ども。
いつものように、イタい記事のうえ、不快感を与えると思います。こんなもん読ませんな!という方はどうぞスルーして下さい<(_ _)>
///////
雇い主は、私の精神状態が悪いことを知っていたようだった。
当時私は20代前半だったと思う。
自分が子どもだという意識はあった。
客観視をすることも、違う目線で見て考えることも出来ない、というか「産むか堕胎か」でしか考えられなかった。
そんな幼い観点だけを持っていた私はとにかく大人の意見を欲していた。
ヤツの言う雇い主への相談は「堕胎すること=仕事を休む」というシフトのことだと言い張り、私は今の自分たちにどんな道があるのかを相談したい、と反論した。
当然、自分の言う通りにしない私に鉄拳制裁を加える。
けれど、いくら殴られてもその点を譲ることは出来なかった。
最後には「お前の好きにしたらええ。オレは知らん」と、考えることを放棄した(殴ることを放棄してくれたのは嬉しかった)。
ある日、意を決して仕事が終わったあと、雇い主に口火を切った。
「相談したいことがあるんですけれど、時間を取ってもらえませんか?」と。
雇い主は「うん、いいよ」といいつつ、私が従業員から疎んじられていることを知っていたこともあり、私を気遣って「とにかく、従業員にはあまり何も言わないこと。で、時間を作るから、もうちょっと待ってて」と言ってくれた。
疎んじられていたことなど、雇い主から見れば一目瞭然だっただろう。
かといって、私は仕事をサボっていたわけではなく、なんていったらいいのか・・・、自分が嫌われているにも関わらず、それでも良いコちゃんぶってる、という私の行動が周囲のカンに触って不快な気持ちにさせていたのだと思う。また、雇い主に気に入られている、ということも気に障っていたようだった。
雇い主は私も従業員も仕事を真面目にしている以上、何も言えなかったのだと思う。
人間関係の好き、嫌い、という感情で職場の雰囲気が悪くなっていることを判りながら、雇い主は何故何の策も講じなかったのか。
大企業なら兎も角小さな職場だ。
職場の雰囲気を良くするには手っ取り早く私独りをはじく方が理に叶っていたはず。
けれど、そういう手段は使わないでくれた。
積極的に私を庇うことはしてくれなかったけれど、他の従業員と私を公平に扱ってくれた私を雇い続けていく、とだけ決めてくれていたようだった。
雇い主には今でも感謝しきれない。
とはいえ、ヤツによって作られた「私像」のおかげで周囲に疎んじられた私は、理不尽さも少しは感じていた。
しかし、ヤツの教育=洗脳のおかげで私自身嫌われても仕方ない、という気持ちに既になっていたから、そんな風に感じちゃだめだ、と自分を戒めていた・・・。
雇い主に相談する約束を取り付けた、と言った時、前述したような、「堕胎のために休日を貰う」相談を私にさせるつもりが、産むか産まないかの相談をする、という私の強い意志を完全に理解したヤツは、一転して自分を保護する行動に移った。
曰く、自分も辛いみたいなことを私の知らないところで周囲や雇い主に盛大に泣き言を言っていたのだ。
周囲の人たちは慰めてくれたようだが、雇い主は「産む、産まないは妊娠している彼女の意見を聞くのが筋だから」と言われ、今度はすねていた。
雇い主は私が相談しやすいように予防線を張ってくれたのだ。
そして、数日後、雇い主に呼ばれた。
「そう、妊娠か・・・。で、相談したい、ってことは産むか産まないか、ということ?」
「・・・はい」
「彼はどう思ってるの?」
「言うことが二転三転して、もう訳が判らなくなってます。私は守りたい・・・。このコを守りたい。でも彼にとっても自分の子どものことなのに今はムリだと言っていて・・・もうどうすればいいのか、私自身も混乱して・・・子どもは私の中で成長していってるのに・・・。もっとしっかりしなきゃ、と思ってはいるんです。・・・すみません。相談に乗って下さいってお願いしたのにうまく話せていなくて・・・」
この段階で、暴力を受けているのは誰が見ても判るのに、私はそこをはしょった。
その部分は必要だった、と今では思う。
けれど当時は何故か恥ずかしい、と思っていた。
これが所謂思考停止の洗脳なのだろう。
私の気持ちはもうギリギリまで切羽詰まっていた。
「・・・混乱するのは判る。でもな、言葉は悪いけれど、産んでも産まなくても、アイツは変わらないだろう。僕はそう思う。こんなことを言うなんて、鬼だ、とキミは思うかもしれないけれど・・・キミの産みたい気持ちも判るけれど、今回は諦めた方がいい、と僕は思う。キミには悪いけれど、彼は自分の不安だけを解消したいように見えるしね」
雇い主の言葉の一つ一つが心に刺さった。
でも、自分でも判っていたことだった。
そんな男にしがみついている私は、一体どうしたいのだろう。
私の一回り以上年上の雇い主から、客観的に言われた事実。私たち二人の不安定な関係。・・・今はそのことで相談に乗ってもらっているわけではない、と浮き上がってきたヤツに対する気持ちを心の底に押し込めた。
いつの間にか泣いていた。
涙が止まらなかった。
私の手は、自然とお腹に触れていた。そう、今は子どものことだけを考えなければ、と気持ちをなんとか切り替えた。
「泣くのはいいと思う。でもな、今キミたち二人は足元がおぼつかないとしか見えない。それにキミ自身も冷静に判断できてない。彼は・・・個人的な感想で申し訳ないが、責任というモノを嫌うタイプに見える。どう見ても今、キミが子どもを産んでもうまくいかないとしか思えない。勿論決めるのはキミだよ?僕がいえるのはそれだけ。まだ、時間は少しある。もう少し考えてみて、どっちに決心がついたらまた来なさい。出産するにしても堕胎するにしても、費用に保険は効かないし、それは僕が用意するから、お金の心配はしなくていいからね」
前回の記事で話を聞いてくれた奥さんが「そっか、相談したんだ。じゃ、決心がついたなら私の知ってる産婦人科に一緒に行ってあげる」といってくれた。
この奥さんの夢は保育士だったことをその時初めて聞いた。
「私、子どもが好きでさ、将来は保育園に勤めるつもりなんや~♪」
その言葉にそうなんだ、健全だなぁ、いいなぁ、将来をちゃんと考えてるんだと私は思った。
が、次の台詞で愕然とした。
「でもさ、今は産めないんだよね。お金の関係もあるし。あ、病院の方は保障するよ。私かれこれ3回以上堕胎してるけど、あっという間のことやったし、先生も余計なこと言わないでちゃっちゃと処置してくれるからさ」
ヤツとの話以外で、印象に残っているのが、この奥さんの言葉。
え?と思った。
それこそ、その奥さんは避妊をしっかりするべきだろう、と一瞬思った。
折角打ち解けてくれた唯一の女性だ。
ムリヤリ、そういう生き方もある、と思い込んだ。
その存在を無くしたくなかった。
話が少しずれた。
自室に戻り「雇い主と話したけど、もう少し考えてもいいかな?」と報告した時、ヤツは「辛いことを迫ってるのは判ってる。オレとお前の子どもや。オレ、ホンマは産んで欲しいと思ってんのやで」と今度は泣き落としで私を抱きしめ、罪悪感を煽ってきた。
妊婦を蹴るヤツが、今更何を・・・と思いながらも、やっぱり「自分の中に子どもがいることを実感出来ない男性は想像出来ないもんな・・・それはそれで辛い思いをさせてしまってるんだ」と私は考えてしまっていた。
どれだけ堕ちていくんだろう。
私の判断力はどんどん低下していくばかり。
そして、決心した。
最低の決心を。
数日後、雇い主の所に行き「考えた結果、堕胎することにしました・・・。先日仰ってくれましたが、給料から費用を出して下さい」
私は、自分の中に宿った生命を葬りさる結論に達した。
なんて、自己中な人間なんだ。
人殺しという決意をしたこと、事実を一生忘れてはいけない。
後悔することは判っていた。
けれど、それ以外の選択肢を見つけることはとうとう出来なかった。
そう思いながら、雇い主に自分が出した結論を言い切った。
/////////
重すぎる記事というか、イタすぎる記事ですよね。
不快に思われた方、本当に申し訳ありません。
前回、コメントを下さった方にも言われましたが、書くことで自分を癒していきたい、と思っています。
なんだかこの「生命」シリーズは、傷に塩を塗ってる気もしますが、これも過去の愚かな自分と向き合う、という意味で、癒しかな。とも考えてます。
推敲していくうちに、長文になってしまいました。
イタい話の上、こんな長文を読んで下さってありがとうございました。
それでは本日はこれで・・・<(_ _)>