先日、56歳で他界された作家にして評論家、栗本薫さん。

「グイン・サーガ終わりませんでしたねぇ…」と
SFファン同士苦笑いを浮かべつつ、冥福をお祈りしたものです。

昨日ブックオフ立ち寄った折、まあこの機会なのでと
手に取ってみた栗本薫さん作品がこちら。

吸血鬼ーお役者捕物帖

江戸浅草の芝居小屋、初音座の舞台に立つ若き人気女形・嵐夢之丞は、恐しいまでの美しさと見事な推理力で“捕物太夫”と噂されていた。玲瓏、清艶—玉の如き完璧の美貌に微かな悪の翳。謎めいた素性と素顔を持つ夢之丞の行く所、何故か次々と凄惨な殺しがおこり、不吉で血腥い謎が渦を巻く!ニュー・タイプの捕物帖ヒーロー嵐夢之丞の活躍を描く連作時代小説。シリーズ第1弾。


なんつーか、趣味全開(笑)

歌舞伎、女形、江戸中期、推理劇、陰のあるヒーロー…と、きっとお好きなんだろうなぁという要素をこれでもかと詰め込んでますね!

舞台含めてSF系の作品しか知らなかったので、すごく新鮮でした。

筋としては、世にも美しい今女形が、江戸の殺人劇で探偵役(安楽椅子ではなく、ホームズ的なアクティブさです)を務める短編集といったところ。

一応、登場から一旦退場…というところまで繋がって一冊になっているので、連作長編ですね。

なんというか、時代劇ドラマそのままの雰囲気で、映像がイメージで浮かびます。むしろドラマにしたらオモシロそう。

ただ、吸血鬼という表題はいかがなものかと…あんまり全体とは関係なく、連作中の一作のタイトルでしかないです。あと妖怪変化の類いも、出ません^^(←見事に騙された吸血鬼モノ好き)

栗本さんが脚本?を書いたという京鹿子娘道成寺(伝奇的アレンジ版)のほうが観てみたかったな^^

■BOOK LIST

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栗本 薫
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.0
4 時代物+推理物=SF?