「Alter Ego」は、株式会社カラメルカラムが1月4日にリリースしたスマートフォン向け放置”性格診断”ゲームです。ガイドキャラクターの「エス」と会話をしながら画面をタップすることで様々な分析テストを行い、その結果から自分自身を探究するという内容で、開発担当者は実際に心理学を学んでいたとのこと。各分析の結果に応じて過去の哲学者や作家の言葉が投げかけられ、プレイヤーに自分を見つめ直すことを促します。
私は同タイトルのプロトタイプを2018年4月に開催されたインディーゲームイベント「TOKYO SANDBOX 2018」にて見ましたが、その当時と比べBGMもキャラクターデザインもかなりグレードアップし、非常に雰囲気の良いタイトルへと進化していました。
当時のプレイレビューはこちら
【TOKYO SANDBOX 2018レポート】プレイヤーの精神を鋭く分析するクッキークリッカー系性格診断ゲーム「Alter Ego(オルタエゴ)」
ゲームのストーリーは画面をタップしながら進む「心の迷宮」と、ガイドキャラクター「エス」の部屋を行き来することで進行していきます。ゲームを開始すると、まず「心の迷宮」の主である“エゴ王”が語りかけてきて…
「心の迷宮」を進みながら次々と浮かび上がる内省的なセリフをタップしてゲーム内ポイント「ego(エゴ)」を貯めていきます。
ある程度「ego」が貯まると、次はそれを使って本を購入できるようになります。最初に買えるのは太宰治の「人間失格」。本を購入するとそれ以後のegoの獲得量が増え、さらに「心の迷宮の中」に「恥の多い生涯を送って来ました」など、作品の文章も吹き出しとして登場するようになります。
こうして本を買ってegoの獲得量をどんどん上げていき、またegoを貯めて新しい本を買い…というのがこのゲームの主な流れです。本を一度買うと、それ以降はアプリを起動していない間も自動的にegoが少しずつ貯まっていきます。これ自体は至って普通のクッキークリッカー系のインフレ放置ゲームの流れですが、本作は「エス」との会話(精神分析テスト)を重ねることによって彼女とのストーリーも進行していきます。
こちらが本作の開発に参考された文献のリスト。最高過ぎます。
「エス」のテストは多岐にわたり、単なる質問形式の選択式の質問だけでなく、プレイヤーが自由に複数の単語を選択する自由連想形式の診断や、文章をAIで解釈する診断など様々なものが用意されており何度やっても飽きることがありません。そしてテストを重ねていくごとに、徐々に「エス」と「エゴ王」の関係や「エス」自体の性格も明らかになっていきます。
こうして次々と本を買い集め…
目標を達成してさらにegoを獲得し…
ゲーム自体はシンプルなのに、自分の性格の分析と共にストーリーも楽しめ、さらに国内外の文豪の名著も振り返ることができるという、実にてんこ盛りなお得な内容のゲームです。ちなみにストーリー(分析)の第一章は動画広告の視聴で何度もやり直すことができますが、二章以降はやり直しがきかなくなるので、進める最は慎重にして下さい。