気になってアマゾンのショッピングカートに突っ込んだまま、タイミングを逸して放置されていた可哀想な一冊。それがなんと、初対面の方に文庫をいただいてしまいましたー!!
先日、知人に本好きの方をご紹介いただきまして。
で、その方がお酒の席で「ひょい」とくれたのです!!
その日の昼間に、高円寺の古本市に行ってきた戦利品とのこと。ブログをみていただいてたとのことで、本好きなのはご存知だったようなのですが、なんと傾向までビンゴ!な一冊です
本好きにはなんて粋な贈り物なのでせう。
うーん、真似しちゃおうかなぁ。
マイナス・ゼロ
広瀬 正(著)集英社文庫

浜田俊夫は、太平洋戦争末期の東京に住む少年だった。隣家の学者先生の娘「啓子さん」に仄かな恋心を抱いたり、空襲警報を聞いては壕に逃げ込んだり、特に周囲と何変わるでもない生活を送っていた。が、ある空襲の夜、隣の先生が焼夷弾を受けて死亡してしまう。その時以来、啓子さんも行方不明のままだ。
浜田俊夫は、電気関係の会社に勤める技術者となった。戦後、空襲の夜から18年後の話である。彼はある一つの約束を胸に、かつて自分が住んでいた小田急線梅が丘方面へと足を運んだ。あの夜、瀕死の先生は俊夫にひとつの願いを託したのだ。それは遺言であり、懇願でもあった。
<1963年5月26日午前零時、研究室に行く事。>
そして懐かしい研究室のドームの向こうには、あの日から姿を見せず、てっきり亡くなったと思っていた啓子さんの「18年前から変わらない」姿があった…。
昭和版バック・トゥ・ザ・フューチャー
一作目ですね、それも。
太平洋戦争末期~昭和中期までを舞台に、当時の世の中や風俗をノスタルジアたっぷりに再発見できるタイムトラベル小説。何よりも、あちこちに配置してある伏線やキャラクタの人間関係が、最後にむかって収束していくのは、まさに映画的快感です。
(ある意味で、読めちゃうオチでもありますが)
第一章/最終章サブタイトルの「プラス・ゼロ」「マイナス・ゼロ」が言い表しているように、最後にむけて、未来と過去に散らばった謎がプラスマイナス零になっていきます。文章も読みやすく、一昔前、ハッピーエンドの古き良きハリウッド映画を観ている楽しさ。
日本版ハインライン「夏への扉」と呼ばれることもあるそうですが、最後の伏線回収疾走感は通じるものがありますね
ただ、主人公のあまりの動じなさというか、そのシチュエーションになったらもうちょっと焦るだろとか何処からともなく発生する当時の金とか、ご都合主義すぎる部分もあるような ←でも、ハリウッド映画的に考えればそんなもんかしら?
あと、タイムマシンは結局誰が何処から持ってきたの?という、「バック・トゥ~」でいうドクの役割が、結局最後まで謎のままだったのは、さすがにだいぶ不満。ぷう。
それでも時間移動を背景設定に使っただけの人間ドラマ(某東野さんとか
)とは違い、ちゃんと時間移動のアイデアを中心にすえて、その周囲でドラマを展開するTT(タイムトラベル)もの正攻法の作品を読めて、すんごい幸せでした
★★★★はつけます。広瀬正、ほかの作品も読みたい~!
プレゼントしてくださったIさんに感謝を籠めて!!

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■BOOK LIST
昭和前期の銀座で遊びたい方はどうぞ
昭和SFの最高峰
再復刊が待たれる
日本の時間SFの最高傑作
素晴らしい小説

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先日、知人に本好きの方をご紹介いただきまして。
で、その方がお酒の席で「ひょい」とくれたのです!!
その日の昼間に、高円寺の古本市に行ってきた戦利品とのこと。ブログをみていただいてたとのことで、本好きなのはご存知だったようなのですが、なんと傾向までビンゴ!な一冊です

本好きにはなんて粋な贈り物なのでせう。
うーん、真似しちゃおうかなぁ。
マイナス・ゼロ
広瀬 正(著)集英社文庫

浜田俊夫は、太平洋戦争末期の東京に住む少年だった。隣家の学者先生の娘「啓子さん」に仄かな恋心を抱いたり、空襲警報を聞いては壕に逃げ込んだり、特に周囲と何変わるでもない生活を送っていた。が、ある空襲の夜、隣の先生が焼夷弾を受けて死亡してしまう。その時以来、啓子さんも行方不明のままだ。
浜田俊夫は、電気関係の会社に勤める技術者となった。戦後、空襲の夜から18年後の話である。彼はある一つの約束を胸に、かつて自分が住んでいた小田急線梅が丘方面へと足を運んだ。あの夜、瀕死の先生は俊夫にひとつの願いを託したのだ。それは遺言であり、懇願でもあった。
<1963年5月26日午前零時、研究室に行く事。>
そして懐かしい研究室のドームの向こうには、あの日から姿を見せず、てっきり亡くなったと思っていた啓子さんの「18年前から変わらない」姿があった…。
昭和版バック・トゥ・ザ・フューチャー

太平洋戦争末期~昭和中期までを舞台に、当時の世の中や風俗をノスタルジアたっぷりに再発見できるタイムトラベル小説。何よりも、あちこちに配置してある伏線やキャラクタの人間関係が、最後にむかって収束していくのは、まさに映画的快感です。
(ある意味で、読めちゃうオチでもありますが)
第一章/最終章サブタイトルの「プラス・ゼロ」「マイナス・ゼロ」が言い表しているように、最後にむけて、未来と過去に散らばった謎がプラスマイナス零になっていきます。文章も読みやすく、一昔前、ハッピーエンドの古き良きハリウッド映画を観ている楽しさ。
日本版ハインライン「夏への扉」と呼ばれることもあるそうですが、最後の伏線回収疾走感は通じるものがありますね

ただ、主人公のあまりの動じなさというか、そのシチュエーションになったらもうちょっと焦るだろとか何処からともなく発生する当時の金とか、ご都合主義すぎる部分もあるような ←でも、ハリウッド映画的に考えればそんなもんかしら?
あと、タイムマシンは結局誰が何処から持ってきたの?という、「バック・トゥ~」でいうドクの役割が、結局最後まで謎のままだったのは、さすがにだいぶ不満。ぷう。
それでも時間移動を背景設定に使っただけの人間ドラマ(某東野さんとか


★★★★はつけます。広瀬正、ほかの作品も読みたい~!
プレゼントしてくださったIさんに感謝を籠めて!!

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マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)
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広瀬 正
集英社
売り上げランキング: 47232
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