病んだ本が、多い。
というよりも、病んだ人を描く本がとても多い。ま、偶然かもしれませんが。縁というのは奇妙なもので、できたら脳内OS不良中にそういう本に遭遇しまくりたくないんですけど・・・笑
でも、出会ってしまったらしかたがない。
つきあうよ、君に最後まで。
子どもたちは夜と遊ぶ(上・下)
辻村 深月(著)講談社文庫

海外大学への留学生を選抜する、大学学部生での論文コンテスト。最優秀賞の候補と目されていたのはD大学の狐塚孝太と木村浅葱だったが、ふたりが見つけた結果は意外なものだった。選ばれた論文は、C大学在籍の「i」なる人物によるもの。「i」とは誰なのか。そして、そのイニシャル「i」なる謎の誰かが木村浅葱の過去と結びついた時、「i」と「θ」による、連続殺人ゲームが幕を開ける。
-----------------------------------------
『 θへ
待っているよ、次は君の番だ
○次回へのヒント 春『』秋冬
足りないのは?
i』
----------------------------上巻p158より--
その横で、学生たちは小さなことに悩み続ける。
実際に本文中で「アニメのような雰囲気」と形容される登場人物といい、リアリティの欠如といい、心理学に走るところといい、これは昨今流行の理系ミステリィというカテゴリに入れていいんでしょうか?
オチはまあ、そんなもんか、てな感じです。おまけにやったら長い。はっきりいって冗長。子どものささいな悩みを鬱々と書き連ねてるわりに(たいしたことがない人間関係の悩みがほとんど)、キィになるトラウマ的記憶は逆にぶっとびすぎてて、妙なアンバランス感。
ただ、それでも。
むしろ、それなのに。
伏線が繋がる快感は、まさにミステリィの娯楽なんです。
物語そのもののは魅力不足というか、ドラマやオチにカタルシスをまったく感じないんですが、下巻後半からスタートする伏線の回収っぷりと、作中の人間関係のネタばらしがえっらいキモチイイ。あーくそっ、○○が××の△△だったのね、ここの描写はこの意味だったのね!という。
登場人物がさわやか大学生ばっかりなわりに、ジュヴナイルのような成長物語とは違うので、爽快感をともなう読後感はないです。現実社会に向けて示唆する内容も、たいして思いつくものはないです。ないないづくしですが、ミステリ的快感はたっぷりです。
きっと、また別の作品を読んでしまうのでしょう。
冗長だなぁこんちくしょうと思いながら。
・・・なんか、悔しいぞ。
■メンタルヘルスなテーマの物語
「コンセント」(田口ランディ)は精神を病んでるという事実に対しての、完全なるパラダイムの転回が物語の軸。ウィンドウズからマックへ変えちゃいました、みたいな。
「マルドゥック・スクランブル」(冲方丁)は、トラウマと自分自身をまっすぐ見つめて乗り越える、成長物語。だから、バージョンアップみたいなもの。タイガーからレパードへ。
※読書感想文りんく 第一巻 第二巻(アメンバー限定) 第三巻
比べてみて。「子どもたちは夜と遊ぶ」に類似のアナロジーを用いるなら、一度クラッシュしたPCにOSを再インストールする物語なのかな、と思いました。
いや、ぶっちゃけると、このところ読書感想文が止まってた犯人(本)はこいつらです。なんだか一章ごとにやたら疲れて、本を閉じたくなるのです。下巻の後半からは一気読みできたけれど、前半で異様に時間がかかりました。ふんだ。

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■BOOK LIST■
殺人ゲーム。
良いのかな?
読む人に切なさと希望をくれる物語
切なさと衝撃と・・・読み応え充分!!
「i」は、誰なのか?
救いを求める自分を再発見してしまう小説でした。
やや強引な印象
死との向き合い方
コンセント
魂が感じられない
わかる人にはわかる
カウンセリングへの道
SFXばりばりのアクション映画かアニメか・・・
【物語の既視感】
戦うということ、生きるということ
激情。
情景がまざまざと浮かんでくる描写が素敵

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というよりも、病んだ人を描く本がとても多い。ま、偶然かもしれませんが。縁というのは奇妙なもので、できたら脳内OS不良中にそういう本に遭遇しまくりたくないんですけど・・・笑
でも、出会ってしまったらしかたがない。
つきあうよ、君に最後まで。
子どもたちは夜と遊ぶ(上・下)
辻村 深月(著)講談社文庫


海外大学への留学生を選抜する、大学学部生での論文コンテスト。最優秀賞の候補と目されていたのはD大学の狐塚孝太と木村浅葱だったが、ふたりが見つけた結果は意外なものだった。選ばれた論文は、C大学在籍の「i」なる人物によるもの。「i」とは誰なのか。そして、そのイニシャル「i」なる謎の誰かが木村浅葱の過去と結びついた時、「i」と「θ」による、連続殺人ゲームが幕を開ける。
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『 θへ
待っているよ、次は君の番だ
○次回へのヒント 春『』秋冬
足りないのは?
i』
----------------------------上巻p158より--
その横で、学生たちは小さなことに悩み続ける。
実際に本文中で「アニメのような雰囲気」と形容される登場人物といい、リアリティの欠如といい、心理学に走るところといい、これは昨今流行の理系ミステリィというカテゴリに入れていいんでしょうか?
オチはまあ、そんなもんか、てな感じです。おまけにやったら長い。はっきりいって冗長。子どものささいな悩みを鬱々と書き連ねてるわりに(たいしたことがない人間関係の悩みがほとんど)、キィになるトラウマ的記憶は逆にぶっとびすぎてて、妙なアンバランス感。
ただ、それでも。
むしろ、それなのに。
伏線が繋がる快感は、まさにミステリィの娯楽なんです。
物語そのもののは魅力不足というか、ドラマやオチにカタルシスをまったく感じないんですが、下巻後半からスタートする伏線の回収っぷりと、作中の人間関係のネタばらしがえっらいキモチイイ。あーくそっ、○○が××の△△だったのね、ここの描写はこの意味だったのね!という。
登場人物がさわやか大学生ばっかりなわりに、ジュヴナイルのような成長物語とは違うので、爽快感をともなう読後感はないです。現実社会に向けて示唆する内容も、たいして思いつくものはないです。ないないづくしですが、ミステリ的快感はたっぷりです。
きっと、また別の作品を読んでしまうのでしょう。
冗長だなぁこんちくしょうと思いながら。
・・・なんか、悔しいぞ。
■メンタルヘルスなテーマの物語
「コンセント」(田口ランディ)は精神を病んでるという事実に対しての、完全なるパラダイムの転回が物語の軸。ウィンドウズからマックへ変えちゃいました、みたいな。
「マルドゥック・スクランブル」(冲方丁)は、トラウマと自分自身をまっすぐ見つめて乗り越える、成長物語。だから、バージョンアップみたいなもの。タイガーからレパードへ。
※読書感想文りんく 第一巻 第二巻(アメンバー限定) 第三巻
比べてみて。「子どもたちは夜と遊ぶ」に類似のアナロジーを用いるなら、一度クラッシュしたPCにOSを再インストールする物語なのかな、と思いました。
いや、ぶっちゃけると、このところ読書感想文が止まってた犯人(本)はこいつらです。なんだか一章ごとにやたら疲れて、本を閉じたくなるのです。下巻の後半からは一気読みできたけれど、前半で異様に時間がかかりました。ふんだ。

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■BOOK LIST■
子どもたちは夜と遊ぶ 上 (1) (講談社文庫 つ 28-3) (講談社文庫)
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辻村 深月
講談社
売り上げランキング: 32723
講談社
売り上げランキング: 32723
おすすめ度の平均: 






子どもたちは夜と遊ぶ 下 (3) (講談社文庫 つ 28-4) (講談社文庫)
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辻村 深月
講談社
売り上げランキング: 29053
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売り上げランキング: 29053
おすすめ度の平均: 



コンセント (幻冬舎文庫)
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田口 ランディ
幻冬舎
売り上げランキング: 45127
幻冬舎
売り上げランキング: 45127
おすすめ度の平均: 






マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)
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冲方 丁
早川書房
売り上げランキング: 16200
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