電波女と小さな世界 -2ページ目

残念な解説

一応「小説」カテゴリになっていますが、残念なことにこれは小説ではなく残念な私による残念な小説の解説となっています。残念でした!
このブログ自体、自分の為の覚書なのですが、ちらほら書いていたなんちゃって童話シリーズが15個を超えたので、そろそろこういうの書かないと、後々見た時忘れてまう…と思いまして!
いや…そんなんいいわ…まじひくわ…ていう方は、この日記は見なかったことにして下さい。ごめーんね☆(・ω<)テヘペロ










さて、なんちゃって童話シリーズですが、ここまで続くとは自分でもちょっとドン引きです。
昔から私は童話とかおとぎ話とかが大好き過ぎてこじらせて厨二病脱し切れてないんですが、自分の欲望をそのまま童話をモチーフにしてぶつけたのがこのなんちゃって童話シリーズです。
このシリーズを書くにあたって、なんとなく私の中で決めていることがあります。
①話を書く時に、改めて童話を読み返さない。自分の記憶の中の童話で書く。
②絵本は簡単な言葉しか使ってないので、難しい言葉づかい、まだるっこしい言葉づかいをしない。厨二な漢字づかいもしない。
③勢いで書く。
です。そんなもんで、全然童話と内容が違ってても、思い違いをしてとんでもない方向に行っていても、ごめーんね☆(・ω<)テヘペロでごまかしますよ私は!!!記憶っていうのは!!間違うものだからねぇ!!!


・重たいお姫様
テーマは「ラブだよラーブ」(MOTHER風に)。元のお話は「赤ずきん」。既に原型などない。
タイトルは「軽いお姫様」という童話より。内容はかすってもいませんがこちらもとても面白い童話ですオススメ!!

・白雪姫
テーマは「強欲」。アダムとイブをそそのかせたヘビって、なんかいいですよね。ゲーテのファウストにも出てくるんですよゲヘヘ。

・人魚姫
テーマは「羨む」。思いついた時は人魚姫が王子様殺してフフフ★私ってやっぱり幸せって笑うような話だったような気がしますが、いつの間にかちゃんとしたハッピーエンドに。良かった良かった。

・ヘンゼルとグレーテル
テーマは「狂うほどの愛情」。元のお話でもね、ヘンゼルはそこそこヘタレだと思うんですよええ。

・ラプンツェル
テーマは「不安」。ラプンツェルの葉っぱって、なんかレタスのもっと苦いのなイメージ。

・眠り姫
テーマは「傲慢」。姫の元のイメージが某海賊漫画の「そうよ妾が…」な姫っていうのはナイショな!!この話はもっと長い話で考えていたのですが、こういう形で圧縮させて満足しました。

・赤い靴
テーマは「自信のなさ」。「赤い靴」というアンデルセンの童話を元にした映画があるんですが、本当に素晴らしい映画でした。それのイメージがどうしても離れませんでした。

・パンを踏んだ娘
テーマは「贖罪」。主人公の名前をゲルダだと勝手に思ってた私の馬鹿。

・不思議の国のアリス
テーマは「成長すること」。これも当初は、アリスが不思議の国から帰って来れなくて不思議の国がどんどん狂ってゆく的な話を想像していましたが、まともなお話になりました。というかそれはもう違うところがやってるよね…よかったかぶらなくて…。

・ハーメルンの笛吹き
テーマは「優しさ」。童話のこと勉強しようと思ってハーメルンの笛吹きの解説書を読んだら、「子供たちは口減らしの為にわざと捨てられたのではないのか?」という記述があったので、コレハイタダキ!と書きました。いやー童話とかも勉強するととても面白いもんですねー。

・シンデレラあるいは青ひげ
テーマは忘れましたがホラーを書きたかった模様。シンデレラって元の話も足切ったりとか意外とえぐいので、多分脳内で直結したんだと思います。青ひげ最初読んだときマジでガクブルでした。

・エンドウ豆の上のお姫様
テーマは「誇り」。でも一人称視点にしてしまったので失敗した感があります。残念!

・親指姫
テーマは「親心」。早く赤ちゃん欲しいなーって思いながら書きました。

・雪の女王
テーマは「自立」。エンドウ豆に引き続きなんだかよく分からない話になってしまった残念!

・美女と野獣
テーマは「恨み、憎しみ」。どうして少女は野獣を愛していたのに、野獣は元の姿に戻らなかったの?って感じですが、まあ野獣が自分の姿を忘れていたからジャナイカナ!!そんな感じで全部の話は結構設定とかあやふやです。

・イーダちゃんのお花
テーマは「未練」。フフ…この話みなさん知らないでしょう…私は大好きな童話ですよ…フフフ…。


改めて書き出してみるとまあアンデルセン童話が多いですね!
私が一番大好きな童話作家は、アンデルセンです。彼の書くさみしくて温かい話が本当に大好きです。

このお話は全て自己満足なんですが、書く度に自分の中でずっと待っていてくれた童話に出会えたような気がします。沢山の童話が私の中で眠っていて、私の中の沢山の感情とそれが結びつくことは、自分が救われたような気持になります。
まあそんなわけで、これからもなんちゃって童話シリーズは自己満足で続いていきますよというお話でした!!(・―・)オワリ

イーダちゃんのお花



 あるところに、小さなイーダちゃんという女の子がおりました。イーダちゃんにはとても大好きな人がいました。いつもイーダちゃんに優しくしてくれるおとなりのお兄さんです。お兄さんはある日、イーダちゃんにとても綺麗な花束をくれました。イーダちゃんはそれはそれは大切にしていましたが、お花はだんだん茶色く、枯れていってしまいました。悲しくなったイーダちゃんはママに聞きます。
「ねえ、どうしたらお花が元気になるかしら?」
「お花をベッドで寝かせてあげたら元気になるんじゃないかしら」
 イーダちゃんはママの言うとおり、人形のベッドで花束を寝かせてあげました。イーダちゃんはその夜、泣きながらいつの間にか眠ってしまいました。

「ねえ起きて、イーダちゃん。私たちと遊びましょうよ」
 イーダちゃんが目を覚ますと、そこにはとても美しいドレスを着た女の人が立っていました。
「あなたは誰?」
「私はお花よ。あなたが私たちを大事にしてくれたから、こうやって出てこれたの」
 お花の妖精は美しく笑いました。イーダちゃんはその手をとって、ふわふわする世界へと足を踏み出しました。そこには色んなお花の妖精がいます。パンジー、スミレ、ポピー、アザミ、チューリップ、ヒナギク、マーガレット……。イーダちゃんの手を引いてくれたのは、ピンクのバラの妖精でした。イーダちゃんはとても楽しくなって、妖精たちと一緒に踊ります。その中でもひときわ美しい、青いバラの青年に手をとられた時、イーダちゃんは本当に嬉しくて嬉しくたまりませんでした。
「いつまでもいつまでも、ここにいたいわ」
 小さなイーダちゃんはそう言います。もう朝はすぐそこまで来ていると分かっていました。
「ここにいればいいよ」
 青いバラの青年は優しく微笑みます。
「僕たちはずっと君をここで愛してあげる。僕だってずっと君だけのものでいてあげるよ」

 イーダちゃんは青いバラの顔を見上げました。それは、お隣のお兄さんにそっくりでした。美しいお花の妖精たちも口々に叫びます。
「ここにいましょう」
「ここは優しいわよ、あなたを傷つけるものなんてないもの」
「ここは素敵よ。何もしなくてもいいの」
「ここは幸せよ。あなたはずっとここで踊っていればいいの」
 イーダちゃんは踊りながら考えました。ここにいれば、きっともう泣きながら眠ることなんてないのでしょう。何もかもを忘れたふりをしていられるのでしょう。この青いバラの青年も、私だけのものになってくれると言っているではないですか!
 イーダちゃんは自分のドレスのすそを掴みました。そして、自分に最初に手を差しのべたピンクのバラの妖精をみます。その妖精だけは、どうしてだかもう笑っていませんでした。彼女は言いました。
「本当にいいの?」

 イーダちゃんは忘れてなんかいませんでした。自分はもう、小さな少女ではないこと。花束を寝かせた夜は、随分昔のこと。あの花束はあの後すぐに枯れてしまったこと。あのお兄さんは、随分前に違う誰かと結婚してしまったこと。そして自分はそのことを忘れられなかったこと。ずっと、ずっと。
「だから今日、あなたは私の前に出て来たのね」
 もうイーダちゃんは小さい少女ではありませんでした。一人の女性である彼女は、青いバラの青年を見ました。
「私はきっと、あなたのことを完全に忘れることなんてできないでしょう。でも、私にはもう、あなた以外の人生が待っているの。だから私はここにいることはできないわ。さようなら」
 大きなイーダは目を覚ましました。隣には、今日自分が持つはずのウェディングブーケがありました。そのブーケには、ピンクのバラがたくさん、たくさん飾られていましたが、どうしてだか一輪のピンクのバラだけは、茶色く枯れてしまっていました。



『イーダちゃんのお花』
先へ進む為に、捨てること


美女と野獣


 むかしむかし、あるところに一人の王子がいました。王子はとても美しく、望めばなにもかもが手に入る立場にありましたが、ちっとも幸せではありませんでした。それどころか、世界中の全てを憎んでいました。どんなにおいしいごちそうを食べても、どんなに美しい侍女がそばにいても、どんなに輝く財宝を持っていても、王子の心は満たされませんでした。なぜなら、王子は生まれた時に親に捨てられてしまっていたからです。王子の上にはとてもよく出来た兄がいました。両親である王と后は、その兄さえいれば満足でした。だから一緒に生まれた王子を捨ててしまったのです。王子を救ったのは一人の魔法使いで、王子はその魔法使いによって、王子になれました。王と后と兄はもういません。けれども、王子の心にはいつも、親に捨てられた恨みがありました。

 「あなたはその親を捨てたではありませんか」
 魔法使いはそう言って笑います。けれども王子は眉をひそめたまま首を横に振るのでした。
 そんな王子が治める国の様子は、それはそれは酷いものでした。国民たちはいつも重たい税に苦しみ、たくさんの人が死んでいきました。王子は気に入らない者たちをどんどん殺していきました。残酷な方法でたくさんの人が苦しみ、町中には死体があふれかえっていました。王子はそれを見てもただ眉をひそめるだけでした。何も彼の心を晴らすことはありませんでした。
 ある日、魔法使いは王子の前で深々と頭を下げました。
「ありがとうございます王子さま。やっぱり私の目に狂いはなかった。あなたほどどす黒い心を持った王子はいません。この国はもはやどうしようもないくらい真っ暗な国になった。これで心おきなく私の国に出来ます」
 魔法使いは本当は悪魔だったのです。悪魔は笑うと、王子を醜い野獣に変えてしまいました。悪魔の手先が野獣を追いたて、野獣は国から遠く離れた森の中に逃げるしかありませんでした。
「私の前に姿を現さない限り、殺しはしません。あなたには感謝しているのですから。さようなら王子さま。あなたは死ぬまで、あなたの心と同じような醜い野獣の姿のままです。その薔薇が散る前にあなたを心から愛してくれる人が現れたら呪いはは解けますが、まああなたには無理でしょう」
 悪魔の声がどこからか聞こえ、一輪の薔薇が野獣の前に落ちてきました。血のように赤い、たいへん美しい薔薇でした。

 野獣はそれからずっと、一人きりで森の奥の屋敷に暮らしていました。不思議なことに食べるものや着るものに困ることはありませんでした。きっとこれもあの悪魔の感謝とやらなのだろうと野獣は思い、眉をひそめました。
 生まれた時に親に裏切られ、自分を助けてくれたと思っていた者にも裏切られた野獣は、相変わらずなにもかもを恨んでいました。毎晩毎晩、悪魔のことを恨んでは咆哮を上げます。夜の森に響くその恐ろしい声のおかげで、誰一人その森に近づくことはなくなりました。
 野獣は一人きりで朽ち果てた屋敷の中で生きていました。薔薇の花びらは一枚、一枚散っていきます。それでも野獣は誰とも会いたくありませんでした。自分がこうなったのは全て、誰かのせいだと思っていました。

 俺を捨てた両親が憎い。あいつらが俺を愛してくれさえすれば、俺は今一人きりで眠ってなどいないだろう。
 俺より優れていた兄が憎い。同じ顔、同じ声なのになぜああも違った。あいつが俺に優しくしてくれれば、俺はあいつを殺さずにすんだだろう。
 俺を裏切った魔法使いが憎い。俺がしてきたことは全てあいつの筋書き通りだったのか。あいつが人間だったなら、まともなやつだったら、俺はきっと幸せに笑えたはずなのに。

 そんな風に野獣は夜に血が吐くほど誰かを恨んでいたのです。少女がやってきたのもそんな夜でした。
 ぼろぼろになった服をまとい、何もかもを泥だらけにして少女は野獣の前に倒れました。体中が醜いあざや傷でいっぱいで、痩せこけて骨が浮き出た、大変みすぼらしい少女でした。野獣がそのするどい爪でなでれば、少女はそのまま死んでしまうでしょう。そのぐらい少女は弱りきっていました。野獣はそのまま少女を殺そうと牙をむきました。けれども、少女は震える手で野獣の腕を握りました。すがりつくような細い手を、野獣はなぜだか振り払えず、屋敷へ少女を連れて行ってしまいました。
 こんこんと眠りつづける少女を、野獣はずっと見ていました。少女が起きる頃になるとそっと食べ物を置いて離れて見ていました。動く人間を見るのは本当に久しぶりでした。少女は獣のように食べ、眠りました。どんどん少女は回復していきました。体を洗い、服を着替えると少女はまるで別人のようになりました。
「あたしを助けてくれてありがとう」
 少女はそう言って頭を下げました。上品さのかけらもないお辞儀でした。少女の傷はいくらか治っていましたが、手足は醜いあざが残ったままでした。
「これは鎖のあとなの。あたしは奴隷だったから、でももう動けなくなったから捨てられちゃったの。鎖はね、また違う奴隷に使うからって外されちゃったの。でもあとだけのこっちゃったねえ」
 少女は笑いました。野獣は眉をひそめました。
「お前は恨んでいないのか」
 それは、野獣が少女と話した初めての言葉でした。
「お前を奴隷にしていた主人が、お前を縛っていた鎖が、そしてお前を殺そうとしたこの俺が憎くないのか」
「うらむとか、にくいってよくわからないよ。でもあたし、今はおいしいご飯いっぱい食べられるし、こうして生きていられるから、うれしいかな」
 笑う少女を見て野獣は戸惑いました。こんな人間は初めてでした。自分の周りにいた人間はどれも、人の不幸を笑うようなものばかりでした。でも少女は自分の不幸を忘れたように笑い、今の幸せに感謝しています。野獣は感謝されることにも慣れていませんでした。少女は醜いあざの残った手で、醜い野獣に触りました。
「あたしが見たどの人とも、あなたは違うのね。でもあなたが一番優しいよ」
 少女の手はとても温かく、野獣はやっぱり少女を振り払うことができませんでした。それからも少女は野獣の屋敷に住み続けました。少女は屋敷の掃除や、二人の食事を作りました。野獣は眉をひそめながらも、それを許し続けました。たまには共に食事をしました。少女の作る料理はあたたかな料理ばかりでした。

 ある日少女は、野獣の薔薇を見つけます。美しい薔薇に少女は息をのみました。けれども野獣はその薔薇を憎々しげに見つめていました。薔薇の花びらは、もうあと一枚しか残っていませんでした。
「その薔薇が散ると、俺はこの姿のまま一生戻れなくなるのだ」
「前はどんな姿だったの?」
 そう聞かれて、野獣は前の姿がどんなものだったか思い出せなくなっていることに驚きました。両親のことも、兄のことも、あの悪魔のことも、もう遠い遠い昔のことのようでした。
「あたしはあなたの、その姿すきよ。寒い夜は一緒にいるととても温かいから」
 野獣は眉をひそめました。そういえば、もう夜に咆哮することも、いつからかなくなっていました。夜はいつも少女と一緒に眠っているからです。

 少女が来てまだ間もない頃、野獣は夜に吠えていましたが、少女はそんな野獣を見て言ったのです。
「あたしと一緒に寝よう。あたしも苦しい時は花や木と一緒に寝ていたんだ。何かと一緒に眠るとね、そのなにかが苦しいのをちょっとづつ食べてくれるんだ。あたしはとっても痩せているから、たくさんあなたの苦しいを食べられるよ」
 少女は決して美しくはありませんでした。手足に残るあざはどれほど年月が経っても消えませんでした。けれども少女は野獣のそばから離れることはありませんでした。少女は大きくなり、立派な女性になりました。野獣の薔薇の最後の一枚は、もうずっと前に散ってしまっていました。それでも彼女は、毎日屋敷を掃除し、野獣の料理を作り、毎晩一緒に眠っていました。


 そんな生活が何年も続いたある日、野獣はとうとう言いました。彼を追い出した国がとうの昔に滅んだことを、彼は知りませんでした。彼を裏切った悪魔が誰かに殺されたことを、彼は知りませんでした。彼が殺したと思った両輪と兄がまだ生きていて、その国を新しく作り直したことを、彼は知りませんでした。けれども野獣は少女に言いました。
「俺は昔たくさんの人を殺してきた。両親に愛を与えられなかったせいだと思っていた。
 俺は昔たくさんの人を苦しめてきた。兄に虐げられたせいだと思っていた。
 俺は昔たくさんのものを奪ってきた。悪魔に歪んで育てられたせいだと思っていた。
けれども違った。だってお前はどんなに歪められても、虐げられても、愛を与えられなくてもこんなに美しく育った。俺はこんなにも醜く生きてしまったのに。
お前といると苦しい。俺がなれなかった俺を見ているようでとても苦しい。でも離れられない。どうしてだ?お前を殺して俺も死のうと何度思ったことか。でも出来なかった。どうして俺はこんなことを思うんだ。こんなことを思ってしまう俺が憎い。俺は自分が憎くて憎くて仕方がない。俺が本当に恨んでいて、憎くて憎くて仕方なかったのは、両親でも兄でも悪魔でも世界でもなくて、俺自身だった」
 野獣はそう言って泣きました。大きな大きな声で泣きました。両親を、兄を追い出した時に出せなかった涙を、悪魔に裏切られた時に流れなかった涙を、沢山の人を殺しても出なかった涙を、その時に全部出しました。彼女はそんな野獣の手をずっと握り、一緒に泣いていました。
「ねえ、あなたは自分を憎くてしかたないと言うけれども、あたしはそんなあなたをずっと前から愛していたの。あなたが自分を憎くて苦しむのなら、あたしがその憎しみ以上に愛してあげる。だからお願い、ずっとずっとあたしと一緒にいて」
 野獣はそれを聞いて、頷きました。頷いて彼女を抱きしめました。彼女も野獣を抱きしめました。

 それ以来、その屋敷の周りは美しい薔薇で覆われました。薔薇は屋敷も彼女も野獣も覆い尽くしました。だから今も、二人はずっと一緒に、幸せに暮らしていることでしょう。


『美女と野獣』
あたしが、あなたの代わりに。