悪役「西の悪い魔女」の人生を描く
オズの魔法使いのアナザーストーリー。
太宰の「人間失格」にどこか近しいものがある
非常にヘヴィでドロドロ、でも同時にピュアな悲劇です。
大幅に脚本をアレンジして上演された
ミュージカルのほうが有名かもしれません。
Wicked
グレゴリー・マグワイア(著)ソフトバンク

名作『オズの魔法使い』で、主人公ドロシーは『西の悪い魔女』を打ち負かす。
しかしこれは、ドロシーの視点から語られた話であった。魔女からはどう見えたのだろうか。魔女はどのように育ち、なぜ悪い魔女になったのか。
オズの国では、言葉を話す“動物”たちが自らを守るために戦い、権力者はその権力を濫用し、民衆は快楽信仰の虜となっていた。愛、信仰、善とは、そして悪とは何か?緑の魔女エルファバが、人間の本質について問いかける、
壮大で謎めいた空前絶後のファンタジーロマン。大ヒット上演中の劇団四季ミュージカル『ウィキッド』原作。(紹介文より)
私、もう、こういうの大好きです。
物語上で「悪役」設定のキャラクターに対し
・彼/彼女が悪役になるにいたった社会背景
・生い立ちや「善」側との関係、葛藤
なんぞを、ちゃんと人間のドラマとして書いてる話が。
勝者のドラマを裏側から見る、みたいのがね。
たまりません。
明智光秀モノとか石田三成モノとか、典型ですよね。
(でも、新撰組みたいに判官贔屓のヒーロー話になると
それはそれでちょっと違うのです。それも好きだけどさ)
がが、この話…
レビューの☆がえっらい低いんですよね。
なんでだ、と思ってレビューを読んでみたら合点。
おーいー
ミュージカルのノベライズじゃ、ありませんよーーー!!
そうなんです。
「ミュージカルの感動がなかった…」との意見の多い事。
私はミュージカル版を観ていないんですが、
善き魔女グリンダと主人公エルファバの友情は美しく
結末もわりかし救いがあるものがそうですね。
それを期待して読むと、鬱になります。たぶん^^;
「感動が汚された!」とか思う人もいるかも。
(や、こっちが原作なんですけどね…)
この話はもっと、コンプレックスとか、差別とか、
家族の確執とか、政治問題とか、果てはテロ活動まで…
ずっとずっと、ドロドロしていて、
エルファバや周囲の人が持つ醜さや悪の面に
容赦なく切り込んでいる、正直重たいお話です。
でも、それだけ、各キャラのリアリティや人間らしさが
とてもよく出ているんじゃないかと。
原作の原作(へんな言い方…)オズの世界を
あちこち解釈して膨らませる伝奇的手法も面白い。
ひとひねりある敗者のドラマがお好きな方、
無邪気な子供の世界に「裏側」を想像しちゃう
ひねくれた方(笑)は、ぜひお試しください。
そしてミュージカル至上主義の方は、
絶対に手を出さないで下さい
■Book List
著者による、「悪」「人間」についての考察小説。
言いたかったことはこの本にある
読みにくい文章、退屈なストーリー
ミュージカルに期待
ミュージカルを見るより前に読んで欲しい
原文で読んだのですが、最後までノンストップでした。かじりつく様に。訳文はそこまで評価が高くない…ようですので、ひょっとしたら原文ママのほうが読みやすいのかも?決してテンポの良いストーリーでは(もともと)ありませんが。
オズの魔法使いのアナザーストーリー。
太宰の「人間失格」にどこか近しいものがある
非常にヘヴィでドロドロ、でも同時にピュアな悲劇です。
大幅に脚本をアレンジして上演された
ミュージカルのほうが有名かもしれません。
Wicked
グレゴリー・マグワイア(著)ソフトバンク

名作『オズの魔法使い』で、主人公ドロシーは『西の悪い魔女』を打ち負かす。
しかしこれは、ドロシーの視点から語られた話であった。魔女からはどう見えたのだろうか。魔女はどのように育ち、なぜ悪い魔女になったのか。
オズの国では、言葉を話す“動物”たちが自らを守るために戦い、権力者はその権力を濫用し、民衆は快楽信仰の虜となっていた。愛、信仰、善とは、そして悪とは何か?緑の魔女エルファバが、人間の本質について問いかける、
壮大で謎めいた空前絶後のファンタジーロマン。大ヒット上演中の劇団四季ミュージカル『ウィキッド』原作。(紹介文より)
私、もう、こういうの大好きです。
物語上で「悪役」設定のキャラクターに対し
・彼/彼女が悪役になるにいたった社会背景
・生い立ちや「善」側との関係、葛藤
なんぞを、ちゃんと人間のドラマとして書いてる話が。
勝者のドラマを裏側から見る、みたいのがね。
たまりません。
明智光秀モノとか石田三成モノとか、典型ですよね。
(でも、新撰組みたいに判官贔屓のヒーロー話になると
それはそれでちょっと違うのです。それも好きだけどさ)
がが、この話…
レビューの☆がえっらい低いんですよね。
なんでだ、と思ってレビューを読んでみたら合点。
おーいー
ミュージカルのノベライズじゃ、ありませんよーーー!!
そうなんです。
「ミュージカルの感動がなかった…」との意見の多い事。
私はミュージカル版を観ていないんですが、
善き魔女グリンダと主人公エルファバの友情は美しく
結末もわりかし救いがあるものがそうですね。
それを期待して読むと、鬱になります。たぶん^^;
「感動が汚された!」とか思う人もいるかも。
(や、こっちが原作なんですけどね…)
この話はもっと、コンプレックスとか、差別とか、
家族の確執とか、政治問題とか、果てはテロ活動まで…
ずっとずっと、ドロドロしていて、
エルファバや周囲の人が持つ醜さや悪の面に
容赦なく切り込んでいる、正直重たいお話です。
でも、それだけ、各キャラのリアリティや人間らしさが
とてもよく出ているんじゃないかと。
原作の原作(へんな言い方…)オズの世界を
あちこち解釈して膨らませる伝奇的手法も面白い。
ひとひねりある敗者のドラマがお好きな方、
無邪気な子供の世界に「裏側」を想像しちゃう
ひねくれた方(笑)は、ぜひお試しください。
そしてミュージカル至上主義の方は、
絶対に手を出さないで下さい

■Book List
ウィキッド(上) 誰も知らない、もう一つのオズの物語
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ソフトバンククリエイティブ
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原文で読んだのですが、最後までノンストップでした。かじりつく様に。訳文はそこまで評価が高くない…ようですので、ひょっとしたら原文ママのほうが読みやすいのかも?決してテンポの良いストーリーでは(もともと)ありませんが。