人は誰もいなくなる。
だから秋穂のことを忘れないでほしい。
秋穂が営む「米屋」の常連さん達の子ども達が言う言葉。
「この先一生逢うことのない赤の他人だからこそ打ち明けてしまいたい気持ちもまた、存在する」
「米屋」を偶然訪れた一見さんが、秋穂と常連さんとのやり取りから沸き起こる気持ち。
秋穂や常連さんに今の状況や苦しみを聞いてもらい、前に進む勇気をもらう。
悲しみや苦しみを受け止めて認めることもまた、前に進むきっかけになる。
最終的に道を決めるのは自分なのだが、時には人の言葉や行動が後押しになることもある。
それは案外、身近な人ではないことが多いのかもしれない。
人は2度死ぬという。
一度目は自分の肉体が滅びた時。
2度目は自分の存在を覚えている人がこの世からいなくなった時。
秋穂と常連さん達の存在は、現代の若者たちにも存在感を残している。
しばらくは「米屋」の存在と共に忘れられることはなさそうだ。
