かつては家族団欒の場だったリビング

子供らが独立した今は、夫婦が唯一

会話(情報交換)する場になった


と言っても私から話すことなど何もない

夫が今抱えている仕事の話を

一方的に聞き流すだけの時間



🧓🏻最近さ機密情報を扱うことが多くて

こんなアプリ使ってるんだよね


教えてくれたのは『signal』


🧓🏻LINEと同じなんだけど

一定時間で会話が消えちゃうんだよ

情報漏洩対策にって

若い奴らに教えてもらったんだよ


と得意げに話す

私の❓えーセンサーが働いた


コレのこと?とアプリを検索する

サンプル画像には何やら❤️が多いし

「プライバシー最優先です」の文字


お母さんあ〜、浮気対策にも使えそうだね

(もちろん夫に嫌味のつもりで)


と思わず心の声が漏れた


🧓🏻何?自分浮気に使おうと思ってるの?



は?って何?って?

貴方にだけは言われたくない⁉️

一緒にしないでくれますか‼️


お母さんイヤイヤ💦アプリの紹介画像が

そんな感じだったから

🧓🏻…💢


何故夫に💢とされなきゃならない?

若い奴らってパパ活女子ですか?



パパ活だか浮気?不倫?デリヘル?

何でもいいがムキーそれらを

ライフワークにしてる夫だけには

言われたくないわ💢



大事なのでもう一度

他の人に言われるならショボーンってなるが

一休の宿泊とレストランのアプリを

使いこなしている夫だけには

言われたくないわ💢💢



強調したいからもう一度

自分が車を使った後

ドラレコを削除する夫だけには

言われたくないわ💢💢💢


そう思ってたら

シュウちゃんからLINEが


お父さんあーちゃん💦トーク履歴間違えて

削除しちゃったガーン

途中まで復元出来たんだけど

続きを再送してくれない?


お母さんえ?他愛もない会話なのに?


お父さんいーの、あーちゃんとの軌跡

大事にしたいから❤️

見返してニヤけたいから😏


何なんだ?この温度差⁉️


履歴を「消す」のに必死な夫

履歴を「残す」のに必死な彼


30年前の想い出の品を今でも捨てずに

持っている人の言葉は重みが違う



リビングの冷気が

一瞬で穏やかな春の風に

吹き飛ばされた夜だった







GW真っ只中

子育てを卒業すると

どこに行く当てもない笑い泣き

 

娘らは貴重な休みを父親と

過ごすなんて何の罰ゲーム?

と言って帰省しないし💧

 

 

私も家にいてもやる事ないし

丹沢にソロ登山にでも行くかと出掛ける

 

新緑が目に鮮やかで

本当に心地よい季節🌲

程よい汗をかきながら

吾妻山から弘法山の尾根を歩く

 

大きなサルノコシカケ🍄‍🟫

野生のシカとご対面🦌

広大に広がる駿河湾の景色



2年前の私なら

『鹿と遭遇!景色も最高だよ!』

なんてに画像を送っていただろう



けれどこの感動を共有したいと

真っ先に思ったのは

シュウちゃんだった


この画像送ったら

どんなコメント返してくれるかなぁ

と想像するだけでフフフ飛び出すハート

自然と笑みが溢れる

何だかとても楽しくて

心が穏やかになっていくのを感じる




別の日のこと

勤め先から年度末の寸志として

「選べるレジャーチケット」を頂いた


この時もやっぱり真っ先に浮かんだのは

シュウちゃん


やっぱりTDLだよね?

あの頃はディズニーシーは無かったから

行くならシーしかないハート

そんな風に考えたらフフフ飛び出すハートとなった



その時、ふと気づいた

あ、もう夫のことが浮かばないんだ



私はサレ妻の呪縛から

解放されたんだびっくりマーク



「お互い束縛する生き方はやめよう」


好き勝手(ヤリたい放題)する夫に学び

趣味に推し活に恋愛に私自身の

自分の幸せを見い出せるようになった

証拠である



夫の不貞のことが無かったら

こんなワクワクを特定の誰かと

共有したいとも思わなかったと思うと

不思議と夫に感謝の気持ちも湧いてくる


長年浮気し続けてくれて

ありがとうと伝えたくなった






 

 

3週間ぶりのデート❤️
といっても、今回は食事だけ

仕事でこちらに来るという彼と
夕方に待ち合わせた


彼はビシッと決めたスーツ姿
私は16km歩いた登山の帰りで
リュック背負ったガチのカジュアル姿

この「不釣り合い」な格好に
顔を合わせた瞬間
二人で笑となった


お母さん最近は毎月会ってるね
シュウちゃん、家の方は大丈夫?
お父さん……なんとか
あーちゃんと会うようになって
県外への外出が増えたから
最近のセリフは
『今日、夕飯いらない』一択だよ
ウチのも、それ以上は聞いてこないし



シュウちゃんは奥様のことをウチと呼ぶ
なんだかそれが少しだけ胸に引っかかる

彼のテリトリーにいるウチ(内)の人と
その外側にいるソト(私)という境界線
当たり前のことだけど
ふとした瞬間にそれを突きつけられる



対して、私は夫のことをパパと呼ぶ
私の中ではもはや
「信頼できる夫」ではなく
「私を養ってくれる父親代わり」のような
どこか冷めた、事務的な感覚に近い



そんな空気を変えるように
私は話題を切り出した


お母さんあ、そうそう
今度のback numberのライブ
私の友達も行くみたいなんだよね💧
お父さんえっ、そうなの? 
もしかして〇〇ちゃん? 
それとも△△ちゃん?
お母さん……正解。っていうか
シュウちゃん、よく覚えてるね!?
お父さんあーちゃんに関係することなら
全部忘れないの
お母さんさすが、自称ストーカーニヤリ
お父さんそれ言わないでよ😅
30年前の友人の名前を
昨日のことのように
覚えているシュウちゃん
一方で
自分がした不貞の事実を
忘れているかの如く
同じ過ちを繰り返す夫


記憶力とは
単なる脳のスペックではなく
「どれだけ相手を大切に想っているか」
という
愛の深さの測定器なのかもしれない



スタバのカウンター席
コーヒーを飲みながら、会話が弾む
体はお互いの方を向き
膝がぶつかり合うほどの距離


30年前の私たちなら
自然に「この後、ホテル行く?」
となっていただろう


けれど今は指を絡め合い
「次はいつ会える?」という言葉が
ラブメッセージになっている
「またね」と手を振って別れる
その背中を見送りながら
彼からもらった「ぬくもり」を
反芻するのだ