本日から入院のため、実家に帰っております。
入院中に読書でも…と目論んでいたのですが、「あんた読みすぎ!目が悪くなるからいいかげんにしなさい!それより体動かしなさい!!」とご機嫌斜めの母親から非常にまっとうなお小言をいただき(小さい頃は好きなだけ読ませてくれたのに…)あまり持ち込んだのがバレると面倒くさいことになりそうです。
おまけに、入院用に買っておいた本を、我慢できずバスの中で読んでしまいました。。。
伊坂幸太郎は我慢しようと思います。がんばれ自分。
本日のさっそく読了本。
恋文の技術
森見 登美彦(著)ポプラ社

腐れ大学生の京都における生態を描いたら右に出るものはいない、森見氏の最新作。
主人公は守田一郎。京都大学にてくらげの研究をしている大学院生である。研究のために能登の研究所に飛ばされ、孤独を癒すために研究室のメンバーや家族、元教え子、大学の先輩にして作家の森見氏(!)など、とにかく手当たり次第に手紙を書き綴る日々。
同級生の恋愛相談をはじめ、ひたすらに阿呆な文を書き続ける守田であるが、彼が片思いする「伊吹さん」にあてる恋文だけは、どうにも上手く書き上げることができないのである…。
徹頭徹尾、書簡スタイルで書かれた実験的作品、ぽい。
多少スロースターターぎみの本作ですが、最後のまとめ方はスマートで、特にやっと書きあがった長い長い手紙は、しんみり&ほんわかする素敵な恋文。
「京大生小説」のジャンルを打ちたて、打ち立てたはいいがイメージも固定してきてしまった森見氏。このところは狸を主人公にしたり、竹とりがテーマの半エッセイのような本を出してみたりと、さまざまな手法を模索しているような印象がありますが、今回の書簡体もその試行錯誤のひとつでしょうか。
好き、嫌いは分かれると思います。個人的には、京大以外のジャンルで普通に書いてる「有頂天家族」のほうが好き、かなぁ…。
森見氏が小説の登場人物としても出てきて、手紙の中で「同じようなもんばっかり書き続けてて、いいかげん自家中毒起こすぞ」という旨の自分ツッコミをかましているので、そのへんは自覚して書かれているようですが。そのあたりの自分ツッコミも含め、今までの固定ファンを意識して書いた作品だなーという印象です。
読後感は良いし、決して嫌いじゃないんですけど。「夜は短し~」や「四畳半神話体系」「走れメロス」みたいな強烈なインパクトはなかった、かなぁ。
手紙という条件のせいか、登場人物の関係性が閉じすぎてしまっていたこと、既存の作品に触れすぎてしまっていたこと…もインパクト不足の原因かも。もうコンセプトの時点であわなかったんだな、と思うしかないですね。
や、嫌いじゃないんですけど…。
■それでも期待し続けております
土地をテーマにしてるような万城目学氏(鴨川ホルモー→京都、鹿男あをによし→奈良)と違い、京都にはこだわりつづける森見氏。京都に行ったときに思わずゆかりの地巡りをしてしまったのはさておき、京都にこだわるというのは良いと思います。魅力的に書いてることは、間違いない。
今後はぜひ、
(1)もっと京都らしいイベントを掘り下げた作品、読みたい。
場所やイベントを観光名所的に取り上げるんじゃなくて、謎や裏話をふんだんに取り込んだ話が読んでみたいなー。これなら、京大生が主人公でもマンネリしなそう。
(2)京都という場所にこだわるなら、時間軸を変えてみては?
幕末とか、平安とか、魅力的な舞台はたくさんあるわけですよね^^ 時代錯誤でもなんでもいいから、あの文体のままで、強烈に頭の固ーいサムライを主人公にした明治維新の小説なんて、読んでみたいと思いませんか??
でも、とりあえず今の楽しみは、現在連載中の「有頂天家族」続刊ですかね♪ 狸と天狗が主人公のこのシリーズは、かなり当たりだと思っております。
森見氏、頑張れ!!
■ファンレター
そんなもの基本的に書いたことはないですが、こんなん読みたいなーというリクエストつき応援メッセージを、思わず書いて送りつけたくなります。これは、きっと「恋文の技術」を読んだからでしょう(笑)。なんだかんだ言って、けっこう影響受けてるみたいですね。
でも、おんなじように影響された読者さんからのファンレターが一気に増えるんだろうなぁ…。

おすすめ本ブログ
■BOOK LIST
大好き
男気溢れる狸の、不思議で爽快な物語
合いませんでした
「面白きことは良きことなり!」ですが…
『有頂天家族』寸評

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おまけに、入院用に買っておいた本を、我慢できずバスの中で読んでしまいました。。。
伊坂幸太郎は我慢しようと思います。がんばれ自分。
本日のさっそく読了本。
恋文の技術
森見 登美彦(著)ポプラ社

腐れ大学生の京都における生態を描いたら右に出るものはいない、森見氏の最新作。
主人公は守田一郎。京都大学にてくらげの研究をしている大学院生である。研究のために能登の研究所に飛ばされ、孤独を癒すために研究室のメンバーや家族、元教え子、大学の先輩にして作家の森見氏(!)など、とにかく手当たり次第に手紙を書き綴る日々。
同級生の恋愛相談をはじめ、ひたすらに阿呆な文を書き続ける守田であるが、彼が片思いする「伊吹さん」にあてる恋文だけは、どうにも上手く書き上げることができないのである…。
徹頭徹尾、書簡スタイルで書かれた実験的作品、ぽい。
多少スロースターターぎみの本作ですが、最後のまとめ方はスマートで、特にやっと書きあがった長い長い手紙は、しんみり&ほんわかする素敵な恋文。
「京大生小説」のジャンルを打ちたて、打ち立てたはいいがイメージも固定してきてしまった森見氏。このところは狸を主人公にしたり、竹とりがテーマの半エッセイのような本を出してみたりと、さまざまな手法を模索しているような印象がありますが、今回の書簡体もその試行錯誤のひとつでしょうか。
好き、嫌いは分かれると思います。個人的には、京大以外のジャンルで普通に書いてる「有頂天家族」のほうが好き、かなぁ…。
森見氏が小説の登場人物としても出てきて、手紙の中で「同じようなもんばっかり書き続けてて、いいかげん自家中毒起こすぞ」という旨の自分ツッコミをかましているので、そのへんは自覚して書かれているようですが。そのあたりの自分ツッコミも含め、今までの固定ファンを意識して書いた作品だなーという印象です。
読後感は良いし、決して嫌いじゃないんですけど。「夜は短し~」や「四畳半神話体系」「走れメロス」みたいな強烈なインパクトはなかった、かなぁ。
手紙という条件のせいか、登場人物の関係性が閉じすぎてしまっていたこと、既存の作品に触れすぎてしまっていたこと…もインパクト不足の原因かも。もうコンセプトの時点であわなかったんだな、と思うしかないですね。
や、嫌いじゃないんですけど…。
■それでも期待し続けております
土地をテーマにしてるような万城目学氏(鴨川ホルモー→京都、鹿男あをによし→奈良)と違い、京都にはこだわりつづける森見氏。京都に行ったときに思わずゆかりの地巡りをしてしまったのはさておき、京都にこだわるというのは良いと思います。魅力的に書いてることは、間違いない。
今後はぜひ、
(1)もっと京都らしいイベントを掘り下げた作品、読みたい。
場所やイベントを観光名所的に取り上げるんじゃなくて、謎や裏話をふんだんに取り込んだ話が読んでみたいなー。これなら、京大生が主人公でもマンネリしなそう。
(2)京都という場所にこだわるなら、時間軸を変えてみては?
幕末とか、平安とか、魅力的な舞台はたくさんあるわけですよね^^ 時代錯誤でもなんでもいいから、あの文体のままで、強烈に頭の固ーいサムライを主人公にした明治維新の小説なんて、読んでみたいと思いませんか??
でも、とりあえず今の楽しみは、現在連載中の「有頂天家族」続刊ですかね♪ 狸と天狗が主人公のこのシリーズは、かなり当たりだと思っております。
森見氏、頑張れ!!
■ファンレター
そんなもの基本的に書いたことはないですが、こんなん読みたいなーというリクエストつき応援メッセージを、思わず書いて送りつけたくなります。これは、きっと「恋文の技術」を読んだからでしょう(笑)。なんだかんだ言って、けっこう影響受けてるみたいですね。
でも、おんなじように影響された読者さんからのファンレターが一気に増えるんだろうなぁ…。

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