あくあくさんのブログの中で「ハリウッド映画的な」というたとえが出ると、たいがい9:1の割合で「ピー(差し控えます)」で「ピーピー(やめときます)」で「ピーーーーーー(あえて言いません)」だからつまりガッカリ、という意味であることが多いです。

が、1割の「良いハリウッド映画」については、それはもう大好きなものもあります。

だってお金たっぷりかけないと撮れない超大作とか、SFXたっぷりの映像作品とか、エンターテイメントに懸けてる最高の娯楽作品とか(ピクサーは素晴らしい)、ハリウッドの醍醐味ですもの!

嫌いなのは、安易な泣かせとか(邦画のほうが凄いのかしらん?)、中途半端なリメイクもの、計算づくの続編もの、カップリング前提のキャラ設定、死にキャラ(捨てキャラ)がわかりやすすぎるもの、それから観る気がなくなる配給会社のコピー(笑)。これは日本側の問題でしょうけど。

とりあえず

「すべての女性を笑顔にする!」
「恋に仕事に頑張るあなたに!」

は一瞬で萎えるのでヤメてください。マジで。

で「ハリウッド的」が褒め言葉の詐欺モノ小説。
ここはアーチャー先生の出番でございます。

百万ドルをとり返せ!
ジェフリー・アーチャー【新潮社】



カモ:オックスフォード大学教授、モテモテの婦人科医、ひねくれたフランス人美術商、英国道楽貴族。彼らにはひとつの共通点がある。この素人投資家達は、一夜にして大金を、あるひとりの男に捧げるハメになったのだ!

詐欺師:ハーヴェイ・メトカーフ。抜群に頭の切れる、悪事の天才にして危険人物。そして現在、例の「カモ」たちが付けねらう人物。

これは復讐だ。

これ以上失うものもない4人。他人同士だった彼らは、団結し、それぞれの専門分野を活かして復讐計画をたてる。計画はこんなようなものだ:ハーヴェイを見つけ、つけまわし、罠にはめてーーーそして、奪われた100万ドルを取り返す。一銭も不足することなく、一銭も多くなく、だ。

モンテカルロのカジノからアスコットの競馬場、ロンドンの画廊にはたまた結婚式場までを舞台とし、4人の「詐欺師を詐欺にかける」計画が始まる!

紹介文をいろいろ補足しつつ訳。

ジェフリー・アーチャーはエンタテイメントの王様です。嫌みのない娯楽小説だと思います。悪役は悪役として魅力的で、人間らしくて、憎めない。だから、そいつに振り回される主人公達の活躍が、より楽しく引き立つんですよね。

先日読んだ「チェルシー・テラスの道」よりも、こっちのほうがテンポもいいし、キャラクターの個性も引き立っているし、好きですね。

まあ、たいがいうまくまとまるというオチは一緒なんですけど、そういった意味でも安心して読めます。

疲れないで読書をしたい時には、ほんと最高の作家さん。

ビミョーな映画一本観るより、こっちのほうがよっぽどハラハラ、ドキドキ、でも最後はやっぱりスッキリ。いい気分転換になります。てゆーか映画になってましたよね、本作。本読んじゃったら今更観ないですけど。。。

オーシャンズ11(第一作は良かった!)好きの方、きっと気に入るので、お暇な時にぜひどうぞ!

■BOOK LIST

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J・アーチャー
新潮社
売り上げランキング: 3837
おすすめ度の平均: 5.0
5 愉快な目には目を
5 投機家必読
5 コン・ゲーム
5 最後のオチが一番好き。
4 スリリングなストーリ展開と最高のエンディング