萩尾望都さんの漫画版は読んだことがあったのですが得意げ


やっぱり主役は阿修羅王でしょ。

とうとうチャレンジしちゃいました。原作。

百億の昼と千億の夜
光瀬 龍(著)早川文庫



過去の伝説と、滅びのサイン。理想の王国、アトランティスを探し旅する哲学者プラトン。アトランティスの崩壊を目の当たりにする司政官オリオナエ。悟りの道を求め、仏道を志すシッダールタ。彼に「救いとは何か?」との問いを投げかけ、仏軍と戦い続ける阿修羅王。最後の審判を説き、はりつけの瞬間に奇跡とともに天に消えるナザレのイエス。奇跡に疑問を抱き、それが起きるまさにその瞬間に、オリオナエとシッダールタが発した世界の変転への問いかけを聴くイスカリオテのユダ。

そして時は未来へ。原始の海を泳ぎ、未来の東京に復活するシッタータ。荒廃した都市で、オリハルコンを手に戦士を待ち続けるオリオナエ。シッタータを待ちぶせる「惑星開発委員会」の一員となったナザレのイエス。やはり復活を遂げて、颯爽と降り立つ阿修羅王、再び。

世界の滅びとはどんな状態なのか、なにものの意思なのか、惑星開発委員会とは誰か、対抗する術はあるのか。物語の鍵を握るのは、数十億年もの先の未来に現出し、救いをもたらすと「伝えられる」存在、弥勒菩薩。

キャラクターを書き出すだけで、あらすじを語っているような。。。連なる神話と伝説、宇宙観を編み上げた物語のスケールの大きさに脱帽ものの物語。正直、とっても消化しきれた気がせず、読後に漫画版で復習しましたシラー 漫画版にもどって、ああ、そうだったのねと思うシーンがあちこちに。

圧倒的スケールを文字で追うのが魅力だと思います。後は私の語彙じゃ、無理。「果てしなき流れの果てに」とか、宇宙と時空間を縦横無尽に綴るタイプの物語がお好きな方は、是非。

よっしゃ、チャレンジしたろう!という強者の方は
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一カ所、漫画・原作両方で印象的だったのが、阿修羅王がシッダールタに向かって放った「孤独よりは悪とともにいるほうが良いと見えるな?」のせりふ。まさに、その通りに皮肉な状態に陥り、それでも絶望的な孤独を否定しながら進んでゆく阿修羅王。変転の体感の中で、シッダールタとオリオナエに触れたことによる希望だけを抱いて。

かっこいいショック!

脳内では漫画の絵で動いちゃってましたが、やっぱり原作、読んでよかったです。だた、イメージが壮大すぎてたぶん原作だけではついていくのも危うかったはず。漫画も読んどいてよかったです(笑)。ユダへの役割割当と阿修羅王&帝釈天の対決は、漫画版オリジナルの良さでしたが。

それにしても膨大なスケール。疲れたぁ~。
仕事しよ。


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