ども、です。


いまいち調子が戻ってませんが、なんとか過去を書こうと思います。


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その喫茶店に私はすぐに飛び込み面接に行きました。

あわよくば、住み込みだといいなぁ、なんて思いながら(私の親類がレストランをしていて、昔は住み込みの従業員を雇っていたのが頭にあったんです。とはいうものの、私が生まれる前の話なのに、私は今でも(その当時でも、ですね)そういう店があるかもしれない!と思ってたのです)。


そして、出来ればヤツと私、二人を雇って欲しかったのですが、マスターは「ごめんね、一人だけなら・・・しかも明日からすぐきてくれるっていうから雇えるけど、二人は・・・」と言い、私はとにかくそれでもいいからお願いします!と頭を下げました。


マスターは「で、どこに住んでるの?」と当たり前のことを聞いてきたのですが、私が事情を話そうとした時にヤツの方から口火を切ったのです。


「ボクたち、親の反対にあって駆け落ちしてるんです。少し前に住み込みで働いていたんですけれど、色々あってそこを止めて、今は安ホテルを転々としているんです・・・。なんとか住むところを見つけたいんですが、保証人もいないしお金も正直いってないから、最初に払う敷金、礼金も出せないんです。ボクはボクで仕事を探してきて、金が溜まったらアパートを借りようかと思っているんですが、その時・・・あの・・・本当によければ、なんですが・・・保証人になってくれませんか?・・・あぁ、図々しいですよね、今のは聞かなかったことにしてください!すみません!」


・・・凄い演技でした。

人に弱みを見せたくないヤツでしたが、自分のしたいことのためならどんな言葉でもつるつる出てくるのです。

表情も哀しげで、当時の私はヤツの言葉に真実がある、と想い込み隣で涙を浮かべていたんです。


マスターは、うーん、と思案顔をしていて、私たちにコーヒーを出しながら「そうなんだ・・・うーん、辛かったんだね。・・・ん。ちょっと待っててくれる?ママ呼んでくるから」とすぐ裏の自宅から奥さんを連れてきて、夫婦して私たちに何とか出来ないかを目の前で相談し始めたのです。


「で、あーちゃんはホントに明日から来るんだよね?朝早いけど、平気?」


!!

やっぱりムリかなぁ、と思っていたのに、マスター夫婦は私だけでも雇ってくれることを決めてくれたようで、私に意志の確認をしてきました。

朝が早いとか、遅いとかそんな贅沢を言ってられる場合じゃありませんでしたから、勢いこんで「はい!」と私は答えました。


そして、マスター夫妻の次の言葉に私は涙が出るほど感激してしまいました。


「で、彼は仕事を探すんだよね?これから・・・。とすると、住所がないのは困るから・・・うちの常連さんに不動産屋さんがいるから、いい物件がないかどうか今から聞いてみるよ。保証人はボクがなる。・・・でいいよね?ママ?」と奥さんを見ると奥さんは「若いうちの苦労は買ってでもしろ、っていうけど、最低限足元だけでも落ち着かせないと、その苦労も無になっちゃうからね。好き合ってる二人だもん、こうして必死ならいつかちゃんとお互いのご両親が許してくださるわよ」と言ってくださったのです。


(ちなみにヤツには両親がいません。天涯孤独、というコトなんです。ヤツを心底見捨てられなかった原因に、そのことが大きな理由になってました。が、マスター夫妻にはヤツはまるで自分の両親も反対しているかのように話していたのです)


・・・地獄に仏だ、と私は思いました。

いいんですか?と聞くヤツに「大丈夫、とりあえず敷金、礼金分のお金を分割であーちゃんの方の給料から引いていくから、数ヶ月はちょっと生活厳しいけど、ご飯ならここでまかないを食べればいいんだし」と言って、常連さんのところに連絡を入れてくれたのです。


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世の中には本当に親切な方がいます。

今もマスター夫妻には感謝で一杯です。


私は「私」のことを信じられなくなったけれど、(「他人」が怖い、と想うことは多々ありますが)「他人」を100%信じられなくなったことはありません。

この想いはこのマスター夫妻との出逢いがあったからこそ、です。


まとまってなくてすみません。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

それでは今日はこれで・・・<(_ _)>